1kWのフルパワー・フルデューティでの運用を実現。
従来機IC-PW1では8個の素子(MRF150 MP)を使用していましたが、IC-PW2では、新たに65V系LDMOSトランジスタMRFX1K80HR5を1個搭載。シンプルな構成となり、安定性が大幅に向上しています。
さらに、高効率電源ユニットを採用することで、HF/50MHzオールバンドで、1kWのフルパワー&フルデューティ運用を余裕で実現しています。また、起動直後からフルパワーでの運用が可能です。
1台のIC-PW2でSO2R(Single operator two radios)に対応。
2台のうち1台が送信中でも、もう1台で同時に受信ができるため、従来のリニアアンプではできなかった、SO2R運用をIC-PW2 なら1台で対応することができます。さらに、インターロック機能※を内蔵。SO2R運用時の2台同時送信を防止しています。
※対応機種
※BPF及びエキサイターの性能/仕様、アンテナの設置条件等により、十分な性能を発揮できない場合があります。その場合は、2組のBPFを使用するなどの対応をお願いします。
DPD技術の採用により、優れた相互変調歪特性、クリーンな送信波を実現※1。
IC-PW2では、アマチュア無線用リニアアンプとしては世界初※2となるDPD(デジタルプリディストーション)をIC-7610における信号処理との組み合わせにより実現。これはリニアアンプが持つ非線形歪みに対し、エキサイターとなるIC-7610からの出力信号に、あらかじめ逆特性の歪みを与えることにより、リニアアンプで発生する歪みを補正する技術です。下記の通り、前モデルのIC-PW1と明らかな差があることがわかります。
※1 IC-7610における信号処理との組み合わせによる
※2 主要アマチュア無線機器メーカーとして。(2023年7月自社調査)。
2×6アンテナのアンテナセレクターを装備。
6つのアンテナ出力端子と2台のトランシーバーからのRF信号入力端子を装備しています。オートマティックアンテナセレクターにより、2台のトランシーバーから、自在に各アンテナを選択することができるため、リニアアンプが2台あるかのように、運用することができます。異なるバンドのデュアルワッチ®に対応したIC-7610やIC-7851等では、異なるアンテナを使用することで、異なるバンドのデュアルワッチ®が可能です。
1つのマルチバンドBPFでSO2Rを実現。
受信BPF等の接続が可能なRX-ANTコネクターを装備。
バンドパスフィルターやプリアンプ、アッテネーターを接続できるRX-ANTコネクターを装備しています。SO2R運用時には、ここにマルチバンドBPFを接続することができます。また、マルチバンドBPFのバンド切り替えは、バンド信号出力端子からの制御が可能。バンド信号出力端子は2系統装備しており、それぞれをINPUT1、INPUT2、送信側、受信側のいずれかに設定が可能。マルチバンドBPFだけでなく様々な外部機器のバンド切り替え等に連動させることができます。
トランシーバーの操作とIC-PW2の各種設定が完全に連動※。
アイコム製トランシーバー(対応機種)の操作とIC-PW2の各種設定が完全に連動。トランシーバーで、周波数チューニングやバンドチェンジを行うと、それにIC-PW2が連動します。即応性が求められるコンテストやマルチバンド運用で絶大な威力を発揮します。
※対応機種
オートマティック アンテナチューナーを搭載。
従来機ではバリコン式を採用していましたが、IC-PW2では、メカニカルリレー方式を採用。これにより、再チューニング時は約2~3秒というハイスピードでのマッチングを実現しています。また、チューニング時の不要電波の発射も大幅に抑制することにも成功しています。なお、アンテナチューナーはアンプ動作オフでも動作します。
タッチ操作対応のカラー液晶ディスプレイを搭載したセパレート対応のコントローラーを採用。
コントローラーはセパレートにも対応しており、本体から最大3m(付属ケーブル使用)離して設置することができます。また、4.3インチの大型カラー液晶はタッチ操作に対応。グラフィカルな表示と相まって、アンテナの選択、各種設定を直感的に行えます。
その他の特長
- 高効率&静音設計のクーリングシステムを採用。
- 各部の破損や故障を未然に防止する多方面同時監視式の保護回路。
- SDカードスロットを装備。ファームアップや設定の保存に対応。
- エレメント伸縮型アンテナの制御等に使用可能なリモートAUXジャック端子を装備。
- ワンアクションで優先して接続するアンテナを設定できる、アンテナクイックセレクト機能など。
リアパネル
仕様
周波数範囲 | 1.9、3.5、3.8、7、10、14、18、21、24、28、50MHz、4630kHz |
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出力電力 | 1kW(AC200V系使用時)、500W(AC100V系使用時) |
励振電力 | 100W(最大) |
電源電圧 | AC90~132V(単相50/60Hz) AC180~264V(単相50/60Hz) |
接地方式 | マイナス接地 |
不要輻射強度 | HF帯:-60dB以下 50MHz帯:-70dB以下 |
入力インピーダンス | 50Ω |
出力整合インピーダンス | 16.7~150Ω(HF~50MHz帯、4630kHz) |
アンテナチューナーの整合精度 | VSWR1:1.5以下 |
使用温度範囲 | -10℃~+40℃ |
外形寸法 | 425(W)×149(H)×445(D)mm(突起物を含まず) |
重量 | 約22kg |
定格はJAIA(日本アマチュア無線機器工業会)測定法によります。
定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。
付属品
- コントロールケーブル(約3m)
- 同軸ケーブル(約3m)
- ACCケーブル(約3m)
- ミニプラグケーブル(約3m)
- コントローラー用ブラケット ほか
製品寸法図
対応オプション
アマチュア無線機器
ACCソケット変換ケーブル
-
生産終了品
- IC-PW1
- HFオールバンド+50MHz 1kWリニアアンプ
-
- IC-PW2
- New
HF/50MHzオールバンド 1kWリニアアンプ
-
- OPC-599
- ACC13ピン⇒8ピン+7ピン変換ケーブル
DPDフィードバック用ケーブル
-
- OPC-2501
- DPDフィードバック用同軸ケーブル
-
- IC-PW2
- New
HF/50MHzオールバンド 1kWリニアアンプ
製品サポート・ニュース
製品カタログ
カタログ名 | ファイルサイズ |
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アマチュア無線機器総合カタログ | 4.90MB |
IC-PW2 | 3.84MB |
ファームウェアなど
種類 | 製品名 | バージョン | 公開日 |
---|---|---|---|
ファームウェア | IC-PW2 | Version 1.10 | 2024.08.20 |
防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。
防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
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IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として機能することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として機能することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に機能することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に機能することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |