1.はじめに

私事で恐縮ですが、実は2018年3月に局免を切らせてしまいました。新スプリアス問題があり、再免許申請をどうしようかと思案していたのですが、ふと気が付くと時間切れアウトでした。このような時間は、本当にあっという間に過ぎてしまいます。

その頃、仙台で行われた「東北復興アマチュア無線フェスティバル」に行ったところ、IC-7300Sが思っていたよりも入手しやすかったため、これに6台の自作機を付けて開局申請をする作戦を急遽考えました。ほぼ100%思い付きです。もちろん「旧コール希望」です。このIC-7300に限らず50WのMタイプが販売のメインのようで、10WのSタイプは会場に持ち込んでおらず別途送付という事になりました。購入ため日曜日というのにコンビニを探して貯金を下ろす事になり、地下鉄ひと駅分を往復してしまいました。「まるで振込め詐欺」と苦笑いしながら、ATMを探した次第です。

このIC-7300SはHF10Wで50MHz20Wというものです。本業で300kW送信機を扱っている私にとって、電力の大きい送信機はあまり見たくありません。10Wでも十分過ぎる出力ですのでSタイプが良いのです。別売で専用電源もありますが、50Wや100Wと共用の25Aですので、相当なオーバースペックに思えてしまいます。そこでSタイプ用の10A電源を写真1のように作りました。

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写真1 このような10Aの電源です。

2.考え方

13.8Vで10Aの電源ですので、トランスを使ったのでは明らかに重くなり過ぎです。そこでノイズに対する影響を試す事も含めて、スイッチング電源のユニットを使ってみる事にしました。もちろん、50WのIC-7300Mや100WのIC-7300の場合では、この程度の電源では済みません。専用の電源を購入した方が早いと思います。

単なる電源だけでは面白くありませんので、出力を監視する電圧計と電流計を付けました。しかしアナログのメータでは少々面白味に欠けます。市販のデジタル電圧計、電流計もありますが、これでも面白くありません。そこでCPUを使って自作する事で、普通の電圧と電流の他に、最小と最大のピーク表示をするようにしました。小型の電源ではあまり意味は無いと思いますが、この規模の電源なら多少の意味はあるように思います。というよりも最初に「面白そう」という感覚があります。

3.ノイズ測定

スイッチング電源のノイズ問題ですが、これは試してみるしかありません。電源は秋月電子で購入したTDKラムダのRWS150B-12です。150Wで12Vですが、仕様によると150Wより少し多めの13A流せる事になっています。

まず最初に、この電源の出力にスペアナを接続してノイズを確認してみました。コンデンサで直流はカットし、12dBの保護用アッテネータを入れています。無負荷で0~50MHzは、測定結果1のようになりました。0~1MHzは測定結果2のように、スイッチングの影響が見られました。No.135の電子負荷を使って3A電流を流して0~50MHzみると、測定結果3のように悪化しました。この電子負荷は60Wまでですので10Aは流せません。但し、このように見えるからNGと言えるものではなく、良いと言えるものでもありません。あまり良くないみたいだ・・で終わりです。これでは判断ができません。

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測定結果1 実験段階で無負荷の0~50MHzを見たものです。(※クリックすると画像が拡大します。)

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測定結果2 実験段階で無負荷の0~1MHzを見たものです。(※クリックすると画像が拡大します。)

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測定結果3 実験段階で3A流した状態の0~50MHzを見たものです。(※クリックすると画像が拡大します。)

仮配線でIC-7300Sに接続して受信状態を確認してみました。AC100V側には手持ちにあったノイズフィルタを入れてありますが、出力側はスルーで直結です。この状態で短波帯にノイズの影響は感じませんでした。中波帯には120kHz間隔でノイズを受信しました。このように受信した印象としては、測定結果2とは相違があります。こんな品質の電源でノイズが聞こえないのは、内部で対策を行っているのでしょうか。少なくともHF帯や50MHz帯では全くノイズが聞こえませんでした。もちろん受信ですので、最大で10A消費する送信への影響は別です。どうやら使えるのでは?と感じた次第です。

