[計画]

1999年、2000年の2年連続でデイトンハムベンションに参加し、ハムベンションの楽しみ方が分かってきた海老原さんは、翌2001年も参加しようと考えていた。また、JA3AJ小川さんからは、早い段階で一緒に行こうという申し入れがあった。さらに、出発の一ヶ月前になると、JA3WAO加川さんから、「一緒に行ってもらえませんか」と電話が入った。加川さんはハムベンションで、Hi-Fi SSB方式についての演題で講演依頼が届き、急遽デイトン行きが決まったとのことだった。

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加川さん(左)と海老原(右)さん。デトロイト空港にて。

旅行日程は5月17日(木)〜21日(月)の5日間とし、今回は、タビックス世田谷旅行倶楽部が主催していた「デイトンツアー」に申し込み、送迎バスと朝食付きホテルのみの手配を依頼した。航空機は、今回もノースウエスト航空(現在のデルタ航空)を利用したが、前2回とは違って、今回はビジネスクラスを利用した。海老原さんはマイレージを貯めており、実は前年もマイレージを使ったビジネスクラスチケットの確保を試みたが、マイレージサービスに割り当てられるビジネスクラスの座席は極端に少なく、確保ができなかった。しかし、今回は、上手くビジネスクラスチケットが確保できたのであった。

13時間にも及ぶフライトなので、座席や足回りの広いビジネスクラスは疲れにくく、さらにエコノミークラスとは食事などのサービスでも差があり、利用する価値が大きい。「同行した加川さんもビジネスクラスを利用されましたが、日程が迫っていたために正規運賃で搭乗した加川さんと、私が受けたサービスには何ら違いは無かったですよ」と海老原さんは話す。

[ホテル]

15:40に関西空港を出発し、途中デトロイトでいつものように国内線に乗り換え、時差の関係でその日の18:10にデイトン空港に到着した。海老原さんら3人は、その足で今回使ったホテル「ホリデイインデイトンモール」に向かった。このホテルはすぐ前に「デイトンモール」という大型ショッピングセンターがあり、夕食などはここで済ませることができた。さらに、ハラアリーナ行きの無料シャトルバスもここから出ているため、ハムベンションで利用するには便利なホテルであった。

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ホリデイインデイトンモール。

同じホリデイインチェーンで、前年利用したホリデイインノースと比べると規模や内容が格段に良かったが、その分1泊115ドルと料金は高かった。帰路に乗ったタクシーの運転手によると、デイトン市内には5〜6軒のホリデイインのチェーン店があるが、それぞれで規模や内容が違うとのことだった。

[買い物]

今回は、初日の金曜日が日中雨だったため、海老原さんらは、主にアリーナ内の屋内会場で買い物を楽しんだ。2日目の土曜日は、すっきり晴れて気温も丁度よいくらいだったため屋外展示のフリーマーケットを歩きまわった。

今回の海老原さんの買い物は、2011年の今も現役で愛用しているバイブロプレックスのパドル(コードウォリアージュニア)、ハスラーのモービル用アンテナで、所持していなかった10MHz、24MHz、28MHz用のエレメントと、新しくハイパワー仕様になった7MHz用のエレメント、トランセルの1.8MHz用モービルアンテナ、W3FFのキャリーバック付きHF移動用ANT一式、MFJのアンテナアナライザー、それにローカルのDX仲間への土産として最新版のARRL DXCC LIST、さらに、近々FCCの試験を受験したいという友人のために、学科の問題集CDやモールス通信練習用のCDなどを購入して帰国した。

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屋外会場の様子。

[4回のハムベンション]

2003年1月、JA3UB三好さんからEメールが入り、今年のデイトンに行きませんかとのお誘いがあった。海老原さんは1999年、2000年、2001年と3年連続で参加した後、2002年は見送ったこともあり、「それではご一緒しましょう」と返答した。また、手配の手軽さを考えて、タビックスジャパン世田谷旅行倶楽部が主催していた「デイトンツアー」に再度申し込んだ。

海老原さんと三好さんの2人はこのツアーに申し込んだが、関西からは、同じ出発便でJA3BOA乾さんとJA3CZY三浦さんが合流することになり、さらに、現地でJA3USA島本さんも加わることになった。デイトンでの足は、乾さんがデイトン空港で予約しておいたレンタカーに便乗させてもらうことになった。木曜日は乾さん運転のレンタカーでジャンク屋「フェアレディオセールス」や、以前にも訪れたことのある「空軍博物館」をまわった。

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フェアレディオセールスの店内。

なお、島本さんは、ワシントンDCから陸路レンタカーで来場したため、ハムベンション会期中、別会場で行われた「DXフォーラム」への参加などは、島本さん運転のレンタカーに便乗させてもらった。今回利用したホテルは3回目の2001年に利用したときと同じ「ホリデイインデイトンモール」で、前回の利用で利便性に優れていることがわかったため、再度ここを利用した。

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左からJA3USA、JA3UB、JA3BOA。アリーナ内の休憩所にて海老原さんが撮影。

[IC-7800]

今回のハムベンションの展示の目玉は、なんと言ってもアイコムのブースで発表された最高級トランシーバーのIC-7800だった。日本国内でも未発表のトランシーバーで世界初公開だったため、常に人溜まりができていた。屋内会場には販売店ブースも出店しているが、たまたま島本さんとHRO(米国で最大規模のアマチュア無線機器販売店)のブースを訪れたところ、ブースには島本さんの友人がおり、USA仕様のIC-T90Aを特別に値引きしてくれたため、海老原さんは、その場で即決して購入したという。

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アイコムブースで発表されたIC-7800には来場客が殺到。

その他にも、ややこしい買い物は、島本さんが持ち前の英語力で難なく解決してくれ、土産用のT-シャツを大量に買った時も上手く値段交渉をしてくれて助かったという。一方、三好さんは今回が初めてのデイトンで、夫人がメンバーで常々お世話になっているYLRL(Young Ladies' Radio League)のブースへ挨拶に行ったり、またフリーマーケット巡りをしたりして楽しんでいた様子だった。今回は全日程好天に恵まれ、また飛行機便の遅れなどもなく順調にデイトンでの日程をこなすことができた。

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YLRLブースを訪れた三好さん。

[ハムベンションの魅力]

1999年、2000年、2001年、2003年と4度も出かけていった魅力を海老原さんは、「AMの時代を知っている、そしてAMから無線を始めた、それも自作機からのスタートであった私たちの年代では、QST誌などに広告が出ていたバイキング、ハマーランドやハリクラフターなどの格好いいAM/CW送信機や受信機を手に入れることは不可能で、当時は広告の写真を見て楽しんでいましたが、デイトンではそれらの現物と出会える楽しさがあります」

「また、SSBの時代に入った頃、コリンズのS-ラインやスワンのラインなどは、あまりにも高価で手が出ませんでしたが、そんな夢にまで見たRIGがフリーマーケットで惜しみもなく大量に無造作に並べられており、それらのRIGに直接手を触れて感触を楽しめられる事などが、大きな魅力だと思っています」、「これは日本のどこへ行っても味わえません。その他には、日本では入手困難なパーツや製品が格安で入手できること。そして、いろいろな人との出会いがあることなどです」、と海老原さんは話す。

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海老原さんが中学3年の時にJA3AJ小川さんのシャックで初めて手に触れたコリンズの32V-1。(下段中央の2台)