IPリモートコントロールソフトウェアRS-BA1 Version 2 を2 in 1ノートブックPC(HUAWEI MateBook E) にインストールしました。2 in 1 PCは1台でパソコンとタブレットの2つの使い方ができる機能的なパソコンとして人気があります。MateBook Eの外観はノートパソコンですが、モニターのみを外してタブレット端末として使用できます。12インチタブレットは640gと軽く、キーボードとあわせても約1.1kgのPCです。主な仕様はCPUがCore i5、RAM 8GB、256GB SSD、Windows 10 Home 64bit、12インチタッチパネル、高さ:194.1×幅:278.8×厚さ:6.9(mm)です。

No.194 「東京都亜熱帯区・八丈島遠征記」にて八丈島空港のレストランでRS-BA1 Ver.1 をインストールしたHPノートパソコン(EliteBook 2740p)で山荘シャック(山梨県南都留郡山中湖村)のIC-7700をリモートコントロールした記事を書きました。この時のPCの重さは1.72kg、旅行用のカートに収納して持ち歩きましたので、重装備の感を免れません。その点MateBook Eは軽いので、ショルダーバッグに収納して持ち歩きができ、IC-7700のリモートコントロールが可能となりました。Wi-Fiのないところではテザリングを使ってインターネットに接続し、場所を選ばない運用ができるようになりました。

※テザリング:スマホを中継点とすることで、ノートPCやタブレット端末、ゲーム機などをインターネットに繋いで利用できる機能のこと

photo

MateBook Eと右側BD/DVDドライブ、その上にMateDock(※クリックすると画像が拡大します。)

PCへRS-BA1 Ver.2のインストール

RS-BA1 Version 2はHP Elite Book 2740pとMateBook Eの2台にインストールしています。RS-BA1ソフトウェア製品ライセンスは使用許諾契約書によると、第三条(1)本ソフトウェア製品を、サーバーコンピューター1台、及びクライアントコンピューター2台にインストールして使用すること(各々が同一のお客様によって使用される場合に限る)。となっていますので、2台目のMateBook EにもRS-BA1 Ver.2をインストールしました。

photo

MateBook Eの側面にUSB Type-Cポートがあります。

2 in 1 PCの場合

MateBook EにDVD-ROMドライブがないので、事前準備としてUSB Type-CポートにMateDockを接続してDVD-ROMドライブと充電ケーブルをつなぎ、マウスをBluetoothで接続しました。

※MateDockはHUAWEI MateBook専用の映像出力(VGA, HDMI) と有線LAN接続(Internet ポート)、それに周辺機器接続(USB3.0 Type A, C)のインターフェースを一つのドックでサポートしています。

photo

MateDock 左からLAN、USB 3.0 Type A×2、反対側にUSB Type-C入力・出力(※クリックすると画像が拡大します。)

DVD-ROMドライブを開いてsetupファイルをダブルクリック、「RS-BA1 Ver.2へようこそ」の画面でOKボタンをクリックして先に進みます。

photo

「RS-BA1 Ver.2へようこそ」のOKボタンをクリック(※クリックすると画像が拡大します。)

インストールを進めると二つのアイコン(Remote UtilityとRemote Control Ver.2)がデスクトップにできます。これ以降の詳細はOnlineとーきんぐ No.220「RS-BA1 Ver.2で始めるリモコンシャック」を参照ください。

photo

Remote UtilityとRemote Control Ver.2のアイコン(※クリックすると画像が拡大します。)

テザリング

テザリングによりMateBook Eをインターネットに接続して任意の場所からIC-7700をリモートコントロールします。テザリングの設定はスマホによって多少の違いがありますが、Huawei P20の場合はスマホの[設定]を開いて、[無線とネットワーク]をタップ、[テザリングとポータブルアクセス]をタップ、[ポータブルWi-Fiアクセスポイント]をタップ、[HUAWEI P20]をONにする。およそこのような順序でアクセスポイントが設定できます。なお、下線部分はスマホにより名称が異なります。

photo

スマホ(P20)の設定から「テザリングとポータブルアクセス」をタップ(※クリックすると画像が拡大します。)

photo

スマホ(HUAWEI P20)のアクセスポイント(※クリックすると画像が拡大します。)

ヘッドセット

MateBook EのUSB Type-CポートにスマホP20に付属のヘッドセットを挿してマイク&イヤホンとして使います。ただし、USBポートが一つなのでDVD-ROMドライブをつなぐ時はMateDockを必要とします。USB Type-Cポートは、映像出力やLAN端子の機能を持たせた次世代規格「USB 3.1」で制定された新しいコネクタ規格です。2015年3月発売のMacBookにUSB Type-Cポートが搭載されて話題になりました。最近ではHuawei MateBookやASUS ZenBook、富士通LIFEBOOKなどに採用され、SONY XperiaなどがUSB Type-Cに移行しました。

