デジタルを含む10kHz~3GHzの広帯域を、多彩なモードでカバー
10kHz~3GHz(一部周波数帯を除く)のワイドな受信レンジを最小1Hzステップでカバー。 電波型式はUSB/LSB、CW、FSK、AM、FM/WFMに対応します。 音声受信だけではなく、信号強度の測定などにも対応することができる機能を備えた広帯域受信機です。 また、デジタル波の受信にも対応。 日本アマチュア無線連盟が推奨するデジタル通信方式D-STAR®やデジタル簡易業務無線(DCR)のほか、dPMR®、NXDN®、P25の受信にも対応しています。
すべての復調処理回路をソフトウェア処理で実現
復調処理回路に、FPGA(Field-Programmable Gate Array)+DSPを採用。 HF帯はRFダイレクト・サンプリング方式で復調するほか、IF周波数46.35MHzに変換されたアナログ信号を14bit A/Dコンバータでデジタル信号に高速変換し、 さまざまな受信モードをソフトウェア処理で対応しています。 また、A/Dコンバーターのサンプリング周波数を122.88MHzと高く設定することで折り返しやイメージ受信に有利となる構成を実現しています。
ハイレベルな受信感度と多信号特性を両立
HF帯のフロントエンドに11分割したバンドパスフィルターを、またV/UHF帯では、13分割のバンドパスフィルターを採用。 高感度を維持しながらも、高い多信号特性も実現しています。
大容量メモリー(2000ch+400ch)
通常メモリーとして2000chの大容量を搭載。 周波数のみならず、モードやチューニングステップに加え、トーン、アンテナ設定(HF)、P.AMP、ATT、IP+も記憶できます。 各メモリーチャンネルには視認性に優れる漢字を用いたタイトルを書き込むことができるほか、100のグループにわけてメモリーが可能。 また、プログラムスキャンエッジ記憶用として、50組100chを用意しています。 別売のCS-R8600でPCからメモリー登録することもできます。
多彩なスキャン機能
スキャンスピードは最大毎秒100chを実現。 目的波を逃さずキャッチする力強いサポートとなります。 また、多彩なスキャンモードを搭載したほか、スキャンスピードも30段階で可能。 効率的かつ漏れなくサーチできます。
- プログラムスキャン・・・あらかじめ指定した範囲をサーチ。
- メモリースキャン・・・メモリーチャンネルを順番にサーチ。
- モードセレクトメモリースキャン・・・メモリーチャンネルの中で、あらかじめ指定したモードを記憶しているチャンネルだけをサーチ。
- オートメモリースキャン・・・スキャン中に受信した周波数を自動的にメモリーに記憶。
- セレクトメモリースキャン・・・聴きたいメモリーチャンネルだけを指定してサーチ。
- プライオリティースキャン・・・通常の受信をしながら、特定周波数での信号の有無を確認。
- ⊿Fスキャン・・・表示周波数を中心に、一定のスパン(周波数範囲)をスキャン。
高速スコープ + ウォーターフォールで目的信号をキャッチ
デジタル処理ならではの高精細・高速度のリアルタイムスペクトラムスコープを搭載。 スイープスピードは約30画面/秒(最大)、ワイドなダイナミックレンジ(約110dB:SPAN=±2.5kHz時)、 最大±2.5MHzと広範囲をカバーする表示範囲など、トップクラスの性能で目的信号の監視を強力にサポート。 また、目的信号付近をタッチする操作で周波数移動することができる、直感的操作を実現しました。 もちろん、受信音を出力しながらスコープを参照することが可能です。 また、ピークサーチ機能も備えています。 さらに、ウォーターフォール表示により、バンド状況や受信信号の履歴を時系列で確認できます。 リアルタイムスペクトラムスコープだけで判別しにくい微弱信号の存在も、視覚化することが可能です。
直感的な操作で、スムーズな運用を実現
追跡する電波を素早く確実に捕捉するため、ユーザーインターフェースも進化しました。 ディスプレイには4.3インチカラーTFT液晶を採用。 高精細な画面に情報を集約することで、スムーズな運用を実現しています。 タッチ操作に対応しており、画面上のアイコンをタッチするだけで、素早く、わかりやすく操作することができます。 また、AF出力レベルやスケルチ強度など、各種項目へのアクセスを格段にスピーディにする3つのダイヤル(DIAL A,B,C)を装備しました。 ダイヤルを押しこむと、ダイヤルの横にメニューが表示されます。 そのメニューをタッチして項目を選択し、ダイヤルを回してレベルを調整します。
受信内容を記録できる、SDカードスロットを搭載
SDカードに受信ログや受信音声を記録するためのSDカードスロットを搭載。 32GBまでのSDカードに対応し、1ファイルあたり2GB(約17時間相当)録音できます。 また、受信時の画面表示をかんたんな操作でキャプチャーし、bmp/png形式のデータとしてSDカードに保存することも可能です。
