技術解説書「IC-7850/IC-7851のすべて」
希望小売価格 3,300円 (税抜価格 3,000円)
アマチュア無線家なら誰もがオーナーになることを夢見る、世界のフラグシップ機IC-7850/IC-7851。
その性能と機能、投入されたテクノロジーを徹底的に解き明かす、渾身の技術解説書です。
ICOM DIRECT、主要ハムショップにて販売中!
微弱な信号を確実に捉えるために、極めたのはRMDR特性
従来機を遥かに凌ぐ、異次元のRMDR:110dBを実現
IC-7851では近接妨害の最大要因であるフェーズノイズ特性を、極限まで追求。コストよりも性能を優先し、全てのLOにDDSからの直接出力方式を採用しています。さらに、DDSのマスタークロックの根本となる基準発振器(10MHz)やPhase Locked Oscillatorなどのクロック生成回路にも厳選した最適な部品と回路を採用しています。これらにより、いまだかつてない高ピュアリティのLOを実現。RMDR:110dB※(代表値)という従来機ではなし得なかった領域に到達しています。
※1kHz離調(受信周波数:14.2MHz、MODE:CW、IF BW:500Hz、IC-7800:ルーフィング3kHz、IC-7851:ルーフィング1.2kHz)
RMDR比較表
RMDRとは
RMDR(Reciprocal Mixing Dynamic Range)とは「受信回路のLOに付随するフェーズノイズにより近接する強入力信号からのブロッキングの影響で、受信感度がどの程度悪化するか」の指標。数字が大きい程ブロッキングの影響が少ないことを示します。一般的にLOのフェーズノイズが小さいほど、この特性が優れています。
1.2kHzのOPTIMUM ROOFING FILTERにより、圧倒的な近接ダイナミックレンジを実現
アップコンバージョンは[イメージ混信を容易に抑圧できる][広帯域で均一の性能が得られる][コイルやコンデンサ等で発生する歪みを抑えやすい]等、HFトランシーバーにとって大きなメリットがあります。そのメリットを活かしながら、近接妨害対策として、アイコムはコストよりも性能を最優先し、64MHz帯の1st IF段にIMD特性の優れた1.2kHz狭帯域フィルター:OPTIMUM ROOFING FILTERを厳選し採用。これにより、近接する複数の信号により生じる歪み成分(IMD)の発生を抑制。ダウンコンバージョン採用機をも凌ぐ近接ダイナミックレンジを実現しています。
OPTIMUM ROOFING FILTER特性図
LO(ローカルオシレーター)の、さらなる純度向上を達成
IC-7851ではLO(ローカルオシレーター)のさらなる純度向上にも取り組みました。高精度・高ピュアリティのPhase Locked OscillatorとDDSを用いることにより、ローカル発振出力のピュアリティを大幅に改善しました。その成果は下記をご覧いただければ一目瞭然。全世界で高い評価を得て来たIC-7800と比較しても別次元のC/N特性を誇っています。この優れたC/N特性は受信のみならず送信電波のクオリティ向上にもつながっています。
ローカル発振器のC/N特性比較
測定条件/ 無線機表示周波数:14.2MHz MODE:CW 1st LO周波数:78.655MHz
SPAN:20kHz RBW:30Hz VBW:10Hz
妥協なき探究が実現した究極のフェーズノイズ特性
IC-7851の離調周波数10kHzにおけるフェーズノイズレベルは−150dBc/Hz以上で、IC-7800比で約20dB以上の改善。さらに、離調周波数1kHzにおいても−140dBc/Hz、IC-7800比で約30dB以上の改善を達成しています。IC-7851はIC-7800と同様のアップコンバージョンであり、高いLO周波数にも関わらず、フェーズノイズ特性において、IC-7800を超越し別次元のレベルに達しています。
フェーズノイズ特性の比較
測定条件/ 無線機表示周波数:14.2MHz MODE:CW 1st LO周波数:78.655MHz
圧倒的なスイープスピードと分解能を実現した
次世代スペクトラムスコープ。
スペクトラムスコープ専用に、最高スペックのDSPを搭載
最新のDSPとCPUソフトの協調処理、及びDSPによるFFT処理により、圧倒的なスイープスピードと分解能を実現しています。その性能は、表示画面からCWの符号を読み取れるレベルに達しています。微弱な信号も、より早く、より詳細に表示します。
