JA6FOF 郡山 勝視氏
No.15 アワード申請
[チェックリスト]
郡山さんは、ログブックは開局以来一貫して紙ログを使用しており、電子ログは使っていない。コンテストでも全部紙ログに手書きで対応している。ただし、チェックリストだけはパソコンを使い、コールサイン順に並べて入力している。そのリストを年に1回程度、定期的にプリントアウトし、それをチェックリストとして使っている。2010年6月時点で、異なる局との交信数は9000を超えている。
郡山さんのチェックリスト。
[QSLカードの整理]
2ヶ月に1度(2010年現在)、JARLのQSLビューローからQSLカードが届く。郡山さんはいつも到着したその日から整理を始めるが、まず初めにすることは、ハガキサイズ(100×148mm)より大きいQSLカードの端を切断して、ハガキサイズにすることである。「そうしないと、その後のカード整理に支障が出るためです」、「もちろんデータの部分を切り落とさないように注意して切っています」と説明する。郡山さんはFOF分とFXL分の2局分ともカードの端を切り落としているが、海外局から届くQSLカードは大きさがまちまちのため、対象外としている。
サイズが揃ったところで、まずはFXL分だけ枚数をカウントする。その次はすべてのQSLカードを交信日順に並べるが、ここも2局分のソートを郡山さんが担当している。交信日順の並び替えが完了すると、紙ログに受領チェックを入れる作業に入る。紙ログへの受領チェックは各自がそれぞれ自局の分を担当する。この作業が終わると、今度はすべてのQSLカードをコールサイン順に並び替える。ここでのソート作業も再び2局分を郡山さんが担当している。
コールサイン順に並び終えると、チェックリストに受領チェックを入れる。この作業は各自がそれぞれ自局の分を担当する。チェックリストについては、何度QSOしてQSLカードを送っても1度も返信のない局には×印を入れ、以後の発送を中止している。チェックリストへの受領チェックが終わるといよいよ各種アワードのチェックにはいる。
[アワードチェック]
アワードチェックとアワード申請は郡山さんが2局分を担当する。まずはFXL分のチェックから入り、JCC、JCG、AJA、VU-1000、町村、道の駅の各アワードのチェックを行う。ただし、JCC、JCGについては、FOF、FXL両局ともすでにWACA、WAGAが完成しているため、現在では新しくできた市郡のチェックのみとなっている。新設されたJCC800アワードは、申請の受付開始直後に2局とも申請したという。
郡山さんが受賞したWACA(全市交信賞)。
FXL分のアワードチェックが終わると、FOF分のチェックに入り、JCC、JCG、AJA、WARC-1000、町村、道の駅の各アワードのチェックを行っている。FOFとFXLで、目指すアワードが異なるのは、FXLのVU-1000に対し、FOFはWARC-1000という点である。「2局分のアワードチェックは大変ですけど、これも楽しみのうちです」と郡山さんは話す。
ここまでで2ヶ月毎のQSLカードチェックはすべて完了となり、各自が自分の収納スペースにコールサイン順で収納する。郡山さんはプラスチック製のコンテナ、洋子夫人は洋服タンスである。普通の洋服タンスではQSLカードの重量で底が抜けてしまうため、強化型のタンスを使っている。「ここまでの作業は何日もかかります。受領したQSLカードが多いときは10日以上かかることもあります」、郡山さんは話す。
JA6FXL用のQSLカード収納タンス。
「アワード申請」
1つ上の申請レベルをクリアしたアワードについては、追加申請を行うが、アワード申請も郡山さんが2局分を担当している。郡山さんが2010年現在、一番力を入れているアワードはAJAである。「最近はなかなか増えません。移動運用に出かけても呼んでもらえるのは同じ局ばかりです。2ヶ月毎のカード転送で50ポイント増えたらいい方です」と話す。現在約9900ポイントに達しているため、今年(2010年)中にAJA-10000を申請することを目標にしているという。
ちなみにこの9900ポイントはすべて電信による交信で、電話による交信は別のAJA申請書でチェックしているが、郡山さんは電話にはアクティブでないので、ポイントは少ない。「1.9MHzはあまり飛びませんが、ロングワイヤーでボチボチは出ています」、「18MHzと24MHzのポイントが少ないのでがんばらないといけません」と話す。
郡山さんのAJA(All Japan Award)。
なお、AJAについても、道の駅の移動と同様に、移動先で洋子夫人と交信することは敢えてしなかった。理由は、「他局と交信するのが楽しいから移動運用を行っている」、「トップを狙っている訳ではないので、そこまでしてポイントをアップしようとは思わない」、「その移動先で、本当に2局間で交信したのか疑いをもたれるのも困るから」と説明する。道の駅との交信もすでに700駅を超え、ポイント増加のペースが鈍化している。町村は残りあと3つになっているが、「電話で頼むこともしませんし、運用中にJクラスターは見ていませんので、なかなか減りません」と話す。
[V/UHF]
郡山さんは、洋子夫人が取り組んでいるVU-1000アワードには挑戦していない。長崎近辺ではV/UHFでCWに出ている局が非常に少なく、夏場の50MHzを除くと全然ポイントが増えないからだと説明する。「そのため、VU-1000だけ取得した後は、カウントを止めてしまいました」と話す。
郡山さんは止めてしまったが、洋子夫人は継続してチャレンジしており、すでにVU-4000まで申請済みで、ポイントは約5500持っている。V/UHFはHFと比べて飛ばないものの、特にFMモードでのオンエア人口は多い。そのため、地方に移動運用に行ったときなど、洋子夫人は走行中に144MHz、430MHzのFMモードでオンエアしている。「東北を回ったときは、かなりポイントを増やしたようです」と話す。6000ポイントに達したら申請する予定になっている。
[目標アワード]
郡山さんは新たに狙っているアワードとして、2010年4月1日に始まった「WAKU」を挙げる。このアワードは2010年4月1日以降の交信が有効なため、アマチュア無線歴には関係なく、よーいドンで発行が始まった新しいアワードで、全国の政令指定都市にある全170区(2010年4月1日時点)との交信で獲得できる。「WACA、WAGAは数が多いので約10年かかりましたが、WAKUは2年を目処に何とか完成したいです」と郡山さんは話す。
郡山さんが受賞したWAGA(全郡交信賞)。
その他、WARCアワードはWARC-3000まで申請済みで、現在約3600ポイントまで進んでいる。「10MHzではアクティブに出ているほとんどの局とQSO済みだと思いますが、コンディションが上がって18MHz、24MHzが開くようになればまだまだ増えますので、まずはWARC-4000のクリアを目指しています」と郡山さんは話す。
[QSLカードの発送]
郡山さんは、同一バンド、同一モードで2回目のQSOだろうが、3回目のQSOだろうが全てのQSOに対してQSLカードを発行している。「パソコンを導入していないので、調べるのが面倒だからです」と理由を説明する。
QSLカードをJARLのQSLビューローに送る際は、2局分を全部ひとまとめにして、規定されたとおりに並べ替えている。まずはエリア毎に分け、次にプリフィックス順、最後にサフィックスという順である。並べ替えた後は、2人分をまとめて発送している。「1000枚を超えると並び替えが特に大変ですので、あまり貯めないようにしています」と話す。