1.9~50MHz帯までカバーするオートアンテナチューナー内蔵

このクラスでは外部接続が常識のオートアンテナチューナーをコンパクトボディに内蔵。これによりフィールド運用や車載運用時など、有効周波数帯の狭い短縮型アンテナを接続した時に絶大な威力を発揮します。アンテナチューナーにはラッチングタイプのリレーを使用し、消費電流の軽減を図っています。なお、本体はロングワイヤー用のアンテナチューナーAH-4(オプション)にも対応していますので状況に応じて、チューナーを使い分けることにより、運用形態の幅を広げることができます。
DSPユニット標準装備

受信信号をデジタルに変換後、ノイズ成分と、信号成分を分離して、目的信号を浮かび上がらせるデジタルノイズリダクション機能を搭載。レベルの可変は16段階で設定できますので、S/Nと明瞭度のバランスをすばやく調整することができます。また、ノイズブランカー機能との併用で様々なノイズの除去に威力を 発揮します。さらに、CW、RTTY信号などの混信を除去するオートノッチフィルター機能も搭載しています。
周波数安定度±0.5ppm以下の高安定度基準発振水晶(TCXO)を標準装備

通常このクラスではオプション扱いのTCXOを標準装備。これにより、±0.5ppm以下という抜群の周波数安定度を実現。特に高い周波数安定度が求められるRTTYやSSTVモードにおいても、安定した通信が行えます。
新設計の省エネPA部

フィールド運用、固定運用を問わず、常に安定した出力を実現する高効率のPAを搭載。HFオールバンド+50MHz帯をひとつのPAでカバーしながらも、 低電圧/低消費電流を実現しています。13.8V接続時には全バンド10W(AMモード4W)でカバー、9.6V接続時でも、全バンド5W出力(AMモード2W)を得ることができます。
高感度受信部
受信感度は、HF帯-16dBμ(10dB S/N)、50MHz帯-18dBμ(10dB S/N)に達し、上級機と同等のスペックを達成。いっさいの妥協を排した、高水準の受信感度を実現しています。
QRP運用をサポートするパワーセット機能

最大送信出力を5Wに設定した表示例
従来機の送信出力表記は、HIGH/MID/LOWなどを使用していましたが、本機では送信出力の設定を数値表記 (10W/5W/2.5W/1W/0.5W)で明快に表示するともに、精度の高い出力設定を実現。たとえば送信出力を5W(最大定格の50%)に設定したとき、従来機ではパワーメーターが半分の振れを示しますが、パワーメーターのスケールレンジは5W出力でフルスケールになるように切り替わります。
省エネモード

省エネモードが動作するとLCDバックライトをはじめ、各スイッチのバックライトも消灯します。
低消費電流を実現するために、PA部はもちろんのこと、PLL回路からアンテナチューナー部にいたるまで、各回路の高効率化を図ったことにより、電源電圧を DC9.6Vまで低下させても動作します。さらに、電源電圧が約11V以下になると各種アンプ部の電流制限回路が自動的に動作し、消費電流を抑える省エネモードに加え、待ち受け時のパワーセーブ機能も搭載しています。
フィールド運用を実現する充電式バッテリー&マルチバッグ(オプション)

フィールド運用を実現するために、大容量充電式バッテリーパック(9.6V/2800mAh)をご用意。さらに、703とバッテリーパック、マイクロホン、ログブック等が収納できる専用マルチバッグをご用意。マルチバッグには、移動先でのスマートな運用はもちろん、歩きながらのオペレーションもできる多彩な機能を持たせています。なお、バッテリー使用時の最大送信出力は5Wを確保し、実運用時間はSSBモードでなんと、7時間以上※ を確保しています。
※5W出力で、受信 0.5: 送信 0.5: 待ち受け 9 の運用状況にて



※写真のLC-156は試作品につき、出荷時の商品とは形状等が多少異なることがあります。
※写真で使用しているアンテナは市販品です。本体およびマルチバッグにアンテナは付属していません。
上級機譲りのメモリーキーヤー内蔵

