IP502H/IC-SAT100/IC-DU65B 導入事例|
ヤマハ発動機株式会社様
災害対策の中枢を担う通信システムを、
IP無線機、簡易業務用無線機、衛星通信トランシーバーで確立
導入について
無線通信の不具合に対する改善策に苦慮
防災訓練時、無線通信を実施したところ、通信が途切れる不具合が頻発した。
離れた拠点とも安定した通話がしたい
簡易無線機だと、通信できるエリアが限定され、全18の拠点をカバーできなかった。
万一の事態にも、確実な通信手段を確保したい
スムーズな初動を実現するため、携帯電話/インターネット回線が不通になった時でも、安定して通信できる手段を確保しておきたい。
IP無線機を導入することにより、スムーズな情報共有を実現
携帯電話回線を使用するIP無線機を導入することにより、簡易無線機の弱点をカバー。拠点間で安定した通信が可能になり、情報収集がスピーディかつスムーズに行えるようになった。
衛星通信トランシーバーの導入により、万が一の大災害にも対応
地上のインフラに依存しない衛星通信トランシーバーの導入により、どこからでも、どのような状況下でも、スムーズな初動対応が可能となった。
簡易無線機だけだと…
簡易無線機はインフラに依存しない、ランニングコストを抑えられる等、多くの魅力はあるが通信距離に限界がある。近い場所で同時に通信を行うと、相互干渉等が発生し不通になるケースがある。
IP無線機なら…
携帯電話の通話エリアをカバーするIP無線機なら、全ての拠点(最大:本社<磐田市>と蒲郡の約60km)をカバーすることが可能。
衛星通信トランシーバーなら…
回線がダウンし、携帯電話、IP無線機が使えない状況でも、衛星通信トランシーバーなら通話が可能。しかも、広域をカバーすることができる。
ご担当者様の声
直面していた問題を、
IP無線機を主軸とするシステムで解決。
ヤマハ発動機では、年に1回、社員およびグループ会社社員などの弊社社内に勤務している約18,000人が参加する全社的な防災訓練を実施しています。さらに、月1回、全18拠点(+本部)間の通信訓練も行っています。以前は防災訓練において、デジタル簡易無線機(以下、簡易無線機)を使用していたのですが、不通が頻発しました。簡易無線機の台数を増やしたり、アンテナを建てたり、社内で試行錯誤してみたのですが、結局、解決できませんでした。そこで、危機管理産業展に出展されていたアイコムさんに相談し、原因究明のため現地調査を実施していただきました。その際、屋上に設置していたアンテナ(8本)のうち複数を同時使用すると、相互変調、感度抑圧が起こることが判明し、これにより通信の途切れが発生していたことがわかりました。
この調査結果をもとに、問題解決に向け、屋外無線LANを利用したプランなど、様々な通信システムの活用法を提案していただきました。その中で、携帯電話回線を利用し、安定した通信ができるアイコムのIP無線機IP502Hを主軸に、簡易無線機IC-DU65B、衛星通信トランシーバーIC-SAT100を加えたシステムに決定しました。既存の簡易無線機IC-DU65Bは用途を変更して継続使用できる体制を提案いただいた点も魅力の1つでした。
災害対策において、最も重要なのは情報収集。
つまり確実な通信手段を確保すること。
災害発生時、最も重要なのは、情報の伝達、収集だと考えています。つまり、どのような災害が発生しようとも、確実に機能する通信体制を確保することが重要です。
そのために、各拠点防災隊内での情報共有する手段として簡易無線機IC-DU65Bを確保しました。さらに、これらの拠点で収集した建物/施設の被害情報、安否情報(点呼結果)等を、本社の災害対策本部へ連絡する手段としてIP無線機IP502Hを導入しました。IP502Hは携帯電話回線を使用するため、全ての拠点をカバーすることができますし、auとdocomoのデュアルSIMに対応しているため、一方のキャリアがダウンしても、切り替えて使うことができます。この点も防災用通信機器として魅力を感じています。
また、災害発生時に最も重要な初動開始判断用の通信機器として、衛星通信トランシーバーIC-SAT100も導入しました。以前は、衛星電話をトップからの初期始動の指示、伝達のツールとして使用していました。初期始動を指示する通信機器は、いつでも使えるように、常に身近に置いておく必要があります。
しかし、衛星電話は持ち歩くのには重すぎました。しかも、起動に時間を要し、いざという時にすぐに使えないなど、多くの問題がありました。その点、IC-SAT100は携帯型で機動力に優れていますし、一度に多くの人に情報を伝達することができるなど、多くの魅力がありました。
IP無線機、簡易無線機、衛星通信トランシーバーの相乗効果。
以前は簡易無線機を中心に通信システムを構築していました。今回、簡易無線機、IP無線機、衛星通信トランシーバーといった異なる種類の無線機を導入することで、安定した通信が可能になっただけでなく、多くのメリットがありました。
衛星通信トランシーバーは初期始動/判断→簡易無線機は拠点の情報収集→IP無線機は拠点から本社への状況報告と、無線機ごとに使用目的を明確にできたため、情報ルートが整理でき、今まで以上にスムーズなコミュニケーションが可能になりました。また、万一、携帯電話回線が不通になりIP無線機が使えなくなっても、簡易無線機で拠点間の通信をフォローすることができます。異なる無線機で通信システムを構築するメリットは大きいと感じています。
理想としている通信体制を実現。
簡易無線機とIP無線機の充実、衛星通信トランシーバーの新規導入により、災害時の通信システムは、現時点においては、ほぼ理想通りに整備できたと思っています。
通信体制が整った今、次の課題は、いざという時に、社員がこの通信システムを有効に活用し、情報をスムーズに伝達できるよう準備することです。そのために、私たちは、今後も定期的に訓練を続けていきます。今後はデータや映像も加えたデータ通信の活用も検討していきたいと思っています。
また、今回導入した無線通信機器は、主に防災対策用でしたが、本社内に5か所にある守衛所では通常業務でも無線機を利用しています。日々の巡回にはIC-DU65B、拠点間の連絡にはIP502Hを活用しています。さらに、メインの守衛所にはIC-SAT100も配備し、24時間体制で、日々の警備および災害に備えています。
ヤマハ発動機株式会社様 指示/ 情報の主な流れ
導入いただいた企業様
ヤマハ発動機株式会社 様
創設 | 1955年(昭和30年)7月1日 | ||
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従業員数 | ヤマハ発動機(株)連結会社計:52,554 人(2022年12月末現在) | ||
ヤマハ発動機(株): 10,193 人(2022年12月末現在) | |||
本社 | 静岡県磐田市新貝2500 | ||
事業内容 | ヤマハ発動機は、二輪車をはじめとするランドモビリティ事業、船外機等のマリン事業、ロボティクス事業やファイナンス事業など多軸に事業を展開しています。企業目的である「感動創造企業」の実現に向け、180を超える国・地域のお客さまに製品・サービスを提供、連結売上高の約9割を海外で占めています。 | ||
場所 | 静岡県・磐田市 | ||
URL | https://global.yamaha-motor.com/jp/ |
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