JA3ART 海老原 和夫氏
No.37 デイトンハムベンション(2)
[空軍博物館を見学]
デイトンに到着した翌日の5月13日(木)は、午前中、メンバー全員レンタカーに乗って、世界一の規模を誇る空軍博物館に向かった。ここでは、海老原さんのコールサイン入りキャップを見つけて、W2PWとK2ZBが声を掛けてきた。話をすると、彼等は同年8月に東京で開催されるハムフェアに参加するため来日予定とのことだった。その他にも、何人かの米国のハムや、台湾のハムと挨拶を交わした。
空軍博物館の室内に展示されたB24爆撃機。海老原さん(左)と高田さん(右)。
この日の午後は、ジャンク屋では世界一の規模と言われているメンデルソンに行ったが、「その規模には、ただただ驚くばかりでした」と海老原さんは話す。7階建ての大きなビル全部が、商品であるジャンクで埋めつくされていたからである。なお、このメンデルソンではデイトンハムベンションの前売りチケットが販売されていた。会場で購入すると3日間通しのチケットが20ドルのところ、16ドルで入手できたため、5人全員がここで前売り券を購入した。
ジャンク屋のメンデルソン。
[会場を下見]
メンデルソンを出ると、まだ15時だったので、そのままハムベンションの会場であるハラアリーナに下見に出かけた。この日は開催日前日のため、出展準備目的の出展者のみが入場できるという状況ではあったが、数時間前にメンデルソンで購入した前売りチケットを提示したところなんと会場に入場させてくれた。一般開場前の木曜日に入場することで、もし購入したい物を見つければ、開店準備中のショップでも値段交渉に応じてくれるところがある。日本から買い付け目的で来ている来場者の多くはこの日に商談を成立させているという話も聞いた。
前売りで購入した入場チケットの半券。
海老原さんは、この日、250ドルの値札が付いた箱入り新品のバード43型通過型電力計をたまたま見つけた。前々から欲しかった電力計だったため、売り主と価格交渉を行ったところ、50ドルも値引きしてくれ、200ドルで購入することができ、会場を下見に来たメリットが大きかった。ざっと下見をした後に会場を後にし、道中イタリアンレストランで夕食を摂り、トロイ市のホテルに戻ったのは20時を過ぎていたが、外はまだ薄暮の明るさであった。
[ハムベンション]
ハムベンションの本番は5月14日(金)〜16日(日)の3日間で、金曜日が午前8時から午後6時、土曜日が午前7時から午後5時、日曜日が午前7時から午後1時が開場時間である。よい物を見つけるには早く入場することが重要なため、海老原さんらは毎日朝8時にホテルのロビー集合とした。駐車場は、個人経営の有料駐車場も含んで約8千台分が確保されているという。「確かに普段は畑であったであろう空地が、臨時の有料駐車場になっていました」と海老原さんは話す。
また、事前に主催者側からは、会場のハラアリーナから約1マイル離れたところにあるセラムモールおよびデイトンモールに無料駐車場を確保し、会場との間にシャトルバスを運行させるとの案内があったため、海老原さんらは、もっぱらこの無料駐車場にレンタカーを停めて、毎日シャトルバスに乗って会場に向かった。
海老原さんらが乗ったシャトルバス。
[多数の出展ブース]
会場では、一般に「ジャンク市」と言われている屋外のフリーマーケットは1000ブースを超える出展があり、見て回るだけでも1日かかると言われる。さらに、ハラアリーナとその付属施設には200を超える屋内ブースがあるので1日で全部見て回るのは不可能である。例年は、最高気温が摂氏30度を越えるので、ペットボトルの水が必需品と海老原さんは聞いていたが、幸いにもこの年は25℃程度で朝夕などは長袖シャツが必要なくらいであった。
駐車場に停まっていたアイコムの展示用バス。会期中はこの中で実機を試聴できるようになっている。
ハラアリーナとその付属施設の屋内展示場は、大半が機器メーカーや、ARRLなどの業界関連団体の展示ブースとなっており、新品機器の展示や販売、書籍の販売、Tシャツ屋の販売、QSLカードの製作や販売などが行われていた。また、各種フォーラムもこの屋内展示会場内の会議室等で行われていた。ただし、規模が大きく参加者の多いDXフォーラムとコンテストフォーラムは別会場だったという。
アリーナ内の様子。
アイコムをはじめとする各アマチュア無線機器メーカーは、屋内会場内に大規模なブースを構え、ネオンサインなどの目立つ装飾で来場者の注目を集めていた。なお、屋内会場は冷房が効いており、歩き疲れたら観客用ベンチに座って休憩することができた。また、ファ-ストフードやスナックの店も出展しているため、このベンチで昼食を摂っている来場者が多く見られた。
海老原さんら5人は、全員がハンディ機を会場内で持ち歩き、事前の打ち合わせによる情報共有で、他のメンバーが狙っているものを発見した場合、ハンディ機で連絡を行った。それでも「なにせ会場が広いため、ブース番号を聞いてもその場所を探し出すのが一苦労でした」と海老原さんは話す。
会場で購入したジャンクはすぐに見せ合った。