LAN/USBを経由した遠隔操作に対応
LANやUSBによるPCからのリモートコントロールと情報取得が可能です。 遠隔操作用ソフトウェアとしてRS-R8600(別売)を用意。 Windows® PCにインストールすることにより、ほぼすべての主要な機能をリモートコントロールできます。 もちろん、リアルタイムスペクトラムスコープもLAN経由で確認できるほか、USB端子でも※スコープが使えます。
※1 15200bps時
I/Q outputを搭載
IF入力をデジタル出力するI/Q OUTポートを装備しています。 USBケーブルでPCと接続し、IC-R8600から HDSDR (フリーSDRソフトウェア)へI/Q信号を出力し、 HDSDRからIC-R8600をコントロールできます。 ソフトウェア上でI/Q信号を復調したり、スペクトラム/ウォーターフォールを表示したりすることができます。 また、別売りのリモートエンコーダーRC-28をPCに接続することによりダイヤル操作でスムーズな周波数変更が可能です。
※IC-R8600本体の ファームアップ (Version 1.3以降)と、 IC-R8600 USB I/Q package for HDSDR が必要です。
その他の機能
- 3系統のアンテナ端子を装備(0.01~30MHz M型、ピンジャック/0.01~3000MHz N型)
- 電界強度の絶対値表示
- スリープタイマー機能(5~120分、5分単位)
- 受信アッテネーター
- センターインジケータ(FM/WFM/各デジタルモードで動作)
- AGC回路搭載
- デジタルAFC機能
- トーンコントロール(HPF/LPF,BASS/TREBLE,De-Emphasis)
- ノイズブランカ―回路
- スピーチ機能(日/英)
- メインダイヤルテンション調整機能
- オートTS機能
- メインダイヤル/パネルロック機能
- S-AM(AM同期検波モード)
- 多彩なデジタルスケルチ機能
リアパネル
一般仕様
周波数範囲 | (保証周波数範囲は 0.10000MHz~) 0.010000 ~ 252.900000 MHz 255.100000 ~ 261.900000 MHz 266.100000 ~ 270.900000 MHz 275.100000 ~ 379.900000 MHz 382.100000 ~ 411.900000 MHz 415.100000 ~ 809.900000 MHz 834.100000 ~ 859.900000 MHz 889.100000 ~ 914.900000 MHz 960.100000 ~ 3000.000000 MHz |
---|---|
モード | USB、LSB、CW、FSK、AM、FM、WFM DIGITAL(D-STAR®、DCR、dPMR®、NXDN®、P25) |
アンテナ端子 | ANT1 (0.01~3000MHz) : N型 (50Ω不平衝)、 ANT2 (0.01~30MHz) : M型 (50Ω不平衝)、 ANT3 (0.01~30MHz) : RCA型 (500Ω不平衝) |
周波数安定度 | ±0.5ppm (-10℃~60℃、主電源ONから5分後にて) |
メモリーチャンネル数 | 2400チャンネル (スキャンエッジチャンネル100ch、オートメモリーライト200ch、 スキップチャンネル100chを含む) |
周波数分解能 | 1Hz |
電源 | DC13.8V±15% |
接地方法 | マイナス接地 |
消費電流 | スタンバイ状態 1.8A、 受信音量最大時 2.0A |
外形寸法 | 220mm<W>×90mm<H>×230mm<D> (突起物を除く) |
重量 | 約4.3kg |
使用温度範囲 | -10℃~60℃ |
受信部
受信方式 | 0.010000 ~ 29.999999 MHz: ダイレクトサンプリング方式 30.000000 ~ 1099.999999 MHz: ダブルスーパーヘテロダイン方式 1100.000000 ~ 3000.000000 MHz: トリプルスーパーヘテロダイン方式 |
---|---|
中間周波数 | 0.010000 ~ 29.999999 MHz: - 30.000000 ~ 499.999999 MHz: 1st=778.7MHz、2nd=46.35MHz 500.100000 ~ 1099.999999 MHz: 1st=278.7MHz、2nd=46.35MHz 1100.000000 ~ 1499.999999 MHz: 1st=900~500.000001MHz、2nd=278.7MHz、3rd=46.35MHz 1500.000000 ~ 3000.000000 MHz: 1st=1000~500MHz、2nd=278.7MHz、3rd=46.35MHz |
