Onlineとーきんぐ
No.186 「米国ライセンスの更新を済ませて」
2006年3月31日に取得した米国のライセンスNV1Jが有効期限(2016年3月31日)を迎えます。90日前からULS(Universal Licensing System)にLOG INして更新の手続きができることになっています。
http://wireless.fcc.gov/uls/index.htm?job=home
10年前の2005年12月3日、ゼネラル級に合格してKE7FSSを取得、続いて2006年3月4日、アマチュア・エクストラ級に合格し、3月31日にNV1Jを取得した経緯をOnlineとーきんぐNo.65「FCC アマチュア・ライセンスに挑戦!」とNo.67「目指せバニティコール!」(2006年3月4日)に書きました。
本格的な運用はKH2/NV1J による2008年10月30日~11月4日の5日間、「レオパレス・リゾートグアム」に泊まってPalm Tree DX Club (WH2DX) レンタルシャックから1.5kWで運用してJAとEU方面のパイルアップを浴びたのがハイライトで、ほかに特筆すべき運用歴がありません。その間、ボランティア・エグザミナー(VE:Volunteer Examiner)としてARRL/VEC東京の試験などに35回参加しました。
KH2・NV1J Palm Tree DX Club (WH2DX) レンタルシャックから1.5kWで運用しました
NV1Jの更新
ULSオンラインシステムにLOG INしてFRN※とパスワードを入力、所定の手続きを進めました。ライセンスマネジャーが[Saved 01/04/2016]となり、翌日にはFCC Application Grant OR Official FCC Licenseからメールを受け取りました。それにしてもバニティの更新料等の支払いが求められない不安が残ります。
※受験に際して、FRN(FCC Registration Number)の取得が必要です。ここで取得したFRN番号(001で始まる10桁の数字)で従事者免許人は管理されることになります。
写真1 ULSのホーム
写真2 LOG INするとFRナンバーとパスワードを入力
写真3 コールサイン、米国のアドレスが表示される
写真4 紙ライセンスの郵送を希望するかの問いに「ノー」
写真5 「ノー」のままで続けた
NV1Jを取得して10年、免許更新を済ませました。紙の免許状がなくなったことに加えて、免許更新料とバニティコールサインの手数料もなくなりました。徴収等の収入が割に合わなくなったか、さまざまな理由から免許事務の簡素化を図ったものと推察します。ULSからライセンスの印刷ができましたし、ライセンスの携帯が不要になるなど布石を打ってきたFCC(連邦通信委員会)が、英断を下したと理解しています。2016年1月4日、NV1Jの新しいライセンス(2026年3月31日)が更新されました。
友人のメール
友人から「更新手続き」について懇切丁寧な説明をいただきましたので、ここに紹介しておきます。
FCCのUniversal Licensing SystemのページでONLINE FILING"の"LOG IN"する。
"FCC Registration Number" のボックスにFRN
"Password"のボックスに FRN登録時のハードコピーに記されているパスワードを入力 し"SUBMIT"
License Managerのページへ
License Managerページの左側の"Set Paper Authorization Preferences"
Receive Paper Authorizations? "を"NO"にチェックして"SAVE"をクリックすると免許状は郵送されない。
License Managerの "Begin the renewal process"や、右のWork on this License欄に"Renew"があれば更新可能
Begin the renewal processクリック。
CONTINUEをクリック。
Applicant Questions"では
Is the applicant exempt from FCC application fees?
Is the applicant exempt from FCC regulatory fees?
に対し"No"のままで
CONTINUEをクリック
Summaryの画面が出て Total Fees $○○○○ と出る予定でしたが、No application or requlatory fees are required と出てしまった。また、Vanity コールサインの更新手続きには後で手数料を納めなければならないはずなのに、"CONTINUE TO CERTIFY"まで進めない。 Certificationの画面でFirst、 Lastボックスに名、姓を入力SUBMIT APPLICATIONをクリックした。Confirmationの 画面で "Print Application"で 更新申請が既定書式(Form 605) PDFで出るので印刷した。
一日おいて、ULSにサインインすると、下記のアナウンスあり。
Please be advised, you have 30 days to complete your saved application after which time it will be removed from the system.
30日以内に何かしらのアプローチがあるのでしょうか?
友人から「検証のお願い」
1月5日、authorizations@fcc.govから受け取ったメールの中にある[Authorization Link]をクリックするとファイルの ダウンロードが始まります。エクスプローラからダウンロードを選び、更新日時から「今日」を選び、ファイルをダブルクリックすると新しい免許状が出てきます。満了日が2026年3月31日になっていることを確認します。バニティ手数料がなしのまま更新を済ませてしまいましたが、ARRLニュースで手数料を徴収しないという記事を見たような記憶がありますので、知らなかったのは筆者だけかもしれません。
写真6 FCC当局から受け取ったメール
写真7 リンクをクリックすると新しいライセンスがプリントできました
新しいライセンスの発給
Kさん「いやぁ、仰せの通りになりました」申請料なし、バニティの手数料を払わず、新しいライセンスが発給されました。私もARRLのニュースで手数料を徴収しないという記事を見たような記憶があります。しかしながら、電波という国家資源を私用にし、FCCのサービスを受けているのですから、その対価を支払わないと気持ちが悪い感じがします。ある程度の合理的な対価を請求されるほうが安心して電波を使えます。アマチュアは非常通信の責任があるのか、それとも対価を徴収するコストの方が高いのか?前者の場合だと美しい解釈をし過ぎでしょうか。私も無事に更新終わりました。
あとがき
FCC Application Grant OR Official FCC License(FCCアプリケーション許可または公式のライセンス)を受け取り、ようやくライセンスの更新を実感したようなところがあります。2016年初頭の更新の進め方は、これまでとすっかり変わっていました。難解な英語に悩みながらULSに取り組めたのも、これまでにネット上に上がった体験レポートと友人の助言によるところが大きいと考えています。米国のULSは進化のスピードが速く、今回の報告がいつまで続くかわかりませんが、とりあえず現況をまとめておきました。