4.回路

図1のような回路になりました。12Vの電源ユニットですので、トランシーバにとっては少々電圧が低めです。IC-7300の取説には13.8Vで±15%となっていますので、11.73~15.87Vの範囲で使えるはずです。ところがダミーで試してみると、トランシーバまでの間で電圧のドロップを生じ、実際には12V設定で10Wは出せませんでした。仮配線でしたので、ワイヤーの長さや接続のまずさもあるのでしょう。10W出すつもりはないとしても、これでは実験になりません。そこで電源ユニットの半固VRを調整し、トランシーバの中心電圧の13.8Vに合わせました。電源ユニットの出力電圧は10.8~13.8Vがスペックですので問題ありません。電流容量が下がるとは記述にはありませんが、150Wとしても11.3Aですので問題ありません。ただ、電圧は電源ユニットの上限ギリギリに設定するのではなく、多少低めの方が良いのかもしれません。

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図1 全体の回路図です。(※クリックすると画像が拡大します。)

ヒューズは出力には10A、入力には5Aを入れています。データシートによると、入力には5Aのタイムラグヒューズと指定されています。それに合わせています。

電圧計と電流計はCPUにAVRを用い、LCDに表示しました。電流計の作り方で思案していたのですが、秋月電子にホール素子を使った電流センサー用ICのACS711を見つけました。これを試してみる事にしました。写真2は12A用のACS711と、同時に購入した30A用のACS712です。30A用は、ここでは使いません。写真3のように袋から出してみるとICの表示が極めて見難いです。このICは12Aまで測る事ができますし、入る抵抗は1.2mΩですので10Aでのドロップは12mVで済みます。コネクタでのドロップの方が大きそうです。そこで、このICの出力をAVRでA/D変換し、LCDに表示する事にしました。これらのICは末尾の数字で電流値が決まりますので、注意が必要です。

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写真2 購入したACS711とACS712です。

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写真3 袋から出してしまうと、もう読めない・・

電流はセンサー用ICがマイナスまで測れますので、ゼロ点の調整が必要となります。最初はソフトでゼロ点を調整していたのですが、この方法ではそのたびにソフトの修正が必要になってしまいます。そこで自在に使えるように、半固VRを使って調整をする事にしました。別のA/D変換のポート(ADC7)に半固VRで電圧を加え、その値を仮想のゼロ点としてソフトで引き算をしています。

写真4が実験中の様子です。AC100Vを扱いますので、No.127の実験用サーキットブレーカ盤を使っています。

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写真4 実験中の様子です。

5.部品

普通トランシーバ等を作る時には、あまり買い物をしません。ほとんどの部品は手持ちにあるからです。しかし今回は、私にとってレアな部品や工具類が多く準備に時間がかかってしまいました。

まず赤黒の電源ケーブルですが、付属のものはAWG12のようです。JIS規格では3.3sqとなります。さすがに25A用で、条件もありますが35A程度は流せるようです。しかし10Aで済むSタイプにはゴツ過ぎと思い、多少細いケーブルで作り直す事としました。Sタイプは最大10Aなので1.25sqで使えるはずです。しかし、オヤイデ電線で安全を考えると2sqが良いと言われ、結局は2sqを購入しました。確かにノイズフィルタとしてフェライトコアに巻いたりするかもしれないので、余裕があった方が良いのでしょう。結果的に巻いています。

電源コードに伴い写真5の電源コネクタを日本圧着端子製造(株)(JST)のサイトで購入しました。これらの型番を表1に示します。アイコム社に問い合わせたものです。付属のケーブルには写真6のようにカバーがあるのですが、これはJSTではなく別会社(品川商工)のもののようです。調べると購入が1000個単位なので、さすがにこれは諦めました。このようにして作った電源ケーブルが写真7になります。付属の電源ケーブルは赤黒をそれぞれ分割し、コネクタの4接点を使ってトランシーバ本体と接続しています。最初は同じようにしようとしたのですが、電流のバランスを上手く取る必要があり、また1接点でも20Aまで使える事が解りました。そこで、分割はせずにコネクタは2接点で使うようにしました。もしかすると、4Pではなく2Pのコネクタを使うべきなのかもしれません。25Aでは赤黒を付属のケーブルのように、それぞれ分割する必要があるようです。IC-7300の取説には「警告」があり、「指定以外のDC電源ケーブルを使用しない」とありますので、全て自己責任でお願いします。