スコープ性能比較
送受信音の解析が可能なオーディオスコープ機能
送受信音のFFTスコープ、オシロスコープの表示が可能。相手局の送信波の変調特性や自局のマイクコンプレッサー効果確認、受信音のスペクトラム表示によるフィルター幅やノッチの特性を目で確認するなど、多彩に活用することができます。さらに、オシロスコープではCWのキ―イング波形を視認することもできます。なお、受信時はMAIN、SUBの切り替えができます。
FFTスコープ/ウォーターフォールの主な仕様
- ATT/0dB、-10dB、-20dB、-30dB
- FFTスコープのみと、ウォーターフォール同時表示の選択が可能
- FFTスコープの表示方式(アウトライン/塗りつぶし)の選択、表示色の設定が可能
オシロスコープの主な仕様
- LEVEL/0dB、-10dB、-20dB、-30dB
- 1DIV/1ms、3ms、10ms、30ms、100ms、300ms
- 表示色設定可
高度な運用を可能にするデュアルスコープ
当社アマチュア無線機では初の2波同時受信時のデュアルスコープ表示を実現しています。同時に異なる2つのバンドを監視できるため、コンディションの把握やコンテスト時に絶大な威力を発揮します。また、1MHzを超える広帯域をシームレスに視認できるSCROLLモードも装備。デュアルスコープの表示は、状況やニーズに合わせて上下または左右を選択することができます。
かつてないハイレゾリューションのウォーターフォール
ウォーターフォール表示により、受信信号の履歴を時系列で確認することが可能。スコープだけでは判別しづらい微弱な信号もウォーターフォールで視認することができます。しかも、IC-7851のウォーターフォールは、かつてないハイスピード&ハイレゾリューションを誇っており、バンドスコープと合わせて表示することにより、バンドの状況、空き周波数等の情報を、高精度で把握することができます。また、拡大表示に切り替えることでバンドスコープでは信号の強弱を明確に表示できる他、ウォーターフォールではより長い履歴を表示することができます。
マウスによる確実、スピーディーなスコープ操作を実現
背面のUSB端子にマウスを接続することで、バンドスコープとマウス操作を連動させ、目的の信号に素早くアクセスできます。また、FIXとCENTERのモード切り替えやスイープスピードの変更など、様々なスコープ機能をマウスで確実に操作することが可能です。
高品位のデバイス選定、緻密な設計により、
さらに磨きがかかった基本性能。
再設計の高レベルLOにより第3次インターセプトポイント
+40dBmを実現
メカニカルリレーよるBPF切替、CPU制御の自動プリセレクター、D-MOS FETアレー使用の超高ダイナミックレンジ受信ミキサー、High-Spec 1st IF filter、帯域帯1.2kHz OPTIMUM ROOFING FILTER、シンプルなダブルスーパーヘテロダイン方式を採用するなど、デバイスとアナログ回路の見直しを行っています。さらに、DSP部との絶妙なマッチングを図ることで、受信部のHF帯におけるダイナミックレンジ110dB、IP3+40dBmを実現。また、LOアンプを新設計することにより、バンド間で差のない安定した性能を確保しています。
ダイナミックレンジ特性
ダイナミックレンジ代表値
歪みと強信号からの影響を排除する、メカニカルリレーによるBPF切替と4つのIFフィルター
BPF(バンドパスフィルター)の切替には、歪みの発生を伴う非直線性素子であるPINダイオード等は使用せず、高性能、かつ耐久性に優れたメカニカルリレーを採用。信号処理の初期段階で2次歪み等が発生する要因を排除しています。また、1st IFアンプの前段に3つのHigh-Spec 1st IF filterと1.2kHzのIFフィルター=OPTIMUM ROOFING FILTERを搭載。15kHz、6kHz、3kHzと1.2kHzのIFフィルターを、モードに応じた適切な通過帯域幅(FMモード時は15kHzのみ)に切り替えることができます。
高次で発生するIMD成分を徹底除去する超多分割オートマチックプリセレクター
