IC-7800 / HFオールバンド+50MHz〈SSB・CW・RTTY・AM・FM〉200W トランシーバー


開発の思い

開発チームより

製品詳細

追加新機能

特長 1

特長 2

特長 3

特長 4

付属品・オプション

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定格

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生産終了品

開発チームより IC-7800開発のねらい

アイコム株式会社 第1設計部
IC-7800設計チーム



アイコムは40年間にわたり常にアマチュア無線界をリードし、世界のハムの夢をかなえ続けてきた。HFフラグシップ機であるIC-X1を発表した後、量産機としてリリースしたIC-780は今でも現役機種として世界中で活躍しており、約15年が経過した現在もなお、その性能と信頼性は高く評価されている。そのIC-780は2002年9月に生産中止が決まり、メンテナンスなどのリクエストには応えているものの、長年愛用されてきたユーザーからの惜しまれる声が強かった。一方では、HF帯特有の環境の変化や運用目的に対する要望や意見、さらには新製品に対する期待などが、ユーザーから日々数多く寄せられている。そのような中で、これまでにアイコムが蓄積してきたアナログ高周波(RF)技術とデジタルの最新技術を積極的に取り入れた集大成として、性能・機能・品質のすべての面において妥協を許さず、アマチュア機の枠にとらわれないHFトランシーバー開発プロジェクトが結成されることとなったのである。

基本 Basic

トランシーバーの性能は、受信では微弱な信号をいかに聞き取ることができるか、あるいは強力な混信妨害やノイズの中から希望信号をいかに選択し忠実に再現できるかであり、送信ではどれだけのクリーンな電波を発射できるかに尽きる。こういったあたりまえと思うことを、世界中の無線機メーカーやアマチュア無線家たちが長年にわたって追い続けてきたが、これらの基本性能はいつしか付加機能に頼るようになり、操作性や機能面は大幅に向上したものの、アナログ性能に関しての本来のあるべき姿は、一定の水準からは大きくは変わらなくなってきた。アイコムは基本に立ち返ってそれらを率直にとらえて見つめ直すことから、このプロジェクトはスタートした。

ひずみ Distortion

トランシーバーの性能を議論するときには必ず「ひずみ」という言葉が登場する。ひずみによって性能が左右されることは言うまでもない。構成部品に非線形の半導体を用いる限りは避けて通ることができない要素である。また、アンテナから入ってくる非常に高いレベルの信号や送信段で作り出される高出力を扱う上では、受動素子においてもひずみが発生してしまう。IC-7800の開発はこのひずみとの戦いから始まった。従来回路の細部にわたって一から見直しを行い、各回路に最適なデバイスの選択はもちろんのこと、選りすぐられた部品の採用と基礎研究を重ねて築き上げた、最新の技術によって耐ひずみ特性の大幅な向上に成功した。

受信 Receiver

RF部分では、受信系は新技術のイメージリジェクションミキサーを導入することによりダブルスーパーヘテロダイン方式とし、アンテナ入力からオーディオ出力に至るまでのすべてのブロックを2系統持つ、まさに2台の受信機を搭載した贅沢な構成である。バンドパスフィルター、プリアンプを含むフロントエンドのミキサーIFは、それぞれの回路ごとにひずみ成分の排除を重視した新設計で、その結果としてプロ仕様としても通用する第3次インターセプトポイント+40dBmと110dBのダイナミックレンジをもたらした。

送信 Transmitter

送信系はマイク入力からアンテナ出力までの適切なレベル配分に加え、パワーアンプ部にはMOSFETを採用したプッシュプル構成とし、それを高電圧で駆動することによってHF帯から50MHz帯まで200Wのパワーと優れたIMD特性の両立を可能とした。

さらに Additional


これらの基本性能は、受信用に2素子、送信用とバンドスコープ用に各1素子を、それぞれが受け持つ32ビット浮動小数点DSPがサポートする。それぞれのDSPはIF段で処理を行うことで、受信ではAGCループ処理・IFフィルタリング・ノイズリダクションなどにより信号の選択性やダイナミックレンジを向上させ、送信では各モードに応じた信号処理によって電波の質を高めている。また受信のトップにはデジタル制御のオートマチックプリセレクターを装備し、他バンドからの抑圧を排除している。このようなデジタル技術と、運用環境や運用形態を加味したソフトウェアを効果的に融合させることで、優れたアナログ性能を余すことなく引き出している。まさに、アナログ技術とデジタル技術の絶妙なバランスと言って良い。

豊富な機能と相まって、大胆に組み込んだ7インチワイドのTFTカラーLCDによる運用状況の集中表示や、メインバンド/サブバンドで完全に独立したツマミ、キーの配置など、操作性を損なうことがないように基本的な操作やビジュアル面での配慮も万全である。

IC-7800はIC-780と同様にいつまでもユーザーに愛用されるべき無線機であり、将来のアマチュア無線の運用スタイルの変化にも対応することができる拡張性を秘めている。

このように究極のTHE TRANSCEIVER IC-7800は、基本に忠実で無線機の理想像を追求して具現化したハイスペックマシンである。耳を澄まして遠くからやってくる微弱な電波を追いかけるDx'er、常にトップのランクインを狙っているコンテスターなどのあらゆるユーザーのステータス機として最高の満足度を提供できるものと確信する。

2003年12月

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