ARRL/VECのVE、ボランティア・エグザミナー(Volunteer Examiner)を始めて、まもなく10年の満了日を迎えます。そのためにARRL/VECのアシスタントマネジャーWY1Oグリーン氏にメールを出して更新ステッカーの申請を行いました。グリーン氏から「3週間程度で送る」と連絡してきましたが、有効期限までに届いた人、届かない人いろいろな事例をVE仲間から聞いていますので、気長に待ちたいと思っています。

ボランティア・エグザミナー

ところで一般的にVEを「試験官」と呼びますが、試験官の「官」には行政府の職員や官職としての行政官、警察官などの官吏を指すために、自由意思に基づいて自発的に無報酬で社会活動を行う人を「官」と呼んで(訳して)いいのか調べてみました。デイリーコンサイス英和辞典(三省堂)にExaminer=試験官、検査人、審査官とあり、シニア英英辞典(旺文社)には試験官、審査官とありました。また、デジタル大辞泉によると試験官とは「試験の実施を直接に担当する人。試験の立ち会い、監督あるいは受験者との面接などを行う。」と解説していて官職のあるなしを区別していません。訳語の使用が難しいので、ここではカタカナ語の「ボランティア・エグザミナー」あるいは略称の「VE」を使うことにしました。

ARRL/VECとは

VECはVolunteer Examiner Coordinatorの頭文字でARRLボランティア・エグザミナー調整者、つまりFCC(連邦通信員会)とエグザミナーを取り持つ調整組織の一つがARRL/VECとなります。VECの組織が認定ボランティア・エグザミナーを監督し、試験の申請者とFCCの間の連絡役として機能します。全米的なARRL VEC、W5YI VECなどいくつかのVECがありますが、日本ではARRL/VEC東京VEチーム、ARRL/VEC名古屋VEチームなどが定期的に試験を開いています。不定期に開催するチームについては、ARRL Exam Session Searchで調べることができます。

VEなって10年

ARRL/VECの東京VEチームに参加した回数が35回になりました。年間3.5回の計算ですから多い方ではありません。参加した試験の内訳は東京チームに31回(台北市2回を含む)、立川市VEチーム2回、フリードリヒスハーフェン国際チーム2回です。ARRL VE Session CountはARRLのSelect State/Regionにアクセスして米国内の住所のある州を選択すると、セッション・カウントが表示されます。

http://www.arrl.org/arrlvec/veparti.php?state=Non-US

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VE ID(VE証)

VE証の更新

VE証はARRL/VECに申請して取得します。有効期間は10年ですから満了前にNV1Jの免許を更新(2026年3月31日)した上で、ARRL/VECにVE証の更新を申請します。VE証の更新は自動的に行われるという話も聞きますが、一方ではARRL/VECに催促して有効期間満了日に間に合わなかった方もおられますので、こちらから先手を打つことにしました。

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NV1Jの新しいライセンスの一部

更新の手続きはARRL/VECボランティア・エグザミナー・マニュアルの14頁にreaccreditation-ARRL/VEC Credentials Expireの記載に基づきます。VE MANUAL PDF をARRL/VEC(vec@arrl.org)に米国のコールサインと送り先(名前、住所)と日本のコールサイン(念のため)を記載しました。メール本文には ①現在所持するVE証 ②更新されたNV1Jのライセンスを添付して1月13日に送信しました。

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VEマニュアル(9thエディション)

翌14日、Assistant VEC ManagerのPerry Green氏, WY1Oから「3週間程度で更新ステッカーを送る。」と返信がありました。しかし7週間待っても更新ステッカーが届かないので、3月2日に催促メールを送ると翌日にはGreen氏から返信がありました。「ARRL内部でいくつかの問題が発生しているため日本への発送が遅れています。いましばらく待つように。」という内容でした。東京VEチームの次回試験日は4月23日(土)と発表されていますので、それまでには届くと思っています。

ARRL VEサプライ(補給品)

ARRL/VECは「VEマニュアル」のような必需品のほかに、VEのやる気を起こさせる、あるいは気持ちを引き立てる多彩なサプライを用意していますので、ここに紹介しておきます。

http://www.arrl.org/shop/Volunteer-Examiner-VE

VEパッチ(丸形) 直径90㎜の丸形パッチ。パッチは「つぎはぎ用のあて布」の意味なので、日本ではワッペンと考えた方が分かりやすく、ブレザーやジャンパーの腕・胸や帽子などにつける紋章風の模様を縫い取りして使います。値段はUS5ドル。

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VEパッチ(丸形)

VEパッチ(長方形) 65×22(㎜)のパッチです。ブレザーやジャンパーの腕・胸や帽子などに付けます。US2ドル。

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VEパッチ(長方形)

VE書類入れ VE Zippered Portfolioといい、38.5×29㎝の持ち手提げ書類入れです。ジッパーを閉めると中に入れた書類が安全です。帆布のような生地にEXAMSを大きくデザインした書類入れはVEの必携アイテムです。US7.95ドル。

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VE書類入れ

VEポロシャツ 胸にARRLのダイヤモンドマークとVEが白色でプリントされた黒地のポロシャツです。サイズはS、M、L、XL・・・4XLまでありますが、日本のXLが米国Mと同じと考えなければサイズ選びに失敗しますので注意が必要です。US22.95ドル。

VEピン 黒地に金色でARRL VECをデザインしたバッジです。US6ドル。

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VEピン

VEチャレンジ・コイン 約3.8㎝の真鍮製のコインです。まわりにARRLの4つの柱「公共サービス、権利擁護、教育、技術と会員」が印字された格調高いコインです。チャレンジ・コインは、一般的に警察、消防の職員を含め、軍事、公務員組織の中で発行されます。これらの記念品は、多くの場合、特別な機会を記念して、または特定のサービスまたは組織のために誇りと忠誠を示すために使用されます。US9.95ドル。

VE ID バッジひもかけ VE証(IDバッチ)を首から吊るすひもかけに "ARRL Volunteer Examiner" がプリントされています。US2.95ドル。

ロールバインダー Amateur Radio Volunteerのロゴが誇らしいロールバインダー。デイトンハムベンションのARRL/VEC を訪ねた時に、同マネジャーのAB1FMからいただいたボールペン付きのロールバインダーです。(非売品)

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VEロールバインダー

あとがき

この記事を書いている3月上旬の時点では、更新ステッカーが届いていません。VE証の有効期日の3月31日までに届くとよいのですが、万が一届かない時は電話VEC Hotline: 1-800-927-7583が効果的かもしれないと思っています。それにしてもARRL/VECの行き届いた多彩なサプライに感心するともに、VEをバックアップする様々な仕掛けに感心しました。