JASTA、日本アマチュアSSTV協会(代表JA2HYD)が主催するSSTV(スロースキャンテレビジョン)によるコンテストが8月1日から31日まで各バンド(3.5MHz~1200MHz以上)にて熱い戦いが展開されました。このコンテストは1978年の第1回から続き2017年の第40回を最後に休止するに至り、多くのSSTV愛好家を落胆させた経緯があります。

去る8月24日、山荘シャック(山梨県南都留郡山中湖村)から友人のJA1XVY平野 勝さんが2020年の「第41回JASTA SSTVアクティビティコンテスト」に参加するというので、私も圏央道、中央高速道路、東富士五湖道路を経由して「山荘シャック」へ向かいました。折から開催中のSSTVコンテストに参加する平野さんの奮戦ぶりを探るために合流し運用状況を追ってみました。因みに平野さんは山荘シャック(1kW)の設備共用局JA1XVYを所有しています。
 

 
▲東富士五湖道路の山中湖IC付近からの眺望

8月の黒点指数

8月24日、25日の太陽黒点数の推定値があいにくゼロとあってHFハイバンドでの交信はほぼ期待できません。7MHz帯に期待して国内QSOに全力を上げましたが、低調なコンディションには逆らえず、期待した成果が得られない結果になりました。2日間にわたる運用の成果は29局余となりました。富士山の麓、海抜1000mの避暑地でしばし暑さを忘れて2020年のSSTVコンテストを存分に楽しみました。
 

 
▲8月24日~25日の太陽黒点相対数の推定値(情報通信研究機構「宇宙天気予報センター」

無線設備は
アイコムのIC-7700とIC-PW1(1kW)に、アンテナはミニマルチ製HB9CV(14,21,28MHz)と7MHz帯ダブレットを使用、SSTVはMMSSTV(Ver. 1.13) をデスクトップパソコン(Windows 10)にインストールしてJA1XVY用のコンテストマシンを作り上げました。

画像に自分の顔を挿入する

JASTA SSTVコンテストならではの独特なルールに「自分の顔写真を入れる」というのがあり、顔写真か顔のイラストを送信画面に挿入する独特な決まりです。このルールにより交信相手の顔が互いにわかり、親しみがより増す仕掛けになっています。顔写真あるいはイラストを挿入せずに画像を送信すると交信が成立しないので注意が必要です。下の送信画像にJA1XVYの受信画像を挿入して受信状態が見えるようにした一例です。

 
▲コンテストナンバーと顔写真入りの交信画像

コンテストナンバー
コンテストナンバー: RSV+001から始まる連番。連番の桁が足りなくなれば桁を増やします。例えば信号レポートが595で、期間中に20局目のQSOであれば、 コンテストナンバーは「595020」となります。595559が送られてくると、559番目の交信と判ります。なお、SSTV用通信ソフトのMMSSTVは森誠氏(JE3HHT)が開発したWindowsパソコンのサウンドカードを使ったフリーソフトウエアで、世界中のSSTV愛好家が使っています。

ポイント
可能なかぎり自分の顔が写っている画像(手描きのイラストも可)に自局のコールサインとコンテストナンバーを入れて送信する。

完全なコンテストナンバー交換をもってポイント(点)とする。画像の白黒、カラーは問わない。コンテストでのQSOは 相手局と1対1とし、ラウンドQSOは認めない。海外局との交信もポイントとして認める。 なお、同一局との交信は周波数にかかわらず一日一回のみ有効。

(1)3.5MHz~28MHz 帯:1点 (7MHz帯は7.1MHz以上の周波数での交信を推奨) 
(2)50~430MHz帯 :2点 
(3)1200MHz帯以上 :3点

マルチ
(1) JAのエリア(10エリア) 

(2) JAを除くDXCCエンティティ(JDはDXCCのエンティティとしカウントする) DXCCエンティティ内のエリア(例えば、W1とW”の2エリア交信しても、Wとしての 1 マルチのみ)はマルチとしてカウントできない。 

(3)運用日数 1日の運用 は1マルチとし最大10マルチ(10日以上の運用をしても10とする)。
 

 
▲IC-7700とIC-PW1のシャック(JA1XVY)

入賞局は

平野さんが2日間にわたりコンテストに参加して、コンディションの悪い中7MHz帯を中心に29局と交信しました。なお。総合1位は52519ポイントのJE3OEN牧野剛三さん、2位に31698ポイントのJA6GXP浅井渉さん、そして新人賞に23299ポイントのJH1JRA小幡昌英さんがそれぞれ入賞しました。JASTAコンテスト事務局では各部門、上位3位までに電子賞状を JASTA からメールにて送ることになっています。因みに海外部門は第1位UT5EPP 17061ポイント、第2位G0ADH 7552ポイント、第3位UA0LVO 7344ポイントでした。なお、肝心の平野さん(JA1XVY)は第42位、国内のエントリーは65局、海外のエントリーは25局でした。
 

 
▲MMSSTVの操作画面

 
▲入賞者に素敵な盾が贈られました

 

 
▲第1位、第2位、新人賞にQTC-Japanより盾がそれぞれ贈られました

まとめ

JASTAの前事務局の平野さん(JA1XVY)が山梨県南都留郡山中湖村の山荘シャックに出向いて2020 JASTA SSTVコンテストに参加した様子を追ってみました。ハイバンドのコンディションに恵まれず、7MHz帯を中心にコンテストに参加して29 QSOはまずまずの成果でした。気の置けない仲間と合宿しながらのコンテスト三昧に充実感を覚えたと語っておられました。来年は私自身もSSTVコンテストに参加してみたいと思いました。