IP3=+40dBmを確保していても、強力な近接信号がある場合、歪みが発生することがあります。そこで、運用周波数1.5~30MHzで動作し、運用周波数の変化に対して最小数kHzピッチで追従するオートマチックプリセレクターをBPF段の次段に搭載。状況に応じて、DIGI-SELツマミによりプリセレクターのセンター周波数を微調整することもできます。他バンドからの影響を信号が通過する初段の段階で排除し、目的の周波数成分だけを忠実に通過させます。
オートマチックプリセレクターの帯域特性図
3つの32bit浮動小数点DSP、高性能AD/DA&DAコンバーター
IC-7851では、送受信用、受信用、スペクトラムスコープ用の3つの32ビット浮動小数点DSPと24ビットAD/DAコンバーターを搭載し、各回路のデジタル信号処理、データ処理の高速化を図っています。
高品位のデバイス選定、緻密な設計により、
さらに磨きがかかった基本性能。
2系統のDSPによるAGCループ処理
IC-7851は2系統のAGCを採用しています。さらに、LOの純度向上、アナログ部のダイナミックレンジを最大限広げることにより、DSPの処理ダイナミックレンジも大幅に改善されています。その結果、ノイズ、歪みが極限まで抑制され、強信号から微弱な信号まで破たんのない安定した受信を実現しています。
2系統のAGCループ処理
高級オーディオ用デバイスを採用し、高音質を実現
世界に誇るフラグシップ機にふさわしい音質を実現するために、高級オーディオに使用されている高性能なコンデンサや高精度のDAコンバーターを惜しみなく採用しています。これにより、低音から高音まで、全ての階調において、クリアかつメリハリのある聞きとりやすく、長時間の運用でも聞き疲れしない上質なサウンドを実現しています。
情報を集中表示する視認性に優れた7インチワイドTFT液晶ディスプレイ
IC-7851には応答速度、色彩、視認性に優れたTFTアクティブマトリクス方式7インチ(800×480ピクセル)ワイドタイプのカラー液晶ディスプレイを搭載。ディスプレイ上に、メイン、サブの運用周波数をはじめ各機能の設定/動作状況、さらにスペクトラムスコープ、Sメーター、RTTY/PSK31/63のデコードメッセージまで運用に必要な情報を集中表示します。また、ディスプレイ画面のキャプチャーも可能です。
超高安定水晶発振器を搭載
純度を重視した最新のOCXO(Oven Controlled-crystal Oscillator)を搭載することで、精密測定器並みの周波数安定度±0.05ppmを実現しています。さらに、外部接続機器用に背面から基準周波数(10MHz)を取り出すこともでき、また外部から入力することもできます。
フルパワー&フルデューティスペック、余裕の200W出力
IC-7851のPA部には、150WクラスのパワーMOS-FETをプッシュプルで使用、大型ヒートシンクと2つのクーリングファンと相まって余裕の200Wフルパワーフルデューティスペックを実現しています。一方、変調はDSPで行うことで、限りなくピュアな送信S/Nを実現。PAは48Vで動作させているため、200W機でありながら非常に優れたIMD特性を誇っています。また、共振型スイッチング電源も搭載しています。
抜群の操作フィーリングを実現した新設計のメインダイヤル
繊細な操作が求められるメインダイヤル。その素材、造作にも最高のクオリティを求めました。アルミの削り出し、スピンドル仕上げ、ダイヤモンドカットなどにより、フラグシップ機にふさわしい上質の感触、絶妙な操作フィーリングを実現しています。
IC-7851の性能を動画で体感
送受信性能
スペクトラムスコープ
より高度な運用を実現する、先進の機能と熟成の実戦機能群
異なるバンド&モードでの2波同時受信を実現
完全に独立した、メイン/サブ同性能の受信回路を搭載しています。一方の受信部が他方の受信部に対して影響することがないため、完全に同性能での異なるバンド、異なるモードの2波同時受信が可能になっています。また、ダイヤル、スケルチ、ノイズブランカー、TS、スピーチ、ロックスイッチに至るまで独立しているため操作性も抜群です。
パソコン無しで送受信が可能なRTTY&PSK31/63モードの運用が可能
ボドーRTTY、PSK31/63用のモジュレーターとデモジュレーターを内蔵。USBタイプのキーボードを本体に接続するだけで、ボドーRTTY&PSK31はもちろん、人気が高まっているPSK63の運用も可能です。さらに、あらかじめメッセージメモリーに記憶させたメッセージにより、キーボードなしでもRTTY&PSK31/63の運用ができます。また、交信内容のデータはSDカードに保存することも可能です。
