[初エントリーで入賞]

1995年末からHF帯の運用を再開した郡山さんは、仕事が休みの日を中心に、自宅から電信を運用していた。再開当初は通常のQSOを行ったり、移動運用の局を呼んだりして楽しみ、時にはコンテストに参加している局を呼んでナンバー交換することもあったが、コンテストログは提出していなかった。そんな折、1996年8月のオール三重33コンテストに初めてコンテストログを提出しエントリーしてみた。

当時のオール三重33コンテストは、三重県内から運用する局、また三重県に関係する局との交信のみが有効だったため、あまり多くの局とは交信できなかったが、7、8局とナンバー交換できたので試しにエントリーしてみたのであった。数ヶ月後、主催者であるJARL三重県支部からコンテスト結果が発表されると、なんと入賞していた。このコンテストはスコア上位の入賞者に加え、33位の局にも飛び賞が与えられる。郡山さんの順位は電信部門県外個人局HFローハンド種目へのエントリー54局中ちょうど33位で、この飛び賞にあたったのである。

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33位に入賞したオール三重33コンテストの賞状。

後日、自宅に賞状が郵送されてきた。「コンテストっておもしろいなあ」と思い、その後はコンテストでの交信機会が増えていき、参加したコンテストにはできるだけログを提出するようにした。完全リタイア後は、年間数十件のコンテストに参加するまでになり、移動運用に出かけない週末は何かしらのコンテストに参加している。

[小規模コンテストにも参加]

JARL本部主催の四大コンテストなど、メジャーなコンテストではなかなか入賞できないので、郡山さんはJARLの地方本部や支部主催のコンテストはもちろん、一般クラブ主催のコンテストにも積極的に参加している。小規模なコンテストだと、同じ週末に2つ以上のコンテストが重なることもあるが、そういった場合は、郡山さんは複数のコンテストに参加し、参加したすべてのコンテストにログを提出している。

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各種参加賞。四大コンテストからローカルコンテストまで出ている。

小規模なコンテストだと参加局が少ないため、運が良ければ少ない交信局数でも入賞できるチャンスがある。こうして年間数十件のコンテストに参加し、ログを提出している郡山さんは、これまでに50〜60枚の入賞賞状を受賞している。

[ログが未着]

郡山さんは、コンテスト時のログ入力にはパソコンは使っておらず、すべて通常の紙ログに手書きで記入している。コンテストログを提出する際には、交信を記録した紙ログからコンテスト専用の紙ログに清書を行い、以前はすべて郵送でエントリーしていた。洋子夫人も参加したコンテストには、1通の封筒に2局分のコンテストログを入れて郵送していたが、何回かトラブルもあった。

オール佐賀コンテストには毎年、夫婦別々に参加しており、いつも2局分のログを1通の封筒に入れ、「2局分のログ在中」と封筒の表に明記して送っているが、ある年、郡山さんの結果だけが掲載され、洋子夫人の結果が載っていなかったことがあった。すぐに、主催者に照会したところ、ログ審査の担当者が洋子夫人のログを見落としており、迅速に訂正を入れてくれた。このとき洋子夫人の成績はダントツの1位であり、もちろん賞状も発行してくれた。

このような例は幸運であるが、結果が載っていない件を、公表された問い合わせ先に対して照会を行っても、返事すらないコンテスト主催者もあるという。「そのような時はがっかりして、もう2度と参加するまいと思いますが、翌年にはちゃんと参加してしまいます。コンテストは楽しいですから」と郡山さんは話す。

[電子ログ]

小規模なローカルコンテストでは、交信局数が多くないので、紙ログへの清書は苦ではない。しかし、JARL型式の紙ログでは1バンド1枚なので、マルチバンドで参加した際にはほとんどのログシートが余白ばかりになってしまう。郡山さんは、エコの観点から、1枚のログシートを線で仕切って、複数バンドの交信データを記入し提出することもあるという。

また最近では、紙ログでのエントリーに加え、Eメールによる電子ログでのエントリーも併用している。多くのコンテストが電子ログでの提出を認める様になってきているため、どちらかというと、電子ログでの提出比率の方が多くなっている。

郡山さんは電子ログを作る際、JARLのホームページにある「JARLコンテスト 電子ログ作成ページ」を利用している。ログファイルは別に入力して用意しておき、このページでサマリー部分を作って提出している。「E-LOG MAKERというソフトがありますが、現状ではJARL本部主催以外のコンテストへのログ提出ができなので、私は以前からある電子ログサマリー作成ページを使っています」と郡山さんは話す。

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JARLコンテスト電子ログサマリー作成ページ。(JARLホームページより)

[電子ログが未着]

しかし電子ログでもログが未着になることがあるという。「JARL本部主催のコンテストでは、電子ログを提出すると、自動的にすぐに受領のメールが返ってきます。もしこれが返ってこないとログが届いていないと判断できますので安心ですが、中小規模のコンテストでは、電子ログの提出は認めていても、自動返信に対応していないコンテストが少なくないです」、「それでも手作業で受領メールを返信してくれたり、あるいはそのコンテストのホームページにログ提出者リストを掲載してくれたりするコンテストは安心できますが、ログ受領の連絡が何もないコンテストもあります。たとえばオール九州コンテストには2年連続して泣かされました」と話す。

JARL宮崎県支部が担当だった2008年のオール九州コンテストでは、自分のログと洋子夫人のログを2通の電子メールで提出したが、結果が発表されると、郡山さんのコールサインだけ掲載され、洋子夫人のコールサインは掲載されていなかった。さらに、沖縄県支部が担当だった2009年は、2局とも結果に掲載されていなかったため、問い合わせを行ったところ、ログは2通とも届いていないという返事だった。何れの場合も、問い合わせには親切に対応してくれたが、ログが届いていないと言われては、どうすることもできなかった。「ログが届いていれば入賞できるスコアだったので残念でした」と郡山さんは話す。

[受領連絡]

何年か前、長崎県支部がオール九州コンテストの担当になった際、郡山さんもログ審査を担当したことがあった。郡山さんは紙ログの担当になったため、時間はかかったものの、問題なく審査を終えることができた。しかし、電子ログの中には、一般的なソフトでは読み取れない型式のものが何通かあり、電子ログの担当者が大変苦労していたことを知っている。「主催者の苦労を知っていますので、文句は言いませんが、電子ログの受領連絡は何らかの形で実現して欲しいと思います」と話す。

JARL長崎県支部が主催する「長崎県コンテスト」では、本年(2010年)はまだ電子ログを受け付けていないが、「時代の流れなので、将来は受け付けざるを得ないでしょうね。その際にも、受領連絡の方法を考えないといけません」と話す。