0.005~3335MHzの超広帯域をカバー
0.005~3335MHzの超広帯域を、SSB、AM、FM(WFM)、CW、 FSKのオールモードでカバー。あらゆる電波の監視、 通信内容の聴取に対応することができます。
ダイナミックレンジ109dB、IP3=+40dBmを実現
D-MOS FETアレイを使用した1st受信ミキサー(30MHz未満)、高IMDスペックを誇るHi-Spec 1st IF filterを採用することで、 驚異的なダイナミックレンジ 109dB、第3次インターセプトポイント+40dBmを実現しています(14.1MHz帯)。 また、50MHz/+9.8dBm、620MHz/+6.2dBm(30MHz~3335MHz/+5dBm〈typ.〉)を達成しています。
5つのHi-Spec 1st IF filterを搭載
1st IFアンプの前段に5つのHi-Spec 1st IF filterを搭載。240kHz、50kHz、15kHz、6kHzと3kHzのHi-Spec 1st IF filterを、モードに応じた適切な通過帯域幅に切り替えることが可能。3kHzのHi-Spec 1st IF filterにおいてはブロッキングダイナミックレンジ、 約130dB※を誇っています。
※15MHz受信時、5kHz離調周波数に妨害波を与えた時。
2つの32ビット浮動小数点DSPと24ビットAD・DAコンバーター
受信用とスペクトラムスコープ用、2つの32ビット浮動小数点DSPと24ビットAD・DAコンバーターを搭載。信号処理速度の高速化と各種デジタル機能を実現しています。
周波数安定度±0.05ppmを達成
究極の周波数安定度を誇るOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を標準装備。その精度は精密測定器に匹敵する±0.05ppmを誇っています。また、背面から10MHzの基準信号を入出力することができます。
シェイプの選択が可能なデジタルIFフィルター
優れたリップル特性と極めてシャープな切れを実現したデジタルIFフィルターを搭載。また、受信状況に応じて、フィルターシェイプをシャープ/ソフトから選択することも可能です。
多機能スペクトラムスコープ
スペクトラムスコープ専用のDSPを搭載することで、信号レベルのダイナミックレンジが飛躍的に向上しています。 また、±2.5kHz / ±5.0kHz / ±10kHz / ±25kHz / ±50kHz / ±100kHz / ±250kHz / ±500kHz / ±1.0MHz / ±2.5MHz / ±5.0MHzを監視するノーマルスパンモード、 ±10MHz / ±25MHz / ±50MHz / ±100MHz / ±250MHz / ±500MHzを監視するワイドスパンモードを搭載。 しかも、BWを最小200Hzに設定できるため、強力信号に隣接する微弱信号の発見が容易になります。
- スコープの上下端を固定して表示するFIXモード
- 受信周波数を中心に表示するセンターモード
- 最大±500MHzを監視するワイドスパンモード
- 受信周波数マーカー機能
- スイープスピード/スパン/フィルター設定機能
- ピークサーチ機能
- ピークホールド機能
- W-BPF(ワイドバンドパスフィルター)
- BW可変
スペクトラムスコープ専用DSP
IC-R9500ではIFフィルターを専用のDSPで構成しています。これにより、測定器としてのスペクトラムアナライザーと同様に、スイープ幅に対応したBWを選択することが可能になりました。さらに、アナログ回路で構成されたスコープと比較すると、検出レベルが極めて安定しているため、より精度の高い測定が可能になっています。また、DSPで構成されたフィルターは経年変化や部品個々の品質のばらつきが皆無であるため、永年にわたって極めて高い性能を維持し続けます。
高精細、7インチワイドTFT液晶ディスプレイ
800×480ピクセルの高精細の7インチワイドTFT液晶ディスプレイを採用。スペクトラムスコープやTV映像、信号強度などの各種情報を、鮮やかに表示します。なお、モニター表示は使用環境に合わせて選べる2タイプを用意しています。また、出力端子を装備しているので、外部モニターを接続することもできます。