ハイスペックDSPによるデジタルIFフィルター
優れたリップル特性に加え、シャープな切れを実現するデジタルIFフィルターを搭載。バンドコンディションや運用形態に応じてシャープ、ソフトの2種類からフィルターシェイプが選択できます。さらに、フィルターシェイプはSSBとCWそれぞれ独立して設定できるだけでなく、実際に信号を受信しながら切り替えることが可能。状況にあわせて最適なシェイプを瞬時に選択することができます。
3つの減衰特性を備えたマニュアルノッチフィルター
驚異的なシャープネスを誇るマニュアルノッチ、減衰量は70dB以上を確保しています。しかも、減衰特性は3種類から、運用するモードやバンドに応じて選択することができます。また、非常に強力なビートもAGCに影響を与えることなく切り落とすことができます。そのほか、オートノッチも装備していますので、ビートの妨害波やRTTYによる混信などに、自動追従し確実 にキャンセルします。
マニュアルノッチ特性図
混信を鋭くカットするデジタルツイン PBT®
通過帯域幅を50Hzステップで自由に設定することができるデジタルツイン PBT®。可変量だけでなく、可変方向、通過帯域幅もディスプレイを見ながら最適な状態に設定することができます。デジタルならではの対応力と鋭い切れ味で煩わしい混信を鋭くカットします。
抑圧レベル可変型のノイズリダクション
ノイズレベルに応じて抑圧可変レベルを16段階で可変することができるノイズリダクションです。優れた演算能力を誇る32ビット浮動小数点DSPが複雑で高度なアルゴリズムを瞬時に処理することで、遅延を感じさせません。
帯域幅1.2kHz OPTIMUM ROOFING FILTERにも対応したノイズブランカー
新たに搭載された帯域幅1.2kHz OPTIMUM ROOFING FILTER設定時には、自動的に最適なブランキングレベルになるようプログラミングされています。また、スレッシュホールドレベルの可変に加え、ブランク時間のパラメーターやブランキング時の減衰量も設定することができます。
高効率の運用を可能にするトリプルバンドスタッキングレジスター
ワンタッチで選択したバンドの最終運用状態へ移行できるバンドスタッキングレジスターを装備。しかも、各バンドに3ch搭載しているので、SSB、CW、RTTY(またはFM)で使い分ければ、最適な運用周波数とモードへ瞬時に移行できます。
多彩な運用情報等をSDカードに保存することが可能
SDカードには、交信録音、RTTY/PSKのログ、液晶のキャプチャー画像の保存が可能。また、1台のIC-7851を複数で使用するクラブ局、マルチオペレーターでコンテストに参戦する際など、それぞれの設定をメモリーしておけば、オペレーターが代わってもSDカードを差し替えるだけで、各自がスムーズに好みのセッティングで運用することができます。
マイクイコライザーと送信帯域設定機能
DSPによる波形整形処理のメリットを活かし、高音域と低音域でそれぞれ11段階までの多彩な周波数特性(合計121種類)が設定できるマイクイコライザーを搭載。さらに送信波の帯域設定は、低域で100Hz、200Hz、300Hz、500Hz、高域で2500Hz、2700Hz、2800Hz、2900Hzの設定が可能で、低域と高域を自由に組みあわせ、3種類をプリセットすることができます。運用状況や目的に応じて、自在に送信音をコントロールすることができます。
オペレーションをサポートする充実した送受信録音機能&メッセージメモリーキーヤー
処理方法を見直すことにより、より原音に忠実な再生が可能になった新デジタルボイスメモリー。受信音だけでなく送信音の録音も可能なので、QSOの内容をもれなく記録することができます。また、メッセージメモリーはCW用70文字8ch、ボドーRTTY用に70字8ch、PSK31/63用にも70字8ch搭載。DXペディション局へのコールや、コンテストなどで定形文を送出する場合に便利です。CW用メモリーはオートリピート機能、シリアルコンテストナンバー自動カウントアップ機能、コンテストナンバー省略符号化機能などの高機能も標準装備しています。
超低歪み、RFスピーチコンプレッサー
先進のDSPによるデジタルRFスピーチコンプレッサーを搭載。コンプレッションレベルを上げても、歪みを発生させることなく相手局の了解度を高めます。しかも、音質は原音に忠実で、あらゆるコンプレッションレベルにおいて、最上級の音質を実現します。