アナデジ変換 サンプリング周波数 |
122.88MHz |
受信感度 (プリアンプON時、 代表値) |
SSB/CW/FSK (SSB/FSKはBW=2.4kHz、CWはBW=0.5kHz、10dB S/N時) 0.100000 ~ 1.799999 MHz: -6dBμ 1.800000 ~ 29.999999 MHz: -14dBμ 30.000000 ~ 1099.999999 MHz: -10dBμ 1100.000000 ~ 1999.999999 MHz: -10dBμ 2000.000000 ~ 3000.000000 MHz: -8dBμ AM (BW=6kHz、10dB S/N時) 0.100000 ~ 1.799999 MHz: 16dBμ 1.800000 ~ 29.999999 MHz: 8dBμ 30.000000 ~ 1099.999999 MHz: 15dBμ 1100.000000 ~ 1999.999999 MHz: 15dBμ 2000.000000 ~ 3000.000000 MHz: 15dBμ FM (BW=15kHz、12dB SINAD時) 28.000000 ~ 29.999999 MHz: -6dBμ 30.000000 ~ 1099.999999 MHz: -6dBμ 1100.000000 ~ 1999.999999 MHz: -6dBμ 2000.000000 ~ 3000.000000 MHz: -4dBμ WFM (BW=180kHz;12dB SINAD時) 30.000000 ~ 1099.999999 MHz: 3dBμ 1100.000000 ~ 1999.999999 MHz: 3dBμ 2000.000000 ~ 3000.000000 MHz: 5dBμ DIGITAL(D-STAR®、DCR、dPMR®、NXDN®) (1%BER時) 28.000000 ~ 1099.999999 MHz: -2dBμ 1100.000000 ~ 1999.999999 MHz: -2dBμ 2000.000000 ~ 3000.000000 MHz: 0dBμ DIGITAL(P25) (5%BER時) 28.000000 ~ 1099.999999 MHz: -5dBμ 1100.000000 ~ 1999.999999 MHz: -5dBμ 2000.000000 ~ 3000.000000 MHz: -3dBμ |
選択度 | USB/LSB/FSK (BW=2.4kHz): 2.4kHz以上/-3dB、3.6kHz以下/-60dB CW (BW=500Hz): 500Hz以上/-3dB、700Hz以下/-60dB AM (BW=6kHz): 6.0kHz以上/-3dB、15.0kHz以下/-60dB FM (BW=15kHz): 12.0kHz以上/-6dB、25.0kHz以下/-60dB WFM: 180kHz以上/-6dB |
スプリアス妨害比 | 0.10000 ~ 29.99999 MHz : 70dB以上 30.00000 ~ 1099.99999 MHz : 50dB以上 1100.0000 ~ 2499.99999 MHz : 40dB以上 2500.0000 ~ 3000.00000 MHz : 40dB以上 ※1100MHz以上の1st IF スルーのみ : 35dB以上 ※2000MHz以上の1st IF Imageのみ : 30dB以上 |
オーディオ出力 | 2.0W以上(8Ω負荷、10%歪率時) |
オーディオ負荷インピーダンス | 8Ω |
※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。
おもな付属品
- ・DC電源ケーブル 他
製品カタログ
カタログ名 | ファイルサイズ |
---|---|
IC-R8600 | 6.58MB |
RS-R8600 | 3.23MB |
アマチュア無線機器総合カタログ | 4.90MB |
取扱説明書
名称 | 製品名 | 補足説明 |
---|---|---|
アップデートについて(Revision 1.20) | CS-R8600 | |
アップデートについて(Revision 1.10) | CS-R8600 | |
IC-R8600をSDRに使用するには(インストールガイド) | IC-R8600 | |
IC-R8600をSDRに使用するには(インストールガイド)/IC-R8600のHDSDRによる基本操作 | IC-R8600 | |
補足説明書 | IC-R8600 | CI-Vコマンド説明 |
IC-R8600のHDSDRによる基本操作 | IC-R8600 | |