因みにMateBook付属のヘッドセットがUSB Type-Cプラグ仕様なので、RS-BA1 Version 2のマイクとイヤホンとして使いました。送信・受信の音質は平均以上で、愛用のカナル型イヤホンSONY XBA-A1と比較してもそん色ないと評価しています。

photo

ヘッドセット USB Type-Cプラグに注目

ダイヤル・チューニング

Remote Control画面のダイヤル上にマウスポインタを置きダイヤルつまみを回します。周波数は左右のボタンとホイールボタンにより操作し、右ボタンでアップ、左ボタンでダウンとなります。さらに周波数表示の上の[TS]ボタンをクリックすると100Hz、1kHz、5kHz・・・・・1MHzの12ステップに変わり、周波数を細かく動かすときにホイールボタンを指先で回します。因みに音量つまみの上にマウスをポイトして右ボタンを押すとアップ、左ボタンでダウンとなります。

photo

MateBook Eとダイヤル・チューニングのためのマウス(iBUFFALO BSMBB11T)(※クリックすると画像が拡大します。)

受信と変調レベル

Remote Utilityの接続画面で[変調]と[受信]の音量レベルをモニターできます。

photo

IC-7700の接続画面の右側に[受信]と「送信」のレベルがモニターできます。(Remote Utility)(※クリックすると画像が拡大します。)

タブレットPCとして

MateBook Eは2 in 1 PCなのでモニター部をキーボードから外してタブレットPCとして使います。事前にスマホ(P20)のテザリングを利用してWi-Fi接続すると、場所を選ばずにどこからでも運用できます。また、12インチの液晶ディスプレイはタッチパネルなので指先の操作でリモートコントロールができる強みもあります。なお、公共Wi-Fiやホテル、コンビニなどのWi-Fiも使えますが、迷惑メールやウィルスの感染には十分お気を付けください。

photo

キーボードを外してタブレットモードで使います。(※クリックすると画像が拡大します。)

アンテナ切換

Remote Controlの[Set Mode]のアンテナをONにすると、あらかじめ1~4のアンテナを設定しておくと [ANT]ボタンを押すたびに任意のアンテナに切り替えられます。

1. 3.5MHz/7MHz帯ダイポール

2. HFトライバンダー

3. 18MHz/24MHz帯ダイポール

4. 50MHz八木アンテナ

photo

Remote Control(左)とRemote Utility(右)(※クリックすると画像が拡大します。)

ACアダプター

MateBook EのACアダプターは専用なので必ず本体と一緒に携帯します。電池の持ちは連続使用で5~6時間は持つ印象なので、ほぼ1日は使えると考えてかまいません。ACコンセントがある時は専用のACアダプターで急速充電を行います。長時間の運用を考えるならモバイルバッテリーのRAV Power USB-C 26800mAh パソコン充電バッテリー(PD対応 USB-Cケーブル付)を用意したいところです。なお、PDは電源供給を意味するPower Deliveryの略で、最大100Wまでの電源供給にUSB経由で急速充電が可能です。コネクタの挿し込み形状は上下左右が対称なUSB Type-Cを使います。

あとがき

2 in 1 PC 1台で夢のリモートコントロールが実現しました。自宅から100km余離れたシャックのIC-7700をリモートコントロールができるとは、1960年(昭和35年)開局の筆者には夢のようなシステムと映ります。開局時に7MHzダイポール・アンテナを展張できましたが、今や市街地では1.9MHz帯、3.5MHz帯のアンテナを張ることなどほぼ叶いません。縁あって山梨県南都留郡山中湖村にて1kWの免許を取得する運に恵まれ、山林内の敷地にシャックがあり、電波障害をほぼ心配することなく運用できる幸運に恵まれました。こうした環境の下にIC-7700、IC-7600のリモートコントロールが実現しました。

参考資料

RS-BA1 Version 2ご使用になる前に Version 2.00

RS-BA1 Version 2 取扱説明書 Version 2.00

Onlineとーきんぐ No.220 「RS-BA1 Ver.2で始めるリモコンシャック」

Onlineとーきんぐ No.195 「本格的リモートシャックの構築」その1

Onlineとーきんぐ No.197 「本格的リモートシャックの構築」その2

Onlineとーきんぐ No.198 「本格的リモートシャックの構築」その3