多彩な受信信号強度表示
受信した信号の強度を表示するSメーター、Sメータースケルチのスケルチレベル表示のほか、dBμ/dBμ(EMF)/dBm単位でのメーター表示が選択できます。
DSPによる高性能ノイズブランカー
自動車のイグニッションのようなパルス性ノイズに有効なノイズブランカーを搭載。ブランク時のノイズ減衰レベルとブランク時間の幅を設定することができるため、受信信号の劣化を最小限にとどめながら、ノイズを除去することができます。
※SSB/CW/FSK/AMモードで効果を発揮します。
- 2つ(NB1/NB2)のノイズブランカーを搭載
- NB LEVEL(感度レベル)調整
- ブランク時のノイズ減衰レベル設定
- ブランク時間幅設定
ノイズ抑圧量の設定が可能なノイズリダクション
受信した信号をデジタル処理し、ノイズ成分と信号成分を分離。ノイズの中から目的信号だけを浮かび上がらせ、了解度を向上させます。
単一信号の混信除去に威力を発揮するノッチフィルター
減衰量70dBを誇る2つのノッチポイントを備えたマニュアルノッチフィルターと混信を自動的に判別して減衰させるオートノッチを搭載。 マニュアルノッチ フィルターは、オートノッチとの併用も可能で、2つのビートを同時にカットしながら、オートノッチを動作させることができます。
目的外の信号を鋭くカットするデジタルツイン PBT®
IF段の通過帯域幅を帯域の上下から連続的に狭くし、目的外の信号を鋭くカットするデジタルツイン PBT®(パスバンドチューニング)。デジタルツイン PBT®の左右のツマミを同方向に回すと、IFシフトとして動作します。
RTTYデモジュレーター&デコーダーを内蔵
デモジュレーター&デコーダーを内蔵。マーク周波数が1275/1500/1615/2125Hz、シフト幅が170/200/425/800/850Hz、45/50bpsのRTTY(FSK)信号を受信、解読できます。
- ツインピークフィルター
- ウォーターフォール表示
テレビ(アナログ波)の受信が可能。世界の主要なカラー方式であるNTSC、PAL、SECAMに対応しています。
スムーズなバンド間移動を可能にするVFO10ch
VFO10ch、それぞれに最後に使用した周波数、モード、フィルターの設定をメモリーさせておくことができます。VFOチャンネルは、テンキーでダイレクトに呼び出すことができます。
1220chメモリーと10のメモリーバンク
周波数、モード、フィルターの設定を記録しておける1000chとスキャン用等を合わせて1220chのメモリーを装備。さらに10のメモリーバンクを備えており、各バンクに100chずつ振り分けてメモリーしておくことができます。また、USBキーボードを接続し、メモリーを編集することができます。
- メモリーチャンネル1000ch
- スキャンエッジチャンネル用20ch
- オートメモリーライト用100ch
- メモリースキャンスキップ用100ch
- メモリーネーム機能
- チャンネルダイレクトコール機能
高速かつ多彩なスキャン機能
メモリースキャンをはじめとした多彩なスキャン機能を搭載。しかも、1秒間に50chのメモリーをスキャンすることができます。さらに、音声信号が含まれている信号をサーチするVSC(ボイススケルチコントロール)機能も備えています。
- メモリースキャン
- プログラムスキャン
- ファイン・プログラムスキャン
- セレクトメモリースキャン
- ⊿Fスキャンとファイン・⊿Fスキャン
- プライオリティスキャン
- セレクトモードスキャン
- オートメモリーライトスキャン
- トーンスキャン
- コードスキャン
※モードにより使用できる機能が異なります。
情報を耳で確認できる音声合成機能
周波数、受信モードやSメーターレベルを発声させることができる音声合成機能を装備。日本語と英語の切り替えのほか、発声スピードの切り替えも可能です。
受信音声を記録できるデジタルボイスレコーダー
受信音声を素早く録音することができるデジタルボイスレコーダーを搭載。内蔵メモリー(CFカード)に最大で約2時間10分の録音ができます。また、USBメモリーを接続することも可能で、512MBなら最大で約8時間50分の録音ができます。
