無線LANアクセスポイントのカバーエリアを範囲とするトランシーバーでの通信を実現
IP Advanced Radio Systemは、無線LANアクセスポイントのカバーエリアを範囲とするトランシーバーでの通信を実現するシステムです。IPネットワーク上にアクセスポイントを増設することで手軽に通信範囲を拡張できるので、高層階と低層階や、入り組んだ建物内など従来の無線機では電波が届きにくい場所での通信システムとして最適です。また、VPN回線を通して離れた拠点と通信したり、VE-PG4(別売)などの通信拡張ユニットと併用することで従来の無線機やIP電話(内線/外線)との連携も可能です。
・ 無線LANを利用して、トランシーバーでの秘匿性の高い同報通信を実現
・ スマートフォンやPC用の無線LANアクセスポイントを、そのまま中継器として使用可能
・ IPネットワークと接続することで、離れた拠点間の通信にも対応
・ 交互通話や同時通話のほか、グループ会議(最大100端末※まで)や文字の送受信も可能
・ PC上に、端末が接続しているアクセスポイントの情報を表示
・ 免許や申請なしで使え、電波利用料も不要なので、手軽に導入可能
・ 通信拡張ユニットと接続することで、従来の無線機やIP電話(内線/外線)との連携も実現
※理論値
基本構成
IPネットワーク上に配置された無線LANアクセスポイントを中継器として、無線LANトランシーバーIP100Hからの通信を無線LANトランシーバーコントローラーIP1000Cに送信。コントローラーから、指定された通信先に音声や文字データーを送信します。また、無線LANトランシーバーアプリケーションIP100FSは、通信端末として利用するほか、携帯型端末の位置情報やプレゼンス(ステータス)を取得することができます。
IP1000C(無線LANトランシーバーコントローラー)は、RoIPゲートウェイVE-PG4や、無線LANアクセスポイントAP-9500#11で置き換えることもできます。なお、製品により、収容できるIP100Hの数量が異なります。
交互/同時通話、 多重通信が可能
交互通話のほか、オプションのヘッドセットを用いれば、電話のように同時に通信する同時通話にも対応します。また、従来の無線機では、同じ通話範囲内では、1通話しかできません(送信している端末以外の端末は、送信ができません)が、当システムでは、同時に複数の端末から送信することができる多重通信に対応、効率よく連絡することができます。
多彩なバリエーションで呼び出し相手を指定可能
全体呼び出し、グループ呼び出し、個別呼び出し、近隣呼び出し(特定のアクセスポイントに接続している端末にのみ呼び出し)と、多彩な通信範囲を選択できます。
ミキシング機能を搭載
コントローラーに搭載されたミキシング機能を使うことで、最大100端末(理論値)までの多者間同時通話が可能です。
1対1の同時通話よりも効率よく情報交換することができます。
スムーズなローミング
トランシーバーで通話中に移動し、接続している無線LANアクセスポイントのカバーエリアをはずれても、スムーズに別のアクセスポイントに再接続し、ストレスなく通話できます。
文字情報の送信
トランシーバーからは、あらかじめコントローラーに設定した複数のメッセージから選択し、任意の端末に文字データーを送信できます。また、リモートコミュニケーターからは自由に入力した文字を任意の端末に送信できます。
通信範囲を手軽に拡張可能
IPネットワークに接続する無線LANアクセスポイントを増設するだけで、手軽に通信範囲を拡大することができます。もちろん、既存のスマートフォンやPC用に設置されている無線LANアクセスポイントも利用可能です。また、IPネットワークを接続することで、離れた拠点との通信も可能です。
高い秘匿性
容易に通信の暗号化が可能な無線ネットワーク上で通信を行うため、情報漏えいのリスクが低い連絡を実現します。
軽量・コンパクト
トランシーバーは、約205g(アンテナ・付属充電池を含む)と軽量。
サイズも、58(W)×95(H)×26.4(D)mm(突起物を除く)と小型で、機動性を損ないません。
IPX7の防水性能
トランシーバーは、IPX7の高い防水性能をもたせているので、水に濡れやすい環境や雨天の屋外での利用※も安心です。
※5.2GHz/5.3GHz帯無線LANの利用は、電波法により、屋内に制限されています。
受信を知らせるバイブレーション機能
トランシーバーにはバイブレーション機能を搭載。振動で音声や文字データ―の受信を通知します。振動するタイミングは、個別呼び出し受信時、グループ呼び出し受信時、文字データー受信時のみなど、使い方に合わせて設定できます。
モニター機能などの充実した制御機能
リモートコミュニケーターには、各トランシーバーを強制的に送信状態にするモニター機能を搭載。また、盗難などで意図しないユーザーがトランシーバーを利用することを防ぐ遠隔ロック機能などの制御機能も備えています。
携帯型端末の位置情報や状態を取得可能
リモートコミュニケーターをインストールしたPCやタブレットのマップ上に、各携帯型端末の位置を表示。また、各携帯型端末の送受信状態や、端末で設定するプレゼンス(ステータス情報)も表示し、グラフィカルに端末の状況を把握できます。
120個のボタンに機能割り当て可能(IP100FS)
リモートコミュニケーターには120個のボタンを配置。全体通信、拠点別通信、個別通信、アクセスポイント別通信などのように、多彩に設定することで、通信の目的に合わせた呼び出しをすばやく行うことができます。
免許・資格・申請不要
技術基準適合証明を取得していますので、使用にあたって電波利用に関する免許や資格、申請などの手続きは不要です。また、電波利用料も不要ですので、ランニングコストを低く抑えることができます。
