データ通信

データ通信はインターネットと同様にTCP/IPのプロトコルによって画像、データ、音声などの通信を行うものです。一般的には音声通信のようにリアルタイム性はありませんが、インターネットと同様な感覚で通信することができます。

図1 データパケットのフレーム構成

データ通信は図1に示すフレーム構成になっています。無線部ヘッダは音声通信と構成は全く変わりませんがデータ部が大幅に異なります。無線部ヘッダのフラグについてもう少し説明しますと8ビットで構成され表1のようになっています。

  上 位 bit
Bit 7 6 5 4 3
1 データ 中継 割込あり 制御 緊急通信
0 音 声 直接 割込なし データ

通常通信

 
下 位 bit
2 1 0 機 能 備 考
1 1 1 中継局制御 中継局の制御モード
1 1 0 (未使用) (未使用)
1 0 1 (未使用) (未使用)
1 0 0 再送 再送要求フラグ
0 1 1 ACK ACKフラグ
0 1 0 応答ナシ 応答ナシ通知フラグ
0 0 1 中継不可 中継不可通知フラグ
0 0 0 NULL NULL

表1 フラグの内容

・最上位Bit7
 1であればデータ通信、0であれば音声通信であることを表します。

・Bit6
 1であれば中継による通信、0であればレピータを経由しない直接通信を表します。

・Bit5
 1であれば割込通信、0であれば通常の通信を表します。

・Bit4
 1であればレピータの制御のための通信、これはレピータ管理者用のもので一般ユーザーは使用し
 ません。0であれば一般の通信です。

・Bit3
 1であれば緊急通信、これは電波法上の緊急通信ではなく、例えば交通事故などで誰かに緊急に連
 絡したい場合などこのフラグを立てると受信している局のスケルチを開いてモニターできるような
 機能に使用します。0の場合は通常の通信です。

・下位Bit2~0
 この部分は表1のような状態を示すフラグです。

図1に示すパケット構成のデータ部は図2のように基本的にはイーサネットのパケット形式になっていてメインのデータ・フレームは46~1500バイトの可変長になっています。

図2は左側のAさんより右側のBさんへメッセージを送る場合を表示しています。この図で有線部は最終積にイーサネットのパケット形式そのもので通常パソコンより10Base-T等の形で取り出し、無線機側で無線ヘッダーを追加して送信します。この信号を受信すると無線ヘッダを取り外してイーサネットのパケット形式でパソコンなどの機器に渡し、そのメッセージを表示したりまたは聞いたりすることができます。

図2 メッセージの伝送方法

音声通信はリアルタイム性を必要とするため別に送ることを述べましたが、データ通信で音声を送ってはいけない訳ではありません。リアルタイム性の保証ができないだけでその周波数が空いていればVoIPも使用可能かも知れませんので適宜実験しても全く問題はありません。