※録音時間は録音音質SQ1(8kHz)時
各種モードを快適に受信するための多彩な機能
混信の影響を軽減できるAM同期検波、受信信号に容易にゼロインできるオートチューニング機能(CW/AM/SSBモード時)、周波数の変動に自動追従するAFC機能(FM/WFMモード時)など、すべてのモードで快適な受信を実現する多彩な機能を搭載しています。
- 受信プリアンプとアッテネーター
- 1/4(ダイヤルパルス量)機能
- CW-R(リバース)モード
- APF(オーディオピークフィルター)
- AGC(自動利得制御)機能
- VSC(ボイススケルチコントロール)機能
- クリックダイヤル
- リバースパワープロテクト機能
※モードにより使用できる機能が異なります。
拡張性に優れたUSB端子を装備
各種設定や受信信号のデータをUSBメモリーを介してパソコンに取り込むことで、さらに詳しい分析を行うことができます。また、ファームアップ等にも対応できます。
パソコンによる操作が可能
RS-232Cタイプのシリアルポートを持つパソコンと接続することが可能。周波数や受信モード、VFO/メモリー状態、フィルターやアンテナの選択など、多彩な機能をパソコンでコントロールすることができます。
その他の機能
- 4つのアンテナ端子
- 受信音のデジタル信号出力が可能なS/P DIF
- ビデオ入出力端子を装備
- 受信選択度特性の設定機能
- オートアンテナセレクト機能
- トーンスケルチ機能
- デジタルコードスケルチ(DTCS)機能
- ダイヤルロック
- デイリータイマー
- スリープタイマー
- パネルロック機能
- 基準周波数の校正機能
- 周波数ステップ切替機能
- ディマー機能
- モニター機能
リアパネル
- ※IC-R9500およびモニターの表示画面はハメコミ合成です。
- ※表示画面は実際の受信状態を表しているものではありません。
一般仕様
周波数範囲 | 0.005000 ~ 3335.000000MHz |
---|---|
モード | USB/LSB(J3E)、CW(A1A)、FSK(F1B)、AM(A3E)、FM(F3E)、WFM(F3E) |
メモリーチャンネル数 | 1220チャンネル(オートメモリーライトチャンネル100CH、スキャンスキップ チャンネル100CH、スキャンエッジチャンネル20CHを含む) |
アンテナ端子 | HF/30~3335MHz帯用:M型1系統、N型2系統 HF帯用:ピンジャック |
アンテナインピーダンス | 50Ω不平衡(HF ANT1、ANT1、ANT2コネクター) 500Ω不平衡(HF ANT2コネクター) |
スキャンの種類 | メモリースキャン、 プログラムスキャン、 ファイン・プログラムスキャン、 ⊿Fスキャン、 ファイン・⊿Fスキャン、 セレクトモードスキャン、 セレクトメモリースキャン、 オートメモリーライトスキャン、 プライオリティースキャン |
使用温度範囲 | 0℃~+50℃ |
周波数安定度 | 0~+50℃にて±0.05ppm以内(ただし、主電源(後面パネル)ONから5分後にて) |
周波数分解能 | 最小1Hz |
電源電圧 | AC100V/120V/230V/240V |
消費電力 | スタンバイ状態(代表値)約100VA以下 受信音量最大時(代表値)約100VA以下 |
外形寸法 | 約424(W) × 149(H) × 340(D)[mm](突起物を除く) |
接地方式 | マイナス接地 |
重量 | 約20kg |
受信部
受信方式 | HF | トリプルスーパーヘテロダイン方式 |
---|---|---|
V/UHF | クワッドスーパーヘテロダイン方式 | |
中間周波数 | HF帯 |
第一 58.7MHz、 第二 10.7MHz、 第三 48kHz |
V/UHF帯 | 第一 278.7/778.7MHz、 第二 58.7MHz、第三 10.7MHz、 第四 48kHz | |
相互変調歪み(代表値) | ダイナミックレンジ109dB(14.100MHz、100kHz間隔、プリアンプOFF時) | |