従来の無線機やIP電話との連携が可能
無線LANトランシーバー内の端末間での通信だけではなく、通信拡張ユニットであるVE-PG4と併用することで従来の無線機(特定小電力トランシーバーや簡易業務用無線機など)やLTE/PoCトランシーバーとも通信が可能です。また、SIPサーバーを内蔵しているためVoIP通信とも連携。SR-8000Vを導入すると、内線電話だけでなく、外線電話の送受信なども実現します※。
※システムの拡張については、案件ごとに技術的・法的な検証や調整を行うため、異なる機器やサービスを組み入れることや、導入できないこともあります。
機器接続イメージ図
青いドーナツ状の帯にある端末間での相互通話が可能です。
運用上のご注意
IEEE802.11a(W52、W53)は電波法により屋内使用に限定されます。W56は屋外での使用が可能です。
関連導入事例
業種別活用例
IP100H<無線LANトランシーバー>
無線LAN部
無線通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n |
---|---|
周波数範囲 | 2.4GHz帯13チャンネル/ 5GHz帯19チャンネル(W52/W53/W56) |
送信出力 | 10mW/MHz以下 |
暗号化方式 | WEP(64/128)、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES) |
プロトコル | TCP/IP |
一般仕様
使用温度範囲 | -10℃~+60℃ |
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湿度 | 90%以下(ただし、結露なきこと) |
電源 | 定格:7.4V(BP-271)、単三形アルカリ乾電池:5.5V(BP-273) |
消費電流 | 平均150mA以下(送信時:100mA、受信時:150mA、待機時:50mA) |
連続使用時間 | 20時間以上(送信:受信:待ち受け=1:1:8、BP-271使用時) |
スピーカー出力 | 400mW以上(内部SP 16Ω 10%歪率時)、200mW以上(外部SP 8Ω 10%歪率時) |
外形寸法 | 58(W)×95(H)×26.4(D) mm(BP-271装着時)突起物を除く |
重量 | 約205g(アンテナ/バッテリー含む。) |
IP100FS<無線LANトランシーバーアプリケーション>
一般仕様
対応OS | Microsoft® Windows® 11、 Microsoft® Windows® 10 32/64bit Microsoft® Windows® 8.1 32/64bit (※Windows®RTは非対応) |
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CPU | Intel® Core™ 2 Duo Processor E6600/2.4GHz以上 |
メモリー | 2GB以上 |
HDD | 1GB以上の空き容量(ログ保存先) |
音声 | ダイレクトサウンド対応サウンドカード (48kHzのサンプリングレートで20kHz以上の周波数範囲をもつもの) |
解像度 | 推奨解像度 1920×1080(Full HD)、最小解像度 1024×768(XGA) |
ネットワーク | 100BASE-TX以上 |
USBポート | USB1.1/2.0 |
その他必要な外部装置 | スピーカー・マイクロホン/ヘッドセット |
IP1000C<無線LANトランシーバーコントローラー>
一般仕様
電源 | AC アダプター(AC100V±10% 50/60Hz 最大15W) |
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動作環境 | 0℃~ +40℃ 5 ~ 95% RH(ただし、結露なきこと) |
外形寸法 | 約232mm(W)×168mm(D)×38mm(H)(突起物を除く) |
重量 | 約750g( 本体のみ) |
インターフェース
LANインターフェース | RJ-45型コネクター×4 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T 準拠 MDI/MDI-X 自動識別 |
---|---|
メンテナンスインターフェース | RS-232C 対応×1(RJ-11 型コネクター)、USB(2.0)×2 |
※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。
おもな付属品
IP100H
・ BP-271 リチウムイオン充電池
・ BC-202 急速充電器
・ BC-123S ACアダプター(BC-202用)
・ MB-127 ベルトクリップ
・ ハンドストラップ
・ アンテナ
・ アンテナキャップ
IP1000C
・ ACアダプター
・ クッションシート
・ ビス(別売の壁面取付プレートに使用)
・ フェライトコア
関連資料
IP100H
マイクロホン
イヤホン・スピーカー
SP-13
イヤホン
ヘッドセット
PTT/VOXケーブル
バッテリー
充電器
ACアダプター
データ通信ケーブル
変換ケーブル
IP100FS
マイクロホン
SM-25
デスクトップマイクロホン
IP1000C
データ通信ケーブル
製品サポート・ニュース
製品カタログ
カタログ名 | ファイルサイズ |
---|---|
IP100H/IP100FS | 2.74MB |
取扱説明書
名称 | 製品名 | 補足説明 |
---|---|---|
取扱説明書 | CS-IP100H | |
ご注意と保守について | IP1000C | |
