ID-1はこのデジタル通信用の端末機です。デジタルデータ系通信、デジタル音声系通信と従来のアナログと比較するため、アナログFM通信機能も含まれています。

無線機本体とコントロール部が分離されていて、パソコンを接続しないでもこのままでデジタル音声系通信ができます。

デジタル無線 ID-1

ID-1のブロックダイヤグラム

この図はID-1の概略のブロック図です。デジタル音声系通信はMICから入力された音声信号を増幅後CODECによってデジタル信号に変換されます。そのデジタル信号をGMSK変調し、必要な電力まで増幅して出力します。

アンテナから入力された受信信号は受信部でGMSK復調されてCODECで元のアナログ信号に変換され、増幅後スピーカから出力されます。

データ信号は接続されたパソコンより10Base-Tの端子に入力され、インターフェースを介して音声系通信同様にGMSK変調されて出力されます。データ信号の受信は音声信号と同様にGMSK復調され、インターフェースを通って10Base-Tでパソコンに入力されます。

コントローラに接続されたUSBはID-1のコントロールに使われ、通信には直接関係ありません。専用のコントローラRC-24だけでもコントロールできますが、このUSBにパソコンを接続して操作すると更に便利になり、その動作は後で説明します。

なお、従来のアナログFMも含まれていますが、ここではブロック的に特に表示していません。

無線機の特性
動作周波数 :1.2GHzアマチュアバンド
動作モード(FDMA) :FM(アナログ音声通信)
 0.5GMSK(デジタル音声/データ)
伝送レート :4.8kbps(音声)/128kbps(データ)
CODEC :AMBE
データインターフェース :IEEE802.3(10Base-T)
高周波出力 :10W/1W
受信感度(typical) :FM          -16dBu
 4.8kbps GMSK 音声  -10dBu
 128kbps GMSK データ + 2dBu
切替時間 :10mS(デジタルモード)
GMSK変調 :Quadrature変調/FPGA(ベースバンド)

この表はID-1の特性を表示しています。既に述べたように変調はGMSKとなっていますが、これは隣接チャンネルへの障害が少なく、従来のFMと同様にC級アンプを使用することができます。

伝送速度はデータ系通信が128Kbps、音声系通信が4.8Kbpsとなっています。