アマチュアにとってのQSLカードは、交信を完結する証として交換し大切に扱います。普通は印刷屋さんに頼んで作るか、パソコンのディスプレイ上でカードをデザインしてスペシャルカードをプリントするなどさまざまですが、どんな形にせよ交信したらQSLカードを交換するのがアマチュアの慣習となっているのはご存知のとおりです。まれには「ノーQSLでお願いします」などといわれることがありますが、わざわざ交換の約束をしなくてもカードを送るのが当然とするスタイルを長く守ってきた私には、何かしっくりこないものを感じます。それはともかく半年、1年が過ぎて届いたカードを改めて眺めるのは、交信に続いて2度楽しめるおまけのような気がいたします。

最近、「オンラインQSLカード」が国際的に利用されるようになり、これまでの郵便またはビューローを利用したカードの流れを変えそうな勢いです。eQSL.cc(The Electronic QSL Card Centre)がそれで、所定の手続きを済ませますと自分宛てのQSLカードの到着が知らされ、同時にコメントつきの返信ができるようになっています。さらにカード作成コーナーへ進み自分用のオンラインQSLカードを作ることができます。そして、Log-EQFなどのログソフトにより整理された交信データをアップロードしますとeQSL.ccのセンターに蓄積され、交信相手がこのセンターにログインしてデータをダウンロード、そして保存・プリントアウトにいたる仕組みが確立されていて、これまでに190カ国、330万枚のオンラインカードを扱ったとの記載が同ホームページ冒頭にあります。

登録の試行錯誤

eQSL.cc http://www.eqsl.cc/qslcard/ におそるおそるアクセスしてみました。eQSL.ccのWebサイトは米国におかれていますから、言語はすべて英語で書かれています。どうもこの辺が日本人の苦手とするところで、オンラインQSLが普及しにくいところかと思いつつ試行錯誤を重ねてみました。

やってみると意外に簡単でRegistered Users→Licensed Callsign(自分のコールサイン)→Password(アルファベットと数字の組み合わせで8文字)→Log In次の画面で再びコールサインとパスワードを記入してLog In・・・・ここで「あなたは登録者でない」というメッセージと共にRegistration Screenの文字が出ますので、これをクリックしますと画面が登録ページに変わります。ここでEメールアドレス、コールサイン、名前と住所などを記入してRegisterをクリックします。

これでRegistration Step 1が終了。しばらく待ちますと、webmaster@eQSL.ccからコールサインとサインアップコードを記載したEメールが送られてきます。これをプリントして保管しておきます。時間の経過と共に意外に思い出せなくなりますのでご注意ください。もちろん忘れた方のために教えてくれる仕組みもありますので心配は要りませんが・・・。次にRegistration Step 2へと進みます。コールサイン、サインアップコード、 パスワード(4-14字の任意文字列)を入力し、Finish Registrationをクリックすると、You are completely registered nowと表示され、登録が完了します。

ここで最初の画面(ホーム)にもどりRetrieve Login a QSL Cardをクリックするか、My Callsign:JA1xxxとタイプしてGet My Cardsをクリックします。 画面はList eQSL Cardsにかわり自分宛てのカードのコールサインが表示されます。私の場合、DU3NXEとES7FQ、EU6TVのコールサインを見たのが初めてで、RTTYとSSTVによる交信でした。期待しないで開いた画面に3枚のカードが届いていることに、まず感動してしまいました。ワクワクしながらコールサインをクリックしますとLoginの画面に誘導させられました。ここにコールサインとパスワードを入力、Displayを0に、そしてLog In・・・・JA1xxxはLogged In!の表示が出てログインに成功です。

続いてRegistered Usersの画面でList Received eQSLsをクリックしますと、New eQSLs・・つまりカードの到着を知らせる画面になり、Call Date/Time Band Mode Country Signal Report & Comments Confirmなどのデータを一望できます。Display/Printをクリックしますと、This QSL card was created online at www.eQSL.ccの文字と共に鮮明なカラー画像でカードが現れます。ここに掲げた4F3XXは最近受け取った4枚目のカードで1999年9月25日のRTTYによる交信です。この後、プリントアウト、そして別名で保存という手順をたどります。

 

ぜひお試しを!

はじめに述べましたように、英語を相手に格闘しましたので説明に多少の勘違いがあるかも知れませんのであらかじめお断りをしておきますが、おおよそここに示すような手順を踏むことによりカードの到着が確認でき、パソコンのディスプレイ上に美しいカードが再現できたことを報告しておきます。一度eQSL.ccのホームページを訪れることをお勧めいたします。手順が多少難解であっても挑戦する価値は十分にあると思われます。また、オンラインQSL(eQSL.cc)が各種アワードに使えるかどうかについては、同ホームページのFAQにいろいろな観点からコメントされていますので参考にされてください。(カードの作成と送付は別の機会に譲ります)

オンラインQSLが多くのアマチュアに支持される状況にあるものの、現行の郵送などによるQSLカードと制度の上で共存できるかどうかは不透明と言わざるを得ません。世界のどこにいても瞬時に交換できるオンラインQSLカードに、関係者は戸惑いながら判断を先送りしているように思えます。いずれにしましても早い時期に決着を期待したいと思います。データの改ざんなどの心配は、オンラインQSLに限ったことではありませんし、電子署名が社会に根付き始めたことと考え合わせますと、徐々に浸透するのかなという印象を抱きました。