接続ガイド | IP1000C | |
取扱説明書 Ver. 2.45 | IP1000C | |
取扱説明書 | IP100FS | |
取扱説明書 Ver. 2.20 | IP100H | |
ご注意と保守について | IP100H | |
ご利用ガイド | IP100H |
ファームウェアなど
種類 | 製品名 | バージョン | 公開日 |
---|---|---|---|
プログラミングソフトウェア | CS-IP100H | Version 2.07 | 2023.02.14 |
ファームウェア | IP1000C | Version 2.45 | 2023.06.27 |
ファームウェア | IP1000C#02 | Version 2.45 | 2023.06.27 |
リモートコミュニケーター | IP100FS | Version 2.05 | 2023.05.19 |
よくあるご質問
IP1000C/IP100H
- 1台のIP1000Cで、何台のIP100Hを使用できますか。
IP1000Cにはバージョン異なる2種類が存在し、IP1000C(#01)は端末100台、IP1000C(#02)は端末20台まで登録・使用可能です。なお、これらの端末台数にはIP100Hだけでなく、IP100FSの台数も含まれます。
- 更新日時
- 2017/05/29
- 文書ID
- 976
IP1000C/IP100H
- IP100Hを使用するためには、他にどのような機器が必要ですか。
アクセスポイントと、サーバーとなるIP1000Cが必須です。IP100FSはパソコンにインストールしてIP100Hの位置などを管理できる指令卓のような役割ができるソフトであり、お客様のご要望に応じて任意で導入ください。
- 更新日時
- 2017/05/29
- 文書ID
- 1180
IP1000C
- 他社製のアクセスポイントを使用して通信することは可能ですか。
無線規格や暗号化規格等がIP100Hに合致しているアクセスポイントであればご利用いただけます。ただし、近隣呼出機能やIP100FSでの位置情報の確認などの機能の一部が使用できません。
- 更新日時
- 2017/05/29
- 文書ID
- 1179
IP100H
- アクセスポイント側でSSIDをステルスに設定しています。IP100Hと接続することができません。
5GHz帯ご利用時、SSIDステルスのアクセスポイントと接続することができません。2.4GHz帯に変更いただくか、SSIDのステルスを解除ください。
- 更新日時
- 2017/05/29
- 文書ID
- 1076
IP100H
- 他社製のアクセスポイントを使用して通信することは可能ですか。
無線規格や暗号化規格等がIP100Hに合致しているアクセスポイントであればご利用いただけます。ただし、近隣呼出機能やIP100FSでの位置情報の確認などの機能の一部が使用できません。
- 更新日時
- 2017/05/29
- 文書ID
- 1077
AP-9500/IP1000C/IP100H/VE-PG4
- 1台の無線LANトランシーバーコントローラーで、何台のIP100Hを使用できますか。
IP100Hの無線LANトランシーバーコントローラーは IP1000C / AP-9500 #11 / VE-PG4 の3機種で端末の登録・使用が可能です。
IP1000Cにはバージョンの異なる2種類が存在し、IP1000C #01は端末100台、IP1000C #02は端末20台まで登録・使用が可能です。
※これらの端末台数にはIP100Hだけでなく、IP100FSの台数も含まれます。
※IP1000CではIP200H、IP200PGを使用する事ができません。
AP-9500 #11 は端末200台まで登録・使用が可能です。
VE-PG4は端末50台まで登録・使用が可能です。
※これらの端末台数にはIP100Hだけでなく、IP200H、IP200PG、IP100FSの台数も含まれます。
- 更新日時
- 2021/06/23
IP100H/IP500H/IP501H/IP502H/BC-202/BC-202IP2
- 充電器の充電表示色がこれまで使用していた充電器の色と比べて赤く見えます。
充電器の色合いを「黄色」のような色合いから現在の「橙 (オレンジ) 色 」の色合いに変更しました。
今後の充電表示は、現在出荷している充電器の充電表示色になります。
2021年4月現在。
- 更新日時
- --/--/--
AP-900/AP-9500/AP-95M/BS-580BPA/BS-580SPA/BS-900/BS-900BPA/BS-900SPA/IP100H/IP200H/IP200PG/SB-900/SE-900/SE-900FW/SE-90M/SR-7100VN/SR-7100VN#31/VE-CAM10/VE-CAM10D
- 無線LAN機器は新スプリアス規格ですか。
はい、上記弊社販売の無線LAN機器については、製造年月や機種にかかわらず新スプリアス規格に該当します。
新スプリアス規格への移行後も継続して使用可能です。
弊社販売の無線LAN機器におきましては下記リンクをご参照ください。
- 更新日時
- 2021/08/13
防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。
防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
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IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |