[出発]

7月29日、まず経由地のグアムまでは中部国際空港(愛称:セントレア)発のコンチネンタル航空CS970便で向かうため、京都からの出発組5人は午前7時32分発の新幹線「のぞみ110号」東京行きに乗車すべく京都駅で集合した。名古屋駅には定刻に到着し、すぐに名鉄のホームに移動して中部国際空港行の特急に乗車した。中部国際空港には、名古屋駅からちょうど30分で到着した。

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京都駅の新幹線ホームで集合。左からJI6DUE野原さん、JF3PLF杉浦さん、JA3UWB岩本さん、JH3TXR山本さん。(海老原さん撮影)

中部国際空港に到着後、まずは先に託送しておいた9個の荷物を受け取った。その際、帰路の託送を予約しておくと10%の割引になると聞き、同じ個数の荷物の予約を入れておいた。次にチェックインのために機内荷物預けのカウンターに並んだところ、厳しい雰囲気が感じられた。海老原さんらのグループの前に並んでいた外国人夫妻が、手荷物の重量が超過した様子で、計量台の前でスーツケースを開けて内容物の移動を行ったり、そのうち何点かは機内持ち込みの手提げバッグに詰め込んだりしていた。

海老原さんらは、梱包時にしっかりと計量を行い、すべての荷物が23kgの制限重量を超過しないように調整して梱包を行っていたため全く問題なく受け取ってもらえた。荷物を預けた後は、出発まで少し時間の余裕があったため、初めて利用する中部国際空港内を見て回った。「開港から2年しか経過していなかったため、大変綺麗でした」と海老原さんは話す。早めに搭乗ゲートに行くと、まもなく搭乗案内のアナウンスが流れて搭乗が始まり、定刻よりなんと15分も早く出発した。

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セントレアでのスナップ。閑散としているのが分かる。

[グアム国際空港]

当日は晴天で、中部国際空港を出発後、海老原さんはしばらく外の景色を楽しんでいたが、すぐに海ばかりになったため、座席で映画などを見ている内に3時間少々でグアム国際空港に到着した。海老原さんはこの空港を何度も利用しているが、良い印象をもっていなかった。それは、1997年8月にマーシャル諸島へ向かう際、その前日に大韓航空のジャンボ機が墜落し多数の死傷者が出た事故現場を機中から目撃していたり、別の時には、着陸時に下降気流の影響で搭乗機が滑走路に叩きつけられ、酸素マスクが放出されるという事故寸前の状態に出会ったりしたからだった。しかし、今回はうまく着陸した。

グアムでは約4時間の乗り換え時間があったため、一旦入国審査を受けてアメリカ領内に入ったが、その際に受けたセキュリティチェックは、米国本土への入国なみに厳しいものだった。まず、海老原さんがナップサックに入れていたパソコンがX線検査機に写ったため、取り出して電源を入れる様に指示され、動作を確認された。

一眼レフカメラも実際にシャッターを切る様に指示され、さらにレンズまで外して、係官にカメラの中を確認された。レンズを外すとミラー部にほこりが入り込むので迷惑な話だったが従わざるをえなかった。また、ズボンのベルトを外し、靴を脱いで備え付けのスリッパに履き替えて椅子に座らされ、足の裏までチェックされた。これは麻薬など違法な物を隠し持っていないかのチェックと聞いた。

[川村さんと合流]

ただし海老原さんのチェックが特に厳しかった訳ではなく、グループ全員が同じようなチェックを受けた。また、チェックは厳しかったものの、特に不審がられることもなく、無事に入国ができた。空港のラウンジで成田出発のJN3JBC川村さんと合流する事になっていたため、さっそくラウンジに向かったところ、川村さんは先に到着しており、無事に合流できた。

このグアム国際空港のラウンジでは、寿司、おにぎり、丼、カレー、ラーメン、生ビールなどの日本語で書かれた看板が目立ち、前回利用したときより日本語が増えている印象を受けた。ちょうど夕食時だったため、海老原さんらは生ビールの大ジョッキとカレーライスで腹ごしらえをした。ここの大ジョッキは高さが30cm位あるアメリカンサイズの大きなジョッキだった。

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大ジョッキを持つ杉浦さん。

そうこうしている内に、チューク経由でポンペイに向かう19時40分発CS958便の搭乗時間が近づいてきた。この便は、前回マーシャル諸島のマジュロへ行った際にも利用した便で、太平洋の島々を順次回りながら、20時間ほどかけて最終的にはハワイまで行くアイランドホッパーと呼ばれる便であった。

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海老原さんらが搭乗したCS958便。

[ポンペイに到着]

グアムを離陸後、搭乗機は初めの経由地であるミクロネシア連邦のチューク国際空港に着陸した。この空港では、前回マーシャル諸島に向かった際にはなかったセキュリティチェックが行われた。抜き打ち検査の様だった。検査官から訛りのある英語で、まず中央にある通路より左側の人は荷物と一緒に右側座席に移るか機外へ出る様に言われた。その後検査官が、左側シートや頭上の荷物入れのチェックを行った。

それが終わると今度は右側の乗客を左側に移動させて、右側のシートでも同じ事を行った。チューク国際空港で下りた乗客が機内に不審物を置き去っていないかを確認している様子だった。これには30分程度を要し、海老原さんらは退屈なので夜間ではあったが一旦機外に出た。空港の駐機場所には照明が当たっていたが、その他は真っ暗だった。6人全員で、「CHUUK INTERNATIONAL AIRPORT」の看板の前まで移動し、記念撮影を行った。

チュークからポンペイまでは近いため、チュークを離陸後、機内で入国カードの記入などを行っていたところ、すぐに着陸態勢に入った。前回、ポンペイへの着陸時は滑走路を超えて停止したため、牽引車でバックさせて駐機場に入ったことを思い出したが、今回も大きなバウンドと、身体が前のシートに押し付けられるほどの急ブレーキによる荒い着陸だった。「この空港は元々着陸が難しいのかも知れません」と海老原さんは話す。ポンペイ国際空港には午前0時30分の定刻に到着したが、深夜にも関わらず空港は多くの人で混み合っていた。

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ポンペイ国際空港でのスナップ。(別の日に撮影)

[サウスパークホテルに到着]

ポンペイ国際空港に到着後、機内預けの荷物を受け取り、空港の外に出るとホテルから迎えのバンと乗用車が待っており、それらに分乗してサウスパークホテルに向かった。ホテルに到着すると、まずは受付カウンターでチェックインを行い、2人で1部屋だったので部屋割りを決めた。V63JJ海老原さんはV60DU野原さんと同室になり、その他はV60IL杉浦さんとV60TX山本さん、V60TI岩本さんとV60KL川村さんの組み合わせとなった。

エアコンが効かない部屋があったり、ベッドが1つしかない部屋などがあったりして、「ある意味で南国のおおらかさを感じました」と海老原さんは話す。もちろんすぐにフロントに連絡して対応してもらった。3室の中で杉浦さんと山本さんの部屋が一番広かったので、そこをメインシャックにし、海老原さんと野原さんの部屋をセカンドシャックとして使うことにした。なお、各部屋に設置してあったテレビではNHKが映り、毎日日本のニュースを見ることができた。

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サウスパークホテル。