新型アンテナチューナーを内蔵
チューナーメモリープリセット機能を備えた新型のアンテナチューナーを内蔵。一度チューニングをとると、次回からは、その周波数に合わせると自動的に整合情報を呼び出し、送信状態になると瞬時に、チューニングを行います。また、高耐圧パーツで構成することで、最大送信出力(200W時)での連続送信を可能にしています。
信頼性を高めた4つのM型アンテナコネクタを装備
誘電体にテフロン材を使用した信頼性の高いM型アンテナ端子(ANT1、ANT2、ANT3、ANT4)とRX用アンテナ端子2系統を装備。運用バンド毎にアンテナ端子を割り当てれば、バンドチェンジに連動して各アンテナコネクタを自動的に切り替えることができます。
PCとの親和性を高める充実したインターフェース
USB/Ethernet/S/P DIF等の各種インターフェースが充実。USB端子はUSBオーディオ、制御信号(DTR、RTS)によるSEND、CWキーイング、RTTYキーイングに対応しています。また、外部ディスプレイへは従来のアナログに加えデジタル(DVI)での出力が可能です。
随時提供されるファームウエアで、常に最新の状態を維持することが可能
IC-7851を、常にフラグシップ機として最高の性能・機能でご使用していただくために、アイコムでは、最新のファームウェアを随時提供していきます。バージョンアップは、最新のファームをPCにダウンロードし、SDカードまたはUSBメモリーを介して行います。
PCレスリモートシャック対応&CI-Vによる電源コントロール
リモート運用(遠隔操作)を可能にするIPリモートコントロールソフトウェアRS-BA1 Version 2(オプション)に対応。RS-BA1 Version 2のサーバー機能内蔵により無線機側のパソコンは不要となり、シンプルな機器構成で高度なリモート運用が実現できます。また、CI-V/LANにより、IC-7851の電源ONとスタンバイ(待機状態)を切り替えることができます。
RS-BA1 Version 2(オプション)の主な特長
- デュアルワッチ®、デュアルスコープに対応
- LANやインターネット経由の遠隔操作と音声のハンドリングが可能。
- 混信除去機能やフィルターの設定など、ほとんどの機能を遠隔操作することが可能。
- 受信信号の強度やSWR値等の情報もパソコンモニター上に表示。
- パソコン間(PC側と無線機側)のネットワークトラブル時には送信を自動ストップ。
- バンドスコープ&ウォーターフォールの表示が可能。
(RS-BA1 Version 2 、IC-7851とも最新のファームにアップデートする必要があります)
その他の機能
アンテナ系
- 受信専用アンテナや外部アッテネーターなどを接続できるBNCタイプのRX IN/OUT端子
受信系
- 30kHz~60MHzゼネラルカバレッジ受信機能(アマチュアバンド外の一部周波数帯は受信性能保証範囲外)
- 相互変調特性を重視したプリアンプ1と増幅ゲイン重視のプリアンプ2
- アッテネーター(OFF/3/6/9/12/18/21dBの7段階)
- HFと分離したQuad FETによる50MHz専用ミキサーを搭載
- RTTY用ツインピークオーディオフィルター
送信系
- 超低歪みRFスピーチコンプレッサー
- TXモニター
- 50波のトーンエンコーダー標準装備
- VOX
- オールモードパワーコントロール
- 非常通信連絡設定周波数(4630kHz/CW)対応
CW系
- DSPによるCWキーイング波形整形
- 多機能エレクトロニックキーヤー(スピード可変、ウェイトコントロール、極性反転、バグキー機能)
- 300~900Hz CW受信ピッチ連続可変機能
- CW受信時のキャリアポイントは、USB側またはLSB側でも設定可能
- ダブルキージャック
- フルブレークイン対応
- スプリット受信用周波数ロック
- CW自動チューニング機能
- APF(SOFT/SHARP)
- エレキーによるCW送信スピード表示
操作系
- スピーディーに各種機能設定や変更が行えるセットモード
- 5chまたは10chのメモパッド
- 1アクションでスプリット設定を完了できるクイックスプリット機能
- クイックデュアルワッチ機能
- SSBモードからCWモード(またはその逆)へ切り替えた時の周波数シフト機能