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写真5 JSTのサイトより購入したIC-7300用の電源コネクタです。

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表1 電源コードの部品です。(※クリックすると画像が拡大します。)

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写真6 付属のケーブルには、このようなカバーがあります。

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写真7 作った10A用の電源ケーブルです。

AWGやsqの規格はもちろん、圧着端子と工具の使い方は100%理解して下さい。電流に合った線材、線材に合った端子、端子に合った工具、これらを良く理解する必要があります。私の場合、家ではやらない種類の工作ですが、会社ではこのような部分も鍛えていますので問題はありませんでした。

ケースは写真8のようなリードのDC-1450Aにしました。これもレアなケースのようで店頭では購入できず、マルツの通販で購入しました。上下共に放熱用の穴があるケースで、このような用途には最適と思います。

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写真8 ケースはリードのDC-1450Aを使いました。

また、入手し難かったのがアース用の端子です。これは保安用として、電源のマイナス端子とは分離しています。ラジオセンターの2階でやっと見つけたのが写真9です。オーディオ用の金メッキでしたが、これしか見つかりませんでした。普段使わない写真10の端子台とか、写真11の電工ペンチなども新たに仕入れました。写真12はホームセンターで購入した圧着端子、端子カバー、配線用の2sqの線材です。このような部品等を少しずつ集める必要があり、本格的に作り始めるまでの準備に1か月を要しました。

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写真9 やっと見つけたアース用の端子です。

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写真10 このような端子台を用いました。向かい合った端子間が接続されています。

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写真11 新たに仕入れた電工ペンチです。裸端子用と絶縁端子用がありますので注意して下さい。

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写真12 ホームセンターで仕入れた部品です。

6.作製

電子工作としては、AVRを使った電流計と電圧計の基板だけです。図2のような実装図を始めに作成し、ハンダ付けはその後です。部品さえ集まれば、それほどの工作ではありません。この中で問題なのが、ICに10Aを入出力させる方法になります。変換基板を使って、ICソケットに10Aを通すわけには行きません。そこで、写真13のようにGND用ラグ端子をニッパで加工して使う事にしました。写真14はICをDIP化基板に載せて、入出力だけは加工をしたラグ端子にハンダ付けしたものです。もちろん、高さも間隔もICソケットと端子台に合うようにしています。他に接触しないように、十分に注意をします。1,2ピンが電流の入力で、3,4ピンが出力側になります。電流の流れる部分は、充分に接触するように位置を決めています。多少の高さのズレはラグ端子を曲げて吸収しました。このようにして、ICの入出力をダイレクトに端子台にネジ止めしました。これはICの足に不要なテンションを加えないためでもあります。基板外からのテンションは全て端子台が受けてくれます。2sqのワイヤーを直接ICにハンダ付けしても良いと思いますが、間隔が必要となるため同じ基板上に端子台が乗せ難くなります。DIPタイプへの変換基板は2種類ありますが、端子が接触し難いようなタイプを選びました。秋月電子で購入したものです。このようにして写真15の基板を作りました。

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図2 基板の実装図です。(※クリックすると画像が拡大します。)

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写真13 GND用ラグ端子を右側のようにカットし、ICの足に直付けする準備をします。

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写真14 DIP化基板に載せて、入出力端子は直付けです。