メモリーキーヤー表示例
最大50文字まで記憶できる、3CHのメモリーキーヤーを搭載。コンテストなどで定型文を送出する時に大変重宝する機能です。そのほか、多機能エレクトロニックキーヤー(スピード可変《6~60wpm》)、長短点レシオ、バグキー、極性反転、CWフルブレークイン機能、CWリバース機能、CW受信ピッチ可変(300~900Hz)機能などを搭載し、QRPでも人気の高いCWモードの快適運用を実現しています。
機動性を追求したフロントパネルセパレート

写真はオプションのMB-63、MB-65、OPC-581を使用
車載からHF帯へのオンエア、またフィールドでの運用も苦にならない、167(W)×58(H)×200(D)mm(突起物を含まず)のコンパクトボディ を実現。しかも、車への取付もフレキシブルに対応できるフロントパネルセパレート方式を採用しました。(オプションのセパレートケーブルOPC-581またはOPC-587が必要)
オプションフィルターベイを装備
運用スタイルや使用するモードに併せて選択できる、各種クリスタルフィルター(オプション)を用意しました。IC-703では、よりシェイプフィルターのよい455kHz IF用のフィルターを装着できる設計です。表中の(1)~(4)の中から1本を選択し装着できます。
オプションフィルター | 種 別 | 通過帯域幅 |
---|---|---|
(1)FL-52A | 455kHz CW/RTTYナロー | 500Hz |
(2)FL-53A | 455kHz CWナロー | 250Hz |
(3)FL-222 | 455kHz SSBナロー | 1.8kHz |
(4)FL-257 | 455kHz SSBワイド | 3.3kHz |
FL-65(標準装備) | 455kHz SSB | 2.4kHz |
FSK方式のRTTYモード
FSK方式の本格的なRTTYモードを搭載。SSBモードで行うAFSK方式に比べクオリティの高いトーンの発射が可能。さらにRTYYナローモード(オプションのFL-52A装着時)にも対応しています。
SWRグラフ表示機能
接続アンテナのSWR特性をグラフ表示で確認できる大変便利な機能です。各種アンテナのSWR調整に使用することができます。しかも、測定ピッチは4段階(10kHz/50kHz/100kHz/500kHz)、測定スポット数は、3/5/7/9の中から選択できます。
オンエア局も一目瞭然バンドスコープ機能
受信周波数を中心に設定したステップの範囲をスイープし、ディスプレイにグラフィック表示するバンドスコープ機能を搭載。ステップ数は、0.5、1、2、5、10、20、100kHzの中から選択できますのでオンエア局や空き周波数を容易に発見できます。
その他の高機能群
【受信系】
- ・30kHz~60MHzゼネラルカバレッジ受信機能(アマチュアバンド外の一部周波数帯は受信性能保証範囲外)
- ・相互変調特性を重視したプリアンプを新設計
- ・IFシフト混信除去機能
- ・AGC時定数切替
- ・RFアッテネーター(20dB)
【送信系】
- ・AFスピーチコンプレッサー
- ・50波のトーンエンコーダー/デコーダー標準装備
- ・VOX機能
- ・オールモードパワーコントロール
- ・非常通信連絡設定周波数(4630kHz)対応
【操作系】
- ・スプリット受信用周波数ロック
- ・9600bpsに対応したDATA端子を装備
- ・ハイコントラストで視認性を向上させたアンバー色のLCDバックライト
- ・夜間の操作性をアップする、キーイルミネーション
- ・スピーディーに各種機能設定や変更が行えるセットモード
- ・クイックバンドチェンジ機能
- ・RFゲイン&スケルチを1つのツマミでコントロール
- ・±9.99kHzまで可変可能なRIT
- ・1Hzピッチチューニングと1Hz表示
- ・合計105個のメモリーチャンネル
- ・Sメーターのレベルもアナウンスできる周波数スピーチ機能(オプションのUT-102装着時)
- ・プログラムスキャン、メモリースキャン、セレクトメモリースキャン
- ・チューニングスピードを自動的にコントロールする、オートTS機能
- ・ダイヤルロック
- ・ダイヤルトルク可変
- ・バンドエッジ警告ビープ(機能オフも可)
- ・パソコンによる各種コントロールを可能にするCI-V端子を装備
後面パネルの名称
一般仕様