- ±9.999kHzまで可変可能なRITと⊿TX
- RIT/⊿TXの可変値クリアの時間を選択可能(スイッチの長押しまたはワンプッシュ)
- 時計(JSTとUTCの同時表示も可能)と各種タイマー
- 1Hzピッチチューニングと1Hz表示
- 最大10文字のコメントが可能な合計101chのメモリーチャンネル
- Sメーターレベルもアナウンスできる周波数スピーチ機能を標準装備
- プログラムスキャン、メモリースキャン、VSCスキャン、セレクトメモリースキャン、⊿fスキャン
- チューニングスピードを自動的にコントロールする、オートTS機能
- ダイヤルロック
- メインダイヤルトルク可変
- バンドエッジ警告ビープ(機能オフも可)
- 光音声入出力端子
- BNCタイプのトランスバーターコネクターを装備
- 2系統の外部スピーカージャック
- FFTスコープ波形のアベレージング機能
- スクリーンセーバー機能
リアパネル
一般仕様
周波数範囲 | 受信周波数 | (動作範囲) | 30kHz ~ 60.000MHz |
---|---|---|---|
(保証範囲) | 100kHz ~ 29.999MHz 50.000MHz ~ 54.000MHz |
||
送信周波数 |
1.800MHz~1.875MHz 1.9075MHz~1.9125MHz 3.500MHz~3.580MHz 3.599MHz~3.612MHz 3.662MHz~3.687MHz 3.702MHz~3.716MHz 3.745MHz~3.770MHz 3.791MHz~3.805MHz 7.000MHz ~ 7.200MHz 10.100MHz ~ 10.150MHz 14.000MHz ~ 14.350MHz 18.068MHz ~ 18.168MHz 21.000MHz ~ 21.450MHz 24.890MHz ~ 24.990MHz 28.000MHz ~ 29.700MHz 50.000MHz ~ 54.000MHz 4630kHz |
||
モード | LSB、USB、CW、RTTY、PSK31/63、AM、FM | ||
メモリーチャンネル数 | 101(メモリー99ch+スキャンエッジ2ch) | ||
アンテナ インピーダンス |
50Ω(不平衡) | ||
アンテナ端子 | HF/50MHz帯用M型4系統、受信用BNC型2系統 | ||
電源電圧 | 85~265V AC | ||
接地方式 | マイナス接地 | ||
使用温度範囲 | 0℃~+50℃ | ||
周波数安定度 | ±0.05ppm以内(0℃~+50℃/54MHz時) | ||
周波数分解能 | 最小1Hz | ||
消費電力 | 受信待ち受け時 120VA(TYP) 受信時最大 130VA(TYP) 送信時最大 800VA |
||
外形寸法 |
約425(W)×149(H)×435(D)mm(突起物を除く) | ||
重量 | 約23.5kg |
送信部
送信出力 | SSB、CW、FM、RTTY、PSK31/63:5W~200W AM:5W~50W |
---|---|
変調方式 | SSB:平衡変調 AM:低電力変調 FM:位相変調 |
スプリアス発射強度 | 高調波: 60dB以上(HF帯) 70dB以上(50MHz帯) スプリアス領域(高調波を除く): 50dB以上(HF帯) 70dB以上(50MHz帯) 帯域外領域: 40dB以上(HF帯) 60dB以上(50MHz帯) |
搬送波抑圧比 | 63dB以上 |
不要側波帯抑圧比 | 70dB以上 |
マイクロホン インピーダンス |
600Ω |
TX可変範囲 | ±9.999kHz |
受信部
受信方式 | ダブルスーパーヘテロダイン方式 |
---|---|
中間周波数 | 第一:64.455MHz(MAIN)、64.555MHz(SUB) 第二:36kHz |
受信感度(TYP) | SSB/CW/RTTY/PSK(BW=2.4kHz)(10dB S/N時) 0.1MHz~1.7999MHz:-6dBμ (プリアンプ1:ON時) 1.8MHz~29.990MHz:-16dBμ(プリアンプ1:ON時) 50MHz~54MHz :-18dBμ(プリアンプ2:ON時) AM(BW=6kHz)(10dB S/N時) 0.1MHz~1.7999MHz:+16dBμ(プリアンプ1:ON時) 1.8MHz~29.990MHz:+6dBμ(プリアンプ1:ON時) 50MHz~54MHz :+0dBμ(プリアンプ2:ON時) FM(BW=15kHz)(12dB SINAD時) 28MHz~29.990MHz:-6dBμ(プリアンプ1:ON時) 50MHz~54MHz:-10dBμ(プリアンプ2:ON時) |
