某日、散歩のついでにリサイクルショップのH店に立ち寄りました。ふらりと入ったこのお店で時折、掘り出し物に出会うことがあるため、欠かさず巡回することにしています。店内に雑多に置かれたノートパソコンにくぎ付けになりました。

16型と思われるノートブックパソコンにACアダプタが付属、19V、4.25Aの表示から高性能モデルと推測しました。ディスプレイ部を持ち上げると、キーボードユニットのキートップ(キーボードのボタン)F7が欠けています。次にPCを裏返して銘板を見ると(株)マウスコンピューター W650SZの記載があります。キートップが欠けているため、値段は8,000円(税別)でした。一般的にジャンクは動作チェックをせずに買うのが普通ですが、このお店にはよく通っているので、顔見知りの店員に一言断ってACコンセントを拝借し、通電チェックを行いました。はじめにBIOSの更新日を確認しつつ、さりげなく品定めを行いました。スマホで調べた情報では2012年発売のモデルと判明しました。当時はWindows 8.1が搭載されていました。外観に大きな疵もなく、F7キートップの欠損以外、キーボードの文字も消えていない良品と判断、商品を確保しつつスマホでW650SZの製品情報を集めました。
 
 
▲マウスコンピュータW650SZ

主な仕様

Mouse Computerはユニットコム傘下のパソコンブランドの一つでBTO(Build To Order)を得意としており、注文を受けてから製品を生産するので、市販の完成品パソコンに比べて、プロセッサーやメモリ、ハードディスク、マウスなど注文応じたパソコンを手に入れることができる特長があります。なお、部品が共通なPCとしてはCLEVO、iiyama、Mouse Computer、UNITCOM等のブランドがあります。

 

メーカー名     Mouse Computer
型番     W650SZ
CPU     Intel Core i7 4700MQ 2.40GHz
メモリ      8GB
画面      15.6インチ 1366×768
HDD      1.0TB
光学ドライブ      Blu-rayドライブ
無線LAN     802.11n
カメラ     Webカメラ搭載
OS    Windows 8.1
付属品 ACアダプタ 19V 4.25A

始めは清掃から

このi7 RAM 8GBハイスペックモデルのユーザーは、よくあるトラブルに嫌気がさして手放したように推測しました。まずはPCを分解して内部を見えるようにして、ファン回りを観察すると大きな綿埃が見つかりました。使用期間が長くなると、冷却能力が低下して思わぬ事故を引き起こさないとも限りません。そこでファンの綿埃をピンセットで丁寧に除去すると共に、F7キートップが欠損しているキーボードユニットを交換することにして、ヤフオク!で探すと、手ごろな値段(3,180円+送料580円)で入手できました。

 


▲F7キートップが欠損している

 


▲ファンに埃が付着していた
 


▲ファンの回りから綿埃を取り出した

キーボードユニットの外し方

修復作業はキーボードユニットを外すところから始めます。どこから手を付けるかよく観察して手を付ける箇所をよく見極めます。本体に疵をつけては元も子もありません。小さなドライバーの先でキーボードの飾りパネルをこじ開けます。すると隠れていた5本のネジが見えますので、そのネジを外すとキーボードユニットが取り外せます。フラットケーブルは固定金具を起こして外します。取り付けはその反対の作業になります。新たに購入したキーボードユニットを慎重に装着し、さらにキートップの間を隠すパネルを前のユニットから外して再装着すると完了です。

 

 
▲隠しパネルをはずしたところ

 

 
▲ドライバー先が5本の固定ネジの一本

 

 
▲古いキーボードからキートップ間をカバーしているパネルを外して転用する

 

 
▲新たに購入したキーボードユニット

HDDをSSDに換装

WindowsのライセンスはUEFI(BIOS)に焼き込まれていますので最新のWindows 10 1909(2019 Novemberバージョン)が入りました。Windows 10 HOMEです。UEFI起動コマンドがWindowsの設定から入る仕様でしたから、HDD交換前に設定を確認した上で手元にあった240GB SSDに換装し、インストールメディアからまっさらなOSを入れました。ついでにバックアップ用の電池(SR2032)を交換しておきました。

まとめ

ちょっと直すと使えるPCと判断できたところが、ジャンク漁りの醍醐味と言いたいところですが、判断に誤りがあると大損することもありますからPCが詳しくない方へはお勧めできません。PCは文房具化してもっぱら使うだけのツールと化したといっても過言ではありませんが、少しの知識と技術があると探求心を満足させることができ、その上でパソコンは様々なアプリケーションを活用してアマチュア無線を豊かにしてくれます。ノートブックやタブレットを多数所持していても、用済みPC のCPUがi7と知ると修復に情熱を傾けるのは、技術派ハムの秘かな喜びと申し上げておきます。