[RTTYその後]

星山さんは、1999年にRTTY DXCCを受賞、その後も継続して運用し、「あまりまじめにはやっていませんが、DXCCのニューが出てくると、もちろん呼んでいます。」と話す。2004年春には、アフリカはモーリシャスの離島であるロドリゲス島へのDXペディション局・3B9CがRTTYに出てきたので、28MHzでQSOした。しかし、その直後に、使っていたTNCが壊れてしまった。

それをきっかけにパソコンソフトによるRTTY運用に切り替え、JE3HHT森さんが作った世界的にも圧倒的に普及している「MMTTY」を、SDXRAメンバーのJE2OTM鈴木さんにパソコンにインストールしてもらい、このソフトでRTTY運用を再スタートした。また、これが機会となって節子さんもRTTYを始めた。

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MMTTYのメイン画面。

[IC-7800でRTTY運用]

2005年にメインのトランシーバーをIC-7800に入れ替えてからは、IC-7800スタンドアローンでのRTTY運用を始めた。これはRTTYを運用する度にパソコンを立ち上げたり、接続したりする必要がないからである。またIC-7800の内蔵デモジュレーターは解読率が良く、並行してパソコンソフトで解読する必要も無いのが理由である。

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IC-7800のRTTYデコード画面。

星山さんは「RTTYモードでは、主としてDXペディション局をターゲットに遊んでいます。」と言うように、タイピングでのラグチューを行うのではなく、珍局を呼んでコールバックがあったらレポートを送るという運用スタイルのため、IC-7800に内蔵された8chのRTTY用メッセージメモリーを有効に活用してRTTY運用を行っている。

[パソコンの導入]

「現在は月刊59誌のRTTYコラムエディターを務めている、SDXRAメンバーのJE2UFF堀江さんが、パソコンをちゃんとチューニングするとRTTYの解読率が良くなりますよ、と教えてくれたりするのですが、どうもパソコンは苦手でして自分ではあまり触りません。もっぱらパソコンが得意な昔の職場の後輩や、ローカル局が遊びに来たときに見てもらっています。」と話す。

それでも星山さんのアマチュア無線へのパソコン導入は遅い方ではなかった。1992年頃、日本でもパケットクラスターが始まると、MS-DOSで動く東芝製のパソコンを手に入れた。そのパソコンに430MHzのFMトランシーバーとTNCを接続し、パケットクラスターノードにコネクトし、430MHzで流れてくるDX局のオンエア情報を見て、DXハンティングの参考にしていた。当初は、伊豆に開設されていたノードにコネクトしていたが、前述のJE2UFF堀江さんが島田にノードを開設したため、それ以降は島田にコネクトするようになった。

この無線を使って行われていたパケットクラスターは、今ではインターネットを使って行われるウェブクラスターに取って代わられているが、当時は、まだまだインターネットは一般には普及しておらず、UHFの音声ネットや、パケットクラスターで、生の情報を得るのが一般的だった。星山家では、どちらかというと星山さんより節子さんの方が、パケットクラスターをよく利用していたようだ。

[インターネット]

星山さんの、自宅でのインターネット接続は、1997年3月に購入したNECのパソコン(OSはウインドウズ95)で始まった。主目的はEメールによる無線情報の交換・収集である。その他、無線関係のウェブサイトにアクセスしてニュースを見たり、現在ではウェブクラスターの閲覧にも利用している。

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ウェブクラスターの一例。(DXSCAPE)

一時期、ベルギーのON4KSTが主催している160mチャットに顔を出していたこともあったが、そのようなところにログインすると、昔の仲間が、「まだ生きていたのか」などと声をかけくる。さらに、それを見ていた他の仲間も次々に出てくる。声をかけられるとキーボードで返事をしないといけないので、ワッチする時間がなくなり、結局DXハンティングどころではなくなってしまうので、「早々にチャットはやめました。」と言う。

[ログ管理等]

MS-DOSのパソコンを使用していた頃、米国製のログソフトを購入して使い始めたことがあったが、トラブルが多くて結局手書きのログに戻した。その後、OSがウインドウズになって以降、パソコンに詳しい友人らが、ハムログを始め、いろいろなログソフトをインストールしてくれたが、「ろくに使っていません」と言う。そのような理由で、星山さんは今でも業務日誌には紙ログを使用している。

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星山さんが購入した米国製のログソフト。メディアは5インチFDだった。

かつては、海外移動運用に備え、パイルアップシュミレーションソフトを使って、パソコンでのリアルタイムロギングを練習したこともあったが、使い慣れた紙ログが一番で、2度の海外運用も結局、紙ログを使用した。なお、紙ログだと自局のDXCCバンドニュー、モードニューなどの検索ができないが、星山さんは昔ながらの手書きによるチェックリストで、バンドごと、モードごとのDXCCを完璧に管理している。

一方、コンテストログについても、MS-DOSのパソコンを使用していた時代に、米国製のポピュラーなコンテスト用ロギングソフト「CT」を購入したが、コンテストそのものをやらなくなってしまったため、「実戦で使うことはありませんでした。」と話す。