受信感度(代表値) | SSB/CW/FSK(SSB/FSKはBW=2.4kHz、CWはBW=0.5kHz;10dB S/N時) | 0.100~ 1.799MHz:-6dBμ (プリアンプ1 ON時) 1.800~ 29.999MHz:-14dBμ (プリアンプ1 ON時) 30.000~ 2499.999MHz:-10dBμ (プリアンプON時) 2500.000~ 2999.999MHz:-10dBμ (プリアンプON時) 3000.000~ 3335.000MHz:0dBμ (プリアンプON時) |
AM (BW=6kHz;10dB S/N時) |
0.100~ 1.799MHz:16dBμ (プリアンプ1 ON時) 1.800~ 29.999MHz:8dBμ (プリアンプ1 ON時) 30.000~ 2499.999MHz:11dBμ (プリアンプON時) 2500.000~ 2999.999MHz:11dBμ (プリアンプON時) 3000.000~ 3335.000MHz:21dBμ (プリアンプON時) |
|
FM (BW=15kHz;12dB SINAD時) |
28.000~ 29.999MHz:-6dBμ (プリアンプ1 ON時) 30.000~ 2499.999MHz:-6dBμ (プリアンプON時) 2500.000~ 2999.999MHz:-6dBμ (プリアンプON時) 3000.000~ 3335.000MHz:4dBμ (プリアンプON時) |
|
FM50k (BW=50kHz;12dB SINAD時) | 28.000~ 29.999MHz:-3dBμ (プリアンプ1 ON時) 30.000~ 2499.999MHz:-3dBμ (プリアンプON時) 2500.000~ 2999.999MHz:-3dBμ (プリアンプON時) 3000.000~ 3335.000MHz:7dBμ (プリアンプON時) |
|
WFM (BW=180kHz;12dB SINAD時) | 30.000~ 2499.999MHz:3dBμ (プリアンプON時) 2500.000~ 2999.999MHz:3dBμ (プリアンプON時) 3000.000~ 3335.000MHz:13dBμ (プリアンプON時) |
|
選択度(代表値) | SSB/FSK (BW=2.4kHz) | 2.4kHz以上/-3dB、3.6kHz以下/-60dB |
CW (BW=500Hz) | 500Hz以上/-3dB、700Hz以下/-60dB | |
AM (BW=6kHz) | 6.0kHz以上/-3dB、15kHz以下/-60dB | |
FM (BW=15kHz) | 12kHz以上/-3dB、25kHz以下/-60dB | |
WFM | 180kHz以上/-6dB | |
スプリアス妨害比 | 0.1 ~ 30MHz 70dB以上 30 ~ 2500MHz 50dB以上 2500 ~ 3000MHz 40dB以上 |
|
オーディオ出力 | 2.6W以上 (8Ω負荷) | |
オーディオ負荷インピーダンス | 8Ω |
※定格・仕様・外観等は改良のために予告なく変更することがあります。
おもな付属品
・キャリングハンドル
・電源ケーブル 他
外部機器
CT-17
CI-Vレベルコンバーター
製品カタログ
カタログ名 | ファイルサイズ |
---|---|
IC-R9500 | 2.12MB |
アマチュア無線機器総合カタログ | 4.90MB |
取扱説明書
名称 | 製品名 | 補足説明 |
---|---|---|
取扱説明書 | IC-R9500 |
ファームウェアなど
種類 | 製品名 | バージョン | 公開日 |
---|---|---|---|
ファームウェア | IC-R9500 | Ver. 1.07 | 2007.12.18 |
防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。
防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
---|---|
IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |