暑い夏と共にやってくるJASTA(Japan Amateur SSTV Association)日本アマチュアSSTV協会主催の「SSTVアクティビティー・コンテスト」が8月1日から31日までの1ヶ月間続けられ、14MHz帯から上のバンドで顔写真入の画像とコンテストナンバーの交換を行い、ポイント獲得の暑い一ヶ月を過ごすことになります。 HF帯の14.230MHz、21.340MHz、28.640MHz付近は国内QSOで朝からSSTVの電波が行き交い連日とてもにぎやかになります。このコンテストにあわせて日本から南の島に出かけて珍しいエンティティをサービスしてくれる方もおられて興味が尽きません。また朝の北米、オセアニア方面、夕方から深夜に掛けてのヨーロッパ方面、そしてコンディションがめまぐるしく変わる国内にターゲットを次々と変えながら、マラソンさながらの長丁場を走り抜けるのも暑気払いには打ってつけでしょう。

顔写真の貼り付けがルール

このコンテストを際立たせているのは、送信画像にオペレーターの顔写真の貼り付けを義務付けているルールにあります。SSTVの特徴を生かして互いに顔を見ながら交信しようという趣向です。シャックの写真に顔写真を貼り付けて送信画像とすることが多いために、SSTVer同士の親近感をいっそう増す効果もあります。送信画像には顔写真のほかにコンテストナンバーを挿入する決まりになっています。 RSV+001から始まる3桁の数字です。Rは了解度(1~5) Sは信号強度(1~9) Vはビジュアル(1~5)ですから、最高の評価は595となります。8月の後半には、トップを争う上位陣が1,000QSOを超えて4桁のコンテストナンバーに突入するのですが、ルール違反にはならないようです。交信の数が1,000を超えるようになったのはここ5年くらいで、規定を作ったときに1,000局を超える交信が成立するとは考えられていませんでした。大多数は001の3桁ですみますから、これでよろしいのでしょう。ソフトウェアによっては、WinPix32のコンテストモードのように0001から設定されているものもありますが、ルール違反と指摘されたことはありません。

顔写真入(イラストも可)の画像とコンテストナンバーの完全な交換で14MHz帯:1点、18~430MHz帯:2点,1200MHz帯以上:3点となります。コンテストナンバーは画像で確認することが建前ですが、フォーンでも補足的にナンバーを確認します。しかし、このことで目くじらを立てる方はいないようです。同一局との交信は周波数に関わらず一日一回のみ有効です。毎日、同じ局と交信しても1点となりますが、同時にマルチを増やさなくては得点が増えません。マルチは(1)JAのエリア(1~0) (2)JAを除くDXCCカントリー(JD1はDXCCのカントリーとしてカウントする) (3)運用日数、1日の運用は1マルチとし、最大10マルチ(10日以上の運用をしても10)となります。(3)の運用日数が最大10マルチと言うのがアクティビティー・コンテストの由来であり、JASTAがSSTVの普及を考えたコンテストの由来でありましょう。

弱い信号でも画像を再現!

夕方から始まるヨーロッパとのパスで常連のSM5EEPやON4VTが強力な電波を日本へ送り込んできます。彼らはハイパワーで運用している上に良いアンテナをもっていますから、100Wの電波も良く拾い上げてくれます。たとえトランシーバーのSメーターが振れなくても、SSTV特有のピコピコピーが聞こえさえすれば画像を再現できるのです。パソコンのサウンドカードを利用したSSTVソフトウェアの性能は想像を上回るものがあります。もちろんモニターに再現される微かな画像を見分ける力も大切です。見る位置を変えたり目を細めたりしているうちにパターン認識がより正確なものに変わり、ついにはコールサインやコンテストナンバーが浮かび上がってくる場合も稀ではありません。もちろんHF帯のビームアンテナを微妙に修正するなど運用テクニックを駆使するのは当然です。

たとえば21MHz帯の場合、21.340MHzを中心に3kHzステップで運用するのが慣習です。コンディションが上昇するにつれて徐々に運用周波数を広げて行きます。3kHzごとに21.331 21.334 21.337 21.340 21.343 21.346 21.349のように並ぶことになります。21.340MHzでCQ画像を受信してすでに交信した局と確認した場合、起動したままトランシーバーのダイヤルを静かに回して隣接の周波数にあわせます。途中からでも受像できますからコールサインをチェックしたり、一部の画像から交信済みかどうかなどを判断します。未交信の局を見つけても、他の局に取られるかもしれませんから、前後左右を見極めながら、ここがダメならあちらと言う具合に動き回ります。SSTVの交信は早くても数分は掛かりますから、じっと待っていては効率が悪いのです。バンド全体の状況をきっちり把握しながら運用しますと、結構マルチが稼げるようになります。

ログとサマリーの提出で完結

コンテストに参加したらログとサマリーを提出しましょう。例え一桁の交信数でも整理してコンテスト事務局に郵送、あるいはEメールで送ることを勧めます。実際の参加者数に比べてログとサマリーの提出者が極めて少ないのが実情です。提出されるログを集計しますと全体の参加者が浮かび上がりますが、一人でも多くの方がログとサマリーを提出されるようにお願いしたいと思います。エントリーは国内部門と海外部門の二つです。