スケルチ感度 | SSB/CW/AM/RTTY/PSK:+15dBμ以下 FM:0dBμ以下 |
選択度(TYP) | SSB(BW=2.4kHz):2.4kHz以上/-3dB 3.6kHz以下/-60dB CW/RTTY/PSK(BW=500Hz):500Hz以上/-3dB 700Hz以下/-60dB AM(BW=6kHz):6.0kHz以上/-3dB 15kHz以下/-60dB FM(BW=15kHz):12kHz以上/-6dB 20kHz以下/-60dB |
スプリアス妨害比 | 70dB以上 |
オーディオ出力 | 2.6W以上 (8Ω負荷、10%歪率時) |
オーディオインピーダンス | 8Ω |
RIT可変範囲 | ±9.999kHz |
- ※定格はJAIA(日本アマチュア無線機器工業会)測定法によります。
- ※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。
おもな付属品
- ラックマウントハンドル
- SDカード
- AC電源ケーブル
- 予備ヒューズ
- スピーカープラグ 他
マイクロホン
ソフトウェア
リニアアンプ
外部機器
CT-17
CI-Vレベルコンバーター
製品サポート・ニュース
製品カタログ
カタログ名 | ファイルサイズ |
---|---|
IC-7851 | 10.19MB |
アマチュア無線機器総合カタログ | 4.90MB |
取扱説明書
名称 | 製品名 | 補足説明 |
---|---|---|
USBポート設定のヒント | IC-7100/IC-7300/IC-7610/IC-7850/IC-7851/IC-9100/IC-9700/IC-7760 | |
ファームウェアのアップデートについて~Ver. 1.10 | IC-7850 | |
~アップデートについて~ Ver.1.30 | IC-7850/IC-7851 | |
取扱説明書 | IC-7850/IC-7851 | |
仕様変更のお知らせ | IC-7850/IC-7851 | Version 1.41 |
ファームウェアのアップデートについて~Ver. 1.10 | IC-7851 | |
操作説明書 | ST-4003A | |
操作説明書 | ST-4003W |
ファームウェアなど
種類 | 製品名 | バージョン | 公開日 |
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USBドライバー | IC-7100/IC-7200/IC-7300/IC-7410/IC-7600/IC-7610/IC-7850/IC-7851/IC-9100 | Version 1.20 | 2017.10.05 |
USBドライバー | IC-7100/IC-7200/IC-7300/IC-7410/IC-7600/IC-7610/IC-7850/IC-7851/IC-9100/IC-9700 | Version 1.30 | 2018.06.07 |
ファームウェア | IC-7850/IC-7851 | Version 1.41 | 2023.11.22 |
ファームウェア | IC-PW2 | Version 1.10 | 2024.08.20 |
ファームウェア | RC-28 | Version 1.02 | 2017.10.27 |
コントロールソフトウェア | RS-BA1 Version 2 | Version 2.70 | 2024.08.28 |
TIME ADJUSTMENT SOFTWARE | ST-4003W | Version 1.00 | 2021.11.30 |
よくあるご質問
防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。
防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
---|---|
IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |