リーフe+は2019年1月に追加された日産のEV(electric vehicle )モデル。バッテリー容量は62kWh、最高出力を160kW(218馬力)にし、前のモデルから性能を大幅に向上させた上級モデルです。

そのリーフ e+ を6か月点検に出したところ、ディーラーから「バッテリーの性能が60%に落ちているので、半年後の点検時に交換した方が良い。」と勧められました。もちろん駆動用バッテリーの話ではなく、通常の電装用バッテリー46B24Lの交換ですから自分にも作業できる範囲と思いました。

しかしながら、勝手の分からないEV電気自動車ですから慎重に考えて行動しなくてはなりません。スカイラインの時もそうでしたが、正規ディーラーでバッテリーを交換すると、その代価はネット通販で購入した場合の2倍から3倍の価格となります。
 

 
▲LEAF e+のエンジンルーム。交換後のバッテリー
 

車載バッテリーの交換はちょっとしたコツがあり、並びに絶対にやってはいけないことがあります。それを踏えた上で「メモリバックアップ」を装着してバッテリーを交換するなら、プロの仕事と遜色ない作業ができます。

バッテリー選び

バッテリーを自分で交換すると決めて、初めに46B24Lの価格をネット通販のアマゾンで調べました。46B24Lに適合するバッテリーがパナソニックN-80B24L/C7ということで値段は10,262円でした。N-80B24L/C7は面倒な補水メンテナンスが不要で、製品保証 / 3年 ( 距離無制限 ) 電圧12V、5時間容量率 46Ah(46B24Lの場合5時間容量率 36Ah)と申し分ありません。外形寸法等(総高 225 × 箱高 202×幅 173 × 長さ 232、15.6 kg)は 46B24Lと変わりません。

そして品番末尾のC7が何を表しているのか気になって調べてみました。caos(カオス)の略称「 C 」と第7世代目(バージョン)の「 7 」をあわせた表記でした。性能面 (エンジン始動性能・容量) では、大きな差はないということです。なお、車載バッテリーは市場に格安の外国製バッテリーや再生品が流通していますが、製品の信頼度を考えて国産のバッテリーにしました。

Life Linkが使えない!?

スカイラインのバッテリーを交換した時に併せ買いしたLife Wink(1,508円)を今回も加えました。これはエンジン始動性能をLEDで5段階表示しバッテリーの状態を知らせるもので、バッテリー交換時にLife Winkを装着していました。当時、アイコムのIC-7000Mトランシーバーを車載していましたから、Life Winkで充電系統に気を配っていました。ライトなどのスイッチ類の切り忘れによるバッテリー放電を検知し、充電が必要なことを知らせてくれるアクセサリーです。しかしながら、購入後にLife Winkが電気自動車に適合しないと知り、残念ながら無駄となりました。

 
▲カーバッテリーの寿命が分かるLife Wink
 

このLife Winkは「カーバッテリーの寿命がわかる」ユニットとして知られています。対応車種として標準車、アイドリングストップ車、ディーゼル車、業務車を挙げています。製品の[使用条件]③に注目すると、次の車両、用途に使用できないという記載があり諦めるしかありません。

参考までに注意書きには、電気自動車、ハイブリッド車、緊急車両、特殊車両、改造車、バッテリーを2個使用している車両又は24V使用車は使用できない。ほかにも農機、建機、船舶、発電機などの自動車のエンジン始動用以外は使用できない。と記載がありました。便利なユニットも事前によく調べてから購入しなくてはいけないという事例です。
 

 
▲ ネット通販から届いたバッテリーPANASONIC N-80B24L/C7
 

 
▲N-80B24L/C7を箱から取り出したところ
メモリバックアップ

エーモン工業の1686「メモリバックアップ」12V車専用(848円)を用意しました。これは車両に一時的にバッテリーの代わりとして電源を供給し、車のメモリ保護を行う、バッテリー交換時に欠かせないアクセサリーです。

バッテリー交換時に、バッテリーを外すと時計やオーディオ・カーナビゲーションの設定並びにコンピューター等がリセットされる場合があるため、単三乾電池(1.5V)を 6 本使用して車両に一時的にバッテリーの代わりとして電源を供給し、 車のメモリ保護を行います。ワニ口クリップは不用意に触れても安心の被覆タイプです。

 
▲エーモンのメモリバックアップと10ミリのスパナ(左上)
 

 
▲メモリバックアップの内部と被覆タイプのワニ口クリップ
10ミリスパナ

工具として 10 ミリのスパナを用意しました。これ一本でステイを止めるナットとバッテリー端子のナットに10 ミリのスパナが適合します。ステイはバッテリーフレームとも言いますが、バッテリーを車体に固定する金具のことです。錆などで劣化した場合は新品との交換も可能で、ネット通販から購入が可能です。車種によってはバッテリーの留め方が異なります。ほかにマイナス・ドライバーがあると役に立ちます。

バッテリー交換の手順

初めにバッテリーを固定するステイを外します。ステイは2か所のナットで締められていますので10ミリのスパナで外します。ナットは小さいので無くさないように注意を払いました。作業中にエンジンルームに誤って落とすと、行方が分からなくなり回収が困難になる苦い経験があります。

次にバッテリー交換の行程を写真でご覧に入れます。

1. リーフの電源スイッチをオフにする。一般的にはキーを抜く。
2. 10ミリのスパナでバッテリーのステイを外す。
3. メモリバックアップの赤色ワニ口をプラスに、黒色をマイナスに接続する。
4.  46B24Lターミナルのマイナス側から外し、次いでプラス側を外す。
5.  46B24Lを取り外す。
6.  80B24L/C7を装着してステイで固定する。
7. バッテリーターミナルをプラス端子から接続し、マイナス端子を接続する。
8. メモリバックアップのマイナス側から外し、次いでプラス側を外す。
 

 
▲バッテリー交換前のエンジンルーム。右側にバッテリーを搭載
 

 
▲10ミリのスパナを使いターミナルを緩める
 

 
▲10ミリのスパナを使いステイのナットを回す
 

 
▲メモリバックアップを+端子と―端子に接続する

 

 
▲バッテリーの交換後、ステイを元通りに装着して作業を完了

 
▲新旧のバッテリー。N-80B24L/C7(上)と46B24L(下)

あとがき

バッテリーの取替作業が簡単と言っても、適合バッテリーを正しく選ぶことから始まりバッテリーの脱着迄、車の安全性に関わることなので自己責任の元に作業を進めるのは当然です。稀にバッテリーのプラスとマイナス端子の接続を誤り、配線や電装品にひどい損傷を与えることもありますので、バッテリーの交換に自信が持てない方はディーラーや整備工場に依頼する方がよいでしょう。

交換後の古いバッテリーの処分はなじみのディーラーに引き取ってもらいました。ネット通販の場合、購入時に古いバッテリーを無料で引き取るサービスが付いている商品がありますから、処分に困ることはありません。