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写真15 作った基板です。

電圧計、電流計にはAVRを使っていますので、この電源に5Vが必要です。スイッチング電源出力の13.8Vに5Vの78L05を安易に使って実験していましたが、途中で昇天してしまいました。後から消費電流を測ると53mAでした。電圧の差が13.8-5=8.8Vですから、53mAを掛け算しますと470mWがここで熱になる事になります。150Wからすると誤差のような電力ですが、78L05にとってはギリギリの状態です。最近入手したメーカ不明のレギュレータICですので、破損しても不思議ではないのでしょう。ここは1A用の7805に変更しました。ほんのり暖かくなる程度となりました。放熱の必要もありません。しかし、トラブル防止のためには78L05を用い、入力に抵抗を入れておく方が良いのでしょう。

基板を作った後も写真16のように仮組みを行い、動作確認をしました。ここでトラブっていると先に進めません。とは言え、ここでAVRのA/Dコンバータへの入力を間違えてしまい、電圧と電流を逆にしてしまいました。当然表示がおかしくなりましたが、一番簡単な方法、つまりソフトでピンを入れ替えて解決しました。もちろん図1も図2も修正済みです。

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写真16 再度仮組をして動作チェックです。

ケース内の位置決めを写真17のように行いました。AC100V用のノイズフィルタがありましたので、写真18のようにケースの裏パネルに付ける事にしました。このままでは入らないので、この後でフィルタの上下を多少削りました。ただ、AC100V側から外へ出るノイズについては、全く検証も何もしていません。手持ちに良さそうなフィルタがあっただけで、効果や必要性は良く解りません。スペースができた事と、保険という以外にはありません。ケースの穴あけは写真19のように行いました。このケースは上下ともに放熱用の穴が開いています。部品の取り付け用の穴は、ヤスリを使って写真20のように加工しました。これは結構面倒で、普通にドリルで開ける方がずっと簡単です。また位置決めも、放熱穴と放熱穴の中央にならないように位置の調整をしました。LCDは写真21のように、延長用のコードを作りました。露出部分でショートしないように、エポキシ系の接着剤で絶縁しています。またテンションが集中しないように、結束バンドとホットボンドで動かないようにしています。

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写真17 ケース内の位置決めを行います。

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写真18 AC100V側のフィルタは裏面のパネルに付ける事としました。

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写真19 ケースの穴あけを行ったところです。

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写真20 部品取り付け用の穴の処理です。

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写真21 LCDはこのように取り付けました。

このように各部品をネジ止めし、配線を行って写真22のように完成となりました。もちろん何回も後戻りをして修正の嵐もありました。写真23のように表示をテプラでしています。写真24が裏面の様子です。写真25が基板の様子です。右側の端子台との間隔が足りず、端子を取り出すのに苦労しています。もう少し離すべきでした。写真26は最後のスペースに押し込んだ出力のノイズフィルタです。FT114#43に5回巻いています。これを収めたところが写真27です。このスペースを生み出すために端子台を基板側に寄せたのですが、結果的にノイズフィルタ側には余裕がありました。これは作って配線しないと解り難い事でもあります。

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写真22 完成した内部の様子です。

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写真23 前からの様子です。

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写真24 リアパネルからの様子です。

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写真25 基板の配線の様子です。右側の端子台に出力のケーブルがネジ止めしてあります。

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写真26 出力に入れたノイズフィルタです。

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写真27 何とか収めたところです。

端子台を基板の外に設けたのは、電源コードの交換を考えての事です。もう少しコードを長くしたいとか、出力のフィルタを交換したい等のメンテ時に容易に作業ができるように、と考えています。

7.ソフト

CPUにはAVRのATtiny861Aを使っています。元になったのはNo.91の電圧計で、BASCOM AVRを使ってソフトを書いています。下手なソフトですが以下に置きますので参考にして下さい。

ソフトダウンロード

ソフトではA/D変換をして500回の測定を行い、その中で電圧と電流の平均値を表示します。電圧と電流のピーク値は、それを4セット、つまり2000回測定した時に表示するようにしました。最初は1500回で平均とピークの両方を表示していました。この時の感覚だけですが、ピーク値はもう少し遅く、平均はもっと速くしたいと感じたため、このように変更しました。そもそも直流電源ですので、このような平均とかピークの定義は何もないと思います。これ以上は深く追求していません。

