コンパクトな据置型マルチバンド機

送受信性能の飛躍的な向上、衛星通信やデータ通信への高次元での対応、多彩な高機能を満載しながら、コンパクトな 241(W)×94(H)×239(D)mmを実現。固定シャックはもちろん、車内への取付けも可能です。重量も約4.5kgと軽量なので、フィールド運用にも最適。さらに、オプションのUX-911を内蔵すれば、1200MHz帯を加えたマルチバンド運用がオールモードで可能になります。
トップクラスのハイスペックを実現した受信性能
受信感度はトップクラスの値に到達。SSB/CW時-19dBμ(10dB S/N時)のハイスペック。さらに群を抜く混変調特性、相互変調特性を実現しています。また、特に微弱な電波を扱う衛星通信には不可欠な、各バンド専用の高性能受信プリアンプ(アンテナ直下型/オプション)もラインナップ。これまでのV/UHFマシンに不足を感じていた方にも、満足していただける高水準の受信性能を実現しています。
PA部の新設計により余裕の出力50Wを達成
高出力バイポーラトランジスターをパラレルで使用したPA部を新設計し、両バンドで50W※の高出力を実現。さらに、アルミダイキャストフレームとクーリングファンの組み合わせにより、長時間にわたるFMでのフルパワー運用やデータ通信も余裕でこなす高い信頼性を確保しています。
※EME等の為の申請目的に限り、出力変更措置(144MHz帯100W、430MHz帯75W)を承ります。(有料)
バンドユニットを追加するだけで、1200MHz帯の運用が可能

オプションのUX-911を追加するだけで、1200MHz帯を加えたマルチバンド・オールモード運用が実現します。もちろん、1200MHz帯においても搭載しているほとんどの機能が動作し、高水準の感度と性能を確保しています。
※別売品のUX-911(1200MHzバンドユニット)を付ける場合は、非技適証明送受信機となりますので、TSS株式会社の保証を受ける必要があります。
飛躍的に受信性能を向上させる受信DSP機能群

オプションの受信DSPユニット<UT-106>を装着することにより、ノイズリダクションとオートノッチ機能を追加することができます。もちろん、これらのデジタル機能群は、メイン側とサブ側で動作します。さらに、UT-106を2個内蔵すればメイン側とサブ側の両方で、同時にDSP機能を使用することが可能になり、ハイレベルな運用を実現します。
ノイズリダクション
さまざまなノイズに対して、デジタル処理ならではの優れた抑制を発揮。S/Nを飛躍的に向上させ、ノイズに埋もれてはっきりと聞き取れなかった信号を鮮やかに浮かび上がらせます。
オートノッチ
不快なチューニング電波やビート信号を自動的にカットするオートノッチ。ビート周波数が変化した場合でも、自動的に追従しキャンセルします。また、オートノッチをオンにしたままでも、目的信号にはほとんど影響を与えません。
簡単な操作で衛星通信に対応できるサテライト専用モードを搭載

受信をメインバンドに、送信をサブバンドに設定し、トラッキング機能が動作するサテライトモードを搭載。シンプルな操作で高度な衛星通信を可能にしています。また、多彩な衛星通信機能で、FO-29をはじめあらゆる衛星に対応できます。
ノーマル/リバーストラッキング機能
FO-29をはじめとしたアップリンクとダウンリンクの周波数の和が一定になるリバースシフトはもちろん、周波数の差が一定になるノーマルシフトにも対応しています。
ドップラーシフト調整機能
サテライトモード時でも、受信周波数を動かさずに送信周波数だけを動かしたり、送信周波数は動かさずに受信周波数だけを動かすことができるため、ドップラー効果による周波数変化も簡単に補正することが可能です。
10chのサテライト専用メモリー
アップリンクとダウンリンクの周波数及びモードを自由にメモリーできる10chのサテライト専用メモリーを搭載