伝送距離約7.5km※の通信を実現した屋外用高速無線LANで結ぶ大規模地域イントラネット。
※SB-5000PAパラボラアンテナ同士の最大伝送距離は約10km(802.11g〈12Mbps〉通信時)です。
・掲載内容は2004年7月時点のものです。
虻田町地域イントラネット無線LAN構築例
災害対策からはじまった虻田町の無線LANイントラネット構想
今回訪れた虻田町は北海道の南部に位置する、湖(洞爺湖)と山(有珠山)と海(噴火湾)に囲まれた風光明媚で、心癒されるのどかな町です。その一方で、今もなお2000年の有珠山の噴火による影響を、見ることができます。
虻田町役場の総務部総務課管財係主事である高橋謙介様は、同町の地域イントラネットの構築に際しても、 災害対策を重視されています。「2000年の有珠山の噴火から学んだこと。それは災害に強い地域ネットワークの必要性です。光ファイバーだと、地殻変動によって回線が切断され、 虻田と温泉街が完全に分断されてしまいます。一度分断されると光ファイバーを引き直すことは困難なので、再構築するためには別ルートを確保しなければなりません。 光ファイバーによるネットワークは、復旧に莫大な時間と費用がかかってしまいます。ですから、虻田町のイントラネットは、 当社から無線LANが最適ではないかと考えていました」と話しておられます。光ファイバーよりも、災害発生時にも物理的に切断されることのない無線LANの方が、 虻田町のニーズに合った魅力的なインフラだったようです。
また、当計画の以前から虻田中学校と役場を、小規模ながら無線でつないでいた経験があったため、 その実効性や信頼性については役場の職員の方々にも認知されており、地域イントラネットに無線LANを採用することに対して異論が出なかったようです。 そのため、同町の無線LANでの地域イントラネット構築は、スムーズにスタートすることができました。
一般的に無線LANは、その優れた拡張性や導入後のランニングコストの良さにメリットを感じて導入されることが多いのですが、同町は災害対策としての無線LANネットワークの 有効性に着目した全く新しいケースと言えます。
20数箇所の施設を無線LANで結ぶ広域&高速ネットワーク
虻田町の計画は、役場を中心に20数箇所の施設を結ぶ無線LANを活かした大規模なイントラネットの構築。無線LANの規格に関しては、 計画をスタートさせた当時はIEEE802.11bを採用する予定でした。「今回のインフラの整備は、国の補助事業の一環として取り組んでいたのですが、当初IEEE802.11b(2.4GHz/11Mbps)で 申請していたところ、IEEE802.11g(2.4GHz/54Mbps)の使用が可能になりました。802.11g製品を導入しても、予算はほぼ変わらないにも関らず、大幅な通信速度のアップが見込めるということなので、 国に申請し直し、NECシステム建設さんには、IEEE802.11gへのシステム変更をお願いしました」と規格変更のいきさつを話される高橋主事。 同町の地域イントラネットは動画や音声を活かしたコンテンツの充実や情報量の増加などを予定しており、IEEE802.11bは必ずしも満足できる通信速度ではありませんでした。しかし、 IEEE802.11gを採用することで、将来性や拡張性という問題も一気に解消されたのです。
約7.5km※の長距離通信と高スループットを同時に実現
次に直面したのが、地理的な問題です。虻田町は虻田地域(噴火湾側)と温泉地域(洞爺湖側) から構成されています。これらの地域を分けるよ うに山がそびえており、無線で直接通信すること は不可能でした。そこで、2つの中継ポイント(パークゴルフ場とウィンザーホテル)を設け、アイコムのビル間通信ユニットパラボラアンテナタイプSB- 5000PAを、それぞれに設置することで、虻田地域 と温泉地域の通信を可能にしました。パークゴルフ場とウィンザーホテルの直線距離は、約7.5km。 しかも、ウィンザーホテルは標高800mを超えており、霧に包まれることも少なくないという悪条件。「事前の試験通信の結果も良好だったという報告を受けていたのですが、7.5kmも離れていて、実際に安定した通信ができるのか、正直、一抹の不安はありました。電波は海面の反射や天候の影 響を受けることがある、とも聞いていましたから。しかし、今日まで問題なく稼動しているので、我々の選択は正しかったと確信しています」と高橋主事。しかも、悪天候下でも極めて良好なスループットが得られているようです。全国最大スケールを誇る虻田町の広域無線LANネットワークの構築には、アイコムのビル間通信ユニットの卓越した通信能力が威力を発揮しています。なお、バックアップ回線も完備されており、万一、無線LANシステムにトラブルが発生した場合でも、ネットワークが途切れること はまずありません。さらに、NECシステム建設様がネットワーク/システムの確実な稼働をサポートし、障害発生時にもリアルタイムで対応できる体制を整えています。
| ※ | SB-5000PAパラボラアンテナ同士の最大伝送距離は約10km(802.11g〈12Mbps〉通信時)です。 |