ところで、センサーICの出力するノイズのため、ピーク測定は値が0.1ほど上下します。ここでマイナス値が出てしまうと小数点の位置が移動してしまい、極めて見難くなります。そこで、あり得ない値という事で、強制的に0.0表示にしています。もっと上手い方法はあるのかもしれません。

なお、PCの環境はWINDOWS XPで、BASCOM AVRの製品版 VER.1.11.9.8を使ってコンパイルしています。書き込みはAVR ISPmkII ですが、基板のISP端子との接続には自作の変換ケーブルを使っています。これ以外の環境についての確認はしていません。

8.使用感

写真28が受信をしている様子です。デジカメのモードをアートにしたところ、LCD表示と全体が上手い具合に表現できました。どのような処理か解りませんが、全体的に雰囲気が違って見えます。

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写真28 IC-7300Sに接続して受信しているところです。

IC-7300Sのスペックによると、受信待ち受けでは0.9Aで、音量最大時は1.25Aの消費電流となっています。そこで最初は2.5Aの実験用電源に接続して試してみました。ところが、電源が瞬間的に落ちてしまい立ち上がりません。そこで6Aの電源にしたところ受信できるようになりました。作製後の本機で立ち上がり時の電流を観測すると、瞬間的には10Aも流れる事が解りました。そのため、10A以上の電源を使用するように指定してあるのでしょう。

電源として組み立てて使ってみても、受信時のノイズはほとんど気になりません。もちろん使いこなすのはこれからですので、この先感想が変わらない保証はありません。一応フェライトコアによるノイズフィルタを追加しましたので、作製前と同様にスペアナでノイズを測ってみました。測定結果4が無負荷時の0~50MHzです。どうして4MHz付近のノイズが測定結果1より悪化するのか不明です。測定結果5が0~1MHzになります。これは「くし」が測定結果2よりも減っています。測定結果6が3A流した時の0~50MHzです。ノイズが測定結果3よりも減っています。これらの減少はノイズフィルタの成果と思いたいところです。測定結果7は作業前にはありませんが、3A流した時の0~1MHzです。この結果を見ながら、受信しながらノイズを探してみると、0~120kHzについては測定結果7と同じ周波数でビート音が受信できました。しかし、それ以外については見つかりませんでした。もちろん電流も違うので何とも言えないところです。CWで10Wを出した時にスプリアスを測ってみました。測定結果8のように影響は全く見られません。くどいようですが、まだ使いこなしているわけではありません。

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測定結果4 完成後に無負荷の0~50MHzを見たものです。条件は測定結果1と同じです。(※クリックすると画像が拡大します。)

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測定結果5 完成後に無負荷の0~1MHzを見たものです。条件は測定結果2と同じです。(※クリックすると画像が拡大します。)

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測定結果6 完成後に3A流した状態の0~50MHzを見たものです。条件は測定結果3と同じです。(※クリックすると画像が拡大します。)

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測定結果7 完成後に3A流した状態の0~1MHzを見たものです。(※クリックすると画像が拡大します。)

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測定結果8 7MHzのCWで10W出した時のスペクトラムです。(※クリックすると画像が拡大します。)

電源としては電圧と電流の表示が合わせて6個ありますので、目まぐるしく変化します。もう私には同時に読めません。SSBの送信時はピークと平均での電流差が解り面白いです。これはアナログのメータでは絶対に解りません。但し欠点としてセンサーの出すノイズ問題があります。このピークを取るのですから、負荷が無く明らかに0Aの時でも0.1Aを表示したりします。ICの出力にCRのフィルタを入れると改善はするのですが、ピーク値も下がってしまいます。そこで、ノイズを減らすよりもピーク値の測定を優先する事としました。もう少し検討が必要かもしれません。そもそも、電圧にピーク測定は不要なのかもしれません。それでも電源ON時の10A流れる瞬間は12.0Vまで下がるのが解ります。そのような意味で、いろいろ見えて面白いと思い納得しています。