周波数範囲 | 受信周波数 30kHz~60.000MHz(動作範囲) 500kHz~29.999MHz(保証範囲) 50.000MHz~54.000MHz(保証範囲) 送信周波数 1.810MHz~1.825MHz 1.9075MHz~1.9125MHz 3.500MHz ~ 3.575MHz 3.599MHz ~ 3.612MHz 3.680MHz ~ 3.687MHz 3.702MHz ~ 3.716MHz 3.745MHz ~ 3.770MHz 3.791MHz ~ 3.805MHz 7.000MHz~7.100MHz 10.100MHz~10.150MHz 14.000MHz~14.350MHz 18.068MHz~18.168MHz 21.000MHz~21.450MHz 24.890MHz~24.990MHz 28.000MHz~29.700MHz 50.000MHz~54.000MHz 4630kHz |
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電波型式 | A1A、A3E、J3E、F1B、F3E |
メモリーチャンネル数 | 105チャンネル |
アンテナインピーダンス | 50Ω(不平衡) |
アンテナ端子 | M型1系統 |
電源電圧 | DC9V~DC15.87V |
接地方式 | マイナス接地 |
使用温度範囲 | -10℃~+60℃ |
周波数安定度 | ±0.5ppm(0℃~+50℃) |
周波数分解能 | 最小2Hz以下 |
消費電流(DC9.6V時) | 受信待ち受け時 : 300mA typ.(DSPオフ時) 受信時最大 : 450mA typ.(DSPオフ時) 送信時最大 : 2A typ.(5W時) |
外形寸法 (突起物を除く) |
167(W)×58(H)×200(D)mm |
重量 | 約2kg |
送信部
送信出力 | SSB/CW/RTTY/FM 10W~0.1W(13.8V接続時) 5W~0.1W(9.6接続時) AM 4W(13.8V接続時) 2W(9.6V接続時) |
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変調方式 | SSB 平衡変調 AM 低電力変調 FM リアクタンス変調 |
スプリアス発射強度 | 1.9~28MHz帯-50dB以下 50MHz帯-60dB以下 |
搬送波抑圧比 | 40dB以上 |
不要側波帯抑圧比 | 50dB以上 |
マイクロホンインピーダンス | 600Ω |
受信部
受信方式 | ダブルスーパーヘテロダイン方式 |
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中間周波数 | 第一 64.455MHz(全モード) 第二 455kHz(全モード) |
受信感度(TYP) | SSB/CW/RTTY(10dB S/N時) 1.8MHz~29MHz : -16dBμ※ (プリアンプ ON時) 50MHz~54MHz : -18dBμ (プリアンプ ON時) ※4~4.5MHz、8~9MHzの範囲は除く。 AM(10dB S/N時) 0.5MHz~1.8MHz : 22dBμ (プリアンプ ON時) 1.8MHz~29.7MHz : 6dBμ (プリアンプ ON時) 50MHz~54MHz : 0dBμ (プリアンプ ON時) FM(12dB SINAD時) 28MHz~29.7MHz : -6dBμ (プリアンプ ON時) 50MHz~54MHz : -12dBμ (プリアンプ ON時) |
スケルチ感度 | SSB/CW/RTTY +15dBμ以下 FM -10dBμ以下 |
選択度(代表値) | SSB/CW 2.4kHz以上/-6dB 4.0kHz以下/-60dB AM/FMナロー 9kHz以上/-6dB 20kHz以下/-50dB FM 15kHz以上/-6dB 30kHz以下/-50dB |
スプリアス妨害比 | 70dB以上(HF帯) |
低周波出力 | 1W以上 (13.8V、8Ω負荷、10%歪率時) |
低周波負荷インピーダンス | 8Ω |
RIT可変範囲 | ±9.99kHz |
※定格はJAIA(日本アマチュア無線機器工業会)測定法によります。
※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。
おもな付属品
- ハンドマイクロホン(HM-103)
- DC電源ケーブル
- CWキープラグ
- ACC用13ピンプラグ
マイクロホン