I/Q出力補足説明書 | IC-R8600 | [I/Q OUT]ポートで使用できるコマンド一覧 |
取扱説明書 | IC-R8600 | |
仕様変更のお知らせ | IC-R8600 | |
取扱説明書 Version 1.01 | RS-R8600 | |
ご使用になる前に Version 1.01 | RS-R8600 | |
USBドライバーインストールガイド(USB3.0対応版) | USB Driver (Ver.1.20) CS-7100/CS-9100/CS-R8600/IC-7300/IC-7610/RS-BA1/RS-R8600 | Microsoft Windows 10/8.1/7用 |
USBドライバーインストールガイド(USB3.0対応版) | USB Driver (Ver.1.30) CS-7100/CS-9100/CS-9700/CS-R8600/IC-7300/IC-7610/RS-BA1/RS-R8600 | Microsoft Windows 11/10/8.1用 |
ファームウェアなど
よくあるご質問
IC-R8600
- DCRの秘話コード(ユーザーコード)スキャン機能はありますか。
秘話コードのスキャン機能はありません。ただしユーザコードを設定することで、ユーザコードが設定されているDCR信号を受信することができます。
- 更新日時
- 2019/11/15
IC-R8600
- I/Q出力で何ができますか。
I/Q OUTポートとパソコンを USBケーブルで接続することで、 HDSDR (フリーソフトウェア)へI/Q信号を出力し、 パソコン(HDSDR)上で受信信号を復調したり、スペクトラム/ウォーターフォールを表示したりすることができます。
弊社HPから、「HDSDR用USB I/Qパッケージ」をダウンロードしてご活用下さい。
- 更新日時
- 2019/11/15
IC-R8600
- オールリセットをしたらメモリが消えてしまった。
オールリセットをすると、出荷時にプリセットされていたメモリーチャンネルも含め記憶させたデータが全て失われます。
無線機に必要な周波数や受信モードなどを登録するか、アイコムホームページよりプリセットメモリをダウンロードし、SDカードを介して無線機で読み込んでください。詳しくは取扱説明書の「SDカード(7-1ページ~7-4ページ)」をご覧ください。
弊社にメモリー書き込み作業をご依頼される場合は、リペアセンターにお送りください。なお技術料金 3,850円(税込)と本体の運送費用は、お客さまでご負担ください。
- 更新日時
- 2019/11/15
IC-R8600
- 時計がリセットされる。
内蔵時計のバックアップに充電式電池を使用しています。
長期間、無線機をDC電源(13.8V)に接続しない状態が続いた場合、電池の電圧が低下して、時計の設定がリセットされます。定期的にDC電源を接続することで電池が充電され時計設定が保持されますので、長期間ご使用にならない時も、1カ月ごとを目安に充電してください。充電時間の目安は約2日です。
※無線機の電源のON/OFFにかかわらず充電されます。
- 更新日時
- 2019/11/15
IC-R8600/RS-R8600
- サーバー機能を使って宅外遠隔操作を行うのにIPv6のIPアドレスを使う事が出来ますか。
IPv6のIPアドレスを使用することはできません。
IPv4のグローバルIPアドレスが付与されたインターネット回線が必要です。
- 更新日時
- 2022/01/13
IC-R8600/IC-7100/IC-7300/IC-7610/IC-7100M/IC-7300M/IC-7100S/IC-705/IC-7610M
- 時計用バックアップ電池の交換を依頼したい。
バックアップ電池の交換は、技術料に点検料を適応いたします。費用は次の通りです。
点検料: 3,300円(税込)
部品代: 220円(税込)
送料 : 1,320円(税込)
総合計: 4,840円(税込、荷造送料込)点検作業には次の作業が含まれます。
■ファームウェアの更新
■レピータリストの更新
■動作点検なお、動作点検にて故障が判明した場合、点検料はいただきませんが、技術料が必要になります。
修理費用につきまして、別途ご案内させていただきます。- 更新日時
- 2022/01/26
防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。
防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
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IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |