260MHzデジタル防災行政無線システム| 北海道 中川郡 幕別町 様

北海道 中川郡 幕別町 様

アイコムのデジタル防災行政無線システムで
南北約47kmの広大な町域を低コストでカバー。

導入について

災害時の連絡手段が必要
台風により深夜帯に発生した河川の氾濫をきっかけに、常時呼びかけ可能な通信手段の必要性を実感。

災害時の住民への情報提供手段
災害時などに、住人に向けて情報を発信できる手段が必要。

限られた予算内での整備が必要
導入コストとランニングコストを抑えて、必要十分なシステムを構築したい。

災害発生時の自営通信手段を確保
常時自営で稼働し、災害時には町内をカバーする通信システムを確立。

町民向け同報系無線/職員間移動系無線
災害時における住民への情報発信や職員間の通信手段を確保。

低コスト
導入コストとランニングコストを抑え、必要十分なシステムを構築できた。

60MHz帯デジタル防災行政無線だと…
導入コストが高く、電波の特性上、波長が長いため建物内の戸別受信機には電波が届きにくい。そのため、各家庭にアンテナ整備が必要。

280MHz帯防災行政無線だと…
ランニングコストが高く、入力したテキストを機械音声で読み上げて放送するので、避難勧告などを肉声で放送することができない。

登録制の緊急・防災メールだと…
深夜帯の災害発生時は効果が薄い。大規模停電などでキャリア回線のダウンにより不通になるリスクがある。

4値FSK方式の260MHzデジタル防災行政無線なら…
導入・維持コストが低廉。緊急性が伝わる肉声での放送に対応。屋内でも受信が容易な短い波長を利用。

ご担当者様の声

安全健康推進部 EHS企画推進グループ 指導員 松下 愛 様

2度の大停電を経験し、プッシュ型の音声通信の
重要性を認識。

平成28 年、台風10号の影響で河川が氾濫し、避難指示を出しました。当時は情報伝達手段として登録制メールを利用していましたが、深夜の避難指示の発令だったため、ほとんどの住民は避難指示メールの着信に気づけず、最終的に町会長が戸別に訪問し、情報を伝えて回りました。この経験をきっかけに、大きな音声で住民にお知らせができるプッシュ型の情報伝達手段として、デジタル防災無線システムを整備しました。導入後、大規模な停電が発生しましたが、その時には戸別受信機を通じて、いまの状況や復旧の目処などを一斉に伝えることができ、音声による通信手段を確保することの重要性を認識しました。

必要十分な自営通信手段を低コストで導入できた。

デジタル防災無線システム整備に向けては、複数のシステムを検討しました。QPSK 方式である60MHz帯デジタル防災無線は電波の波長が長く、屋内まで電波が入りにくいため戸別にアンテナ設置が必要です。アンテナ設置費用のほか、住宅の工事への抵抗感も想定できたので、難しいと判断しました。280MHz帯の防災無線は出力が高く広いエリアをカバーできますが、ランニングコストが高額です。また、放送はテキストデータの音声合成での読み上げのみで、テキスト作成にも時間を要します。

津波などで避難を促す場合、肉声放送で即時に避難を呼びかけ、ひっ迫感を伝えることが重要と考え、音声合成の他に肉声でも放送ができる、アイコムの4値FSK方式の260MHzデジタル防災行政無線の導入を決めました。波長が比較的短く受信しやすいので、外部アンテナが必要な世帯は全体の数%ですし、通信エリアの問題も多段中継の仕組みを使うことですべての居住区をカバーできました。必要十分な自営通信手段を、低廉に導入することができました。

戸別受信機と屋外拡声機で、住民に情報を伝達。

屋外拡声器は、津波からの避難を促すために海沿いに1基のみ設置しました。北海道は二重窓の住宅が多く、屋内に拡声器の音が届きにくいうえ、屋外でも豪雨や吹雪時は音が聞こえにくいため、戸別受信機を全世帯に整備するほうが確実だという判断です。機種の選定時は、他社の製品も検討しましたが、アイコムのものは点字表記や、周囲が暗い時に画面が自動で点灯する機能など、デザインの配慮や信頼性が決め手になり、アイコムのものを選びました。町内の全世帯に無償で貸与しており、1万2千台を導入しています。

導入機器&システム構成図

親局設備

親局操作卓

システム全体を統制管理し、放送伝達などを行います。放送エリア設定や音声合成、Jアラート放送、プログラム予約放送、システム監視モニターなどの機能があります。

統制局設備

防災情報を他の基地局へ発信します。

Jアラート
一体型受信機

Jアラートを受信し、同報利用装置に情報を伝達し、自動的に放送を行います。

地図表示モニター

地図上に各基地局のステータス(異常や放送中など)を表示します。

統制台

通信統制を担います。
・ ネットワーク回線監視
・ リスト選択式個別呼び出し

万が一にそなえるバックアップ装置

同報利用副制御装置

離れた場所からでも、ネットワークを経由して親局設備の一部機能を操作できる遠隔制御装置です。

非常用同報利用無線統制装置

親局設備が使えない場合でも使えるバックアップ。
アタッシュケースにノートPCと無線機(コマンドマイク)が入った非常用装置で、専用のバッテリーボックスで給電します。

Jアラートとの連携は不可

基地局設備

親局から発信された情報を、他の基地局に中継し再送信します。町内三箇所に設置された基地局が、広大な無線通信域を実現しています。冬場と夏場で、気温差が50度以上ある幕別町では、各基地局設備内にはエアコンを完備しており、常時室温調整が行われています。

緊急時に備えて予備のバッテリーと発電機を設備しており、ガソリンの補給で稼働します。補給無しでも、約3日間稼働します。

屋外の住民

屋外拡声子局

親局から発信された津波情報を屋外の住民に伝えます。アンサーバック機能付きで、親局との相互通信が可能です。

各家庭

戸別受信機

防災情報を受信します。ラジオ機能付き受信機もあります。

・停電時乾電池動作切替対応
・外部文字表示器対応
・外部アンテナ接続
・緊急一括呼び出し
・選択呼び出し
・録音装置

屋外の職員

移動系携帯無線機

災害時は、無線機を携帯した職員同士が基地局経由で通話します。
通話内容は統制台からも聞くことができるので、屋外にいる職員との連携が可能です。

導入いただいた自治体

北海道中川郡 幕別町 様

十勝平野の中央部よりやや南に位置する、面積477.64km2、人口25,663人、世帯数12,664の町です。南北に細長い(47㎞)地形が特長です。パークゴルフとナウマン象の町として知られており、「災害に強い町」を目指しておられます。

令和5年10月現在

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