世界一のハムの祭典といわれる「ハムベンション2001」は、今年も5月18日~20日の3日間、オハイオ州デイトン市のハラアリーナに27,000~28,000の入場者を集めて盛大に開かれました。初日は開場間もなく強い雨が降り始めて屋外の駐車場に展開するフリーマーケット(Flea Market=のみの市)を楽しんでいた人たちがいっせいに屋内に駆け込んだために、メイン開場は満員状態になりました。フリーマーケットは天候に支配されるものの出展料の安さが受けてハムベンションの呼び物の一つになっています。車を指定の場所に停めて無線機やパーツなどの売り物を並べればお店は完成です。初日は雨が降ったりやんだりの恨めしい一日でしたが、2日目は朝から抜けるような青空に恵まれてフリーマーケット日和になりました。入場料は22ドル、12歳以下は無料です。

初日も2日目もファンでいっぱい

雨から逃れるように屋内会場に移り人気のICOMブースを探し当てました。ハラアリーナの正面入場口を入りますと、直ぐ左側にICOMアメリカの展示ブースを発見しました。33~37の5小間を占めるひときわ目立つ展示です。中央部にはIC-756PROの巨大な写真が高く掲げられていてICOMの文字と共に強いインパクトを与えます。残念ながら人垣にさえぎられて人気のモデルを詳細に見ることができません。それでもICOMの世界地図(World Maps CQ DX ZONEs of the World)をきれいなおねえさんから運良くゲットしました。(この地図の裏側はI.T.U.版になっていました)。初日はここまで、2日目の早朝に再び訪問してゆっくり見せていただくことにしました。

ICOMブースはICOM America, Inc(2380-16th Ave. NE, Bellevue, WA 98004)が出展していますので、社員は当然青い目のアメリカ人です。日系女性社員を見かけましたが流暢な英語に気後れして日本語ができるかどうかを尋ねるのをためらってしまいました。アイコム本社から出向されておられた顔見知りの社員を探しましたが、今回は見つけることができませんでした。いつもなら「アメリカの景気はどうですか」と日本語で尋ねることができましたのに、今回は細かなニュアンスを伝えられない外国人を体験する破目になりました。それはともかく開場と共に駆け込んだはずなのにICOMブースはファンで一杯になっていました。

対面スタイルが好評!

壁際の一段高くなったステージに、10人の説明員が商品のジャンル別に分厚いマニュアルを抱えて来場者と対面するのがICOMアメリカのやりかたです。10人の説明員は常にステージで待機していますから目指す無線機の話をじっくり聞くには、この上なく便利で来場者に好評なのもうなずけるところです。説明員のそばには無線機とノートパソコンが置いてあり、実機に触りながらノートパソコンを駆使して至れり尽せりのプレゼンテーションに、新製品の新しい特徴や知識を仕入れて、技術的な質問を浴びせて明快な回答を引き出して満足している様子は、傍らで聞いていても気持ちよくて参考になることが少なくありません。いつもながら心憎いICOMアメリカの演出とユーザーを大切にする姿勢に感じ入ってしまうのです。

ICOMは数々のDXペディションを応援しておられ、展示ブース内に大きな写真が掲げられていました。

  ・キングマンリーフ(Kingman Reef)K5K
  ・ブータン(Kingdom of Bhutan)A52A
  ・クリッパートン島(Clipperton Island)FO0AAA

それぞれの展示台には同社の新鋭機、IC-756PRO、IC-706MKⅡG、IC-746などが展示してあり、自由に触ることができました。ふと、IC-756PROを食い入るように見つめている少年に気付きました。父親の説明を真剣に聞きながら無線機の各部を目で追っているのが分かりました。なんと素直で好奇心の旺盛な少年だろう。日本では久しく見られない光景にいつしか羨望のまなざしに変わりました。「こうして次世代に受け継がれて行くのだ!」と確信すると共に、素敵な親子に感動しながらデジタルカメラのシャッターを切りました。

展示ブースでは、160m~70cmオールモードトランシーバーのIC-706MKⅡGを熱心に観察する髭の紳士、コミュニケーションレシーバーIC-R3を手にしてモニター画面に映るテレビが気に入った様子の青年、パソコン画面の受信機をコントロールできるコミュニケーションレシーバーIC-PCR1000を興味深げに見入る人、ICOMファンで埋め尽くされていました。ほかに新製品のIC-910Hやモービルトランシーバーの定番IC-207H、IC-2800などICOMの全製品が見やすく展示されていて圧巻でした。帰り際にU.S.Grid Square Mapを無料で配っていたのを目ざとく見つけて2枚いただいてきました。米国と交信した際にGridから地図の上で位置がわかり、ロケーションから話が弾みそうな予感があります。先にご紹介した世界地図と共に1枚を友人へのお土産としました。

ICOMアメリカの温かいおもてなしにありがとう。