HM-103
アップダウンスイッチ付きハンドマイクロホン(モジュラータイプ)

SM-20
デスクトップマイクロホン
外部スピーカー

SP-10
外部スピーカー
バッテリー

BP-228
充電式バッテリーパック(9.6V/2800mAh)
充電器

BC-154
急速バッテリーチャージャー
電源

PS-125
外部電源
マウントブラケット

MB-63
コントローラーブラケット

MB-65
コントローラーマウントベース
キャリングハンドル

MB-72
キャリングハンドル
キャリングケース

LC-156
マルチバッグ
アンテナチューナー
外部機器

CT-17
CI-Vレベルコンバーター
内蔵ユニット

FL-222
455kHz SSBナローフィルター(1.8kHz/-6dB)

FL-257
455kHz SSBワイドフィルター(3.3kHz/-6dB)

FL-52A
455kHz CW/RTTYナローフィルター(500Hz/-6dB)

FL-53A
455kHz CWナローフィルター(250Hz/-6dB)

UT-102
音声合成ユニット
延長ケーブル

OPC-581
フロントパネルセパレートケーブル(3.5m)

OPC-587
フロントパネルセパレートケーブル(5m)
変換ケーブル

OPC-1248
電源コネクタ変換ケーブル

OPC-598
AT-180用ACC13ピンロングケーブル(7m)
希望小売価格 3,850円
(税抜価格 3,500円)
製品カタログ
カタログ名 | ファイルサイズ |
---|---|
IC-703 | 637KB |
取扱説明書
名称 | 製品名 | 補足説明 |
---|---|---|
取扱説明書 | IC-703 |
よくあるご質問
IC-7000/IC-703/IC-7100/IC-7200/IC-7300/IC-7400/IC-7410/IC-756PROIII/IC-7600/IC-7610/IC-9100/AH-4
- AH-4は1.9MHz帯の通信に使用できますか。
AH-4の対応周波数帯は、3.5~50MHz帯です。1.9MHzは対応していません。
- 更新日時
- 2021/05/13
IC-703
- ナローFMの送信は可能ですか。
可能です。参考ですが、ナローFMモード選択時は、受信帯域は±4kHz、送信帯域は±2.5kHzとなります。
- 更新日時
- --/--/--
IC-703
- メインダイヤルを回すとガリガリというノイズが出る。
アースが取れていない状態での使用では、メインダイヤルを回してチューニングする際、「ガリガリ」とロジックノイズが感じられると思います。これを解決するには、完全なアースを取る事です。固定運用であれば埋設したアース棒へ、車載運用であれば車体ボディへ、IC-703背面のアース端子から、できるだけ太い線材を使い、かつできるだけ短い距離で接続してください。
なお、マンパックスタイルでの運用時は、アースが取れませんので、チューニング時のロジックノイズを無くすことができませんが、そのまま運用しても故障することはありませんので、安心してご使用下さい。
- 更新日時
- --/--/--
IC-703
- メインダイヤルを回すと擦れる音がする様になった。
IC-703のメインダイヤルツマミは、ロータリーエンコーダーの軸に差し込んでいるだけの構造です。おそらく奥に入りすぎてブレーキパッドにあたっています。ダイヤルをしっかりつかんで手前に引っ張り、ある程度手前に移動したところから、少しずつ押し込み、ダイヤルを回すのに一番感触のよいところでストップしてみてください。
万一、引っ張りすぎて抜けてしまった場合は、穴を合わせて差し込んでください。引き抜いてもしまっても壊れることはありません。
- 更新日時
- --/--/--
IC-703
- 送信すると電源が落ちる。
まず電源の電圧不足/容量不足が考えられます。低電圧になりますと受信はできても送信すると電源が落ちことがあります。
バッテリー(オプションの純正バッテリー、また社外品パッテリーにかかわらず)使用の場合はバッテリーの電圧を確認してください。(送信時でも9.0V以上あるか)
DC電源器を使用の場合は、DC電源器の出力電圧を確認してください。また可能であれば、別のトランシーバーに接続し、5A程度流した際に、電圧がドロップしていないか確認してください。(送信時でも9.0V以上あるか)
電源系統に問題がない場合は、電源ケーブルの不具合の可能性が考えられます。電源コネクタ部分に接触不良がないか確認してください。電源コネクタ部分は抜き差しを繰り返しますとゆるくなってきますので、コネクタ内のピン(メス側)を狭めて、接触をよくしてみてください。
また、電源ケーブルの途中に挿入されていますヒューズを一度取り外して、接触不良がないか(端子が酸化していないか等)、確認してください。
- 更新日時
- --/--/--



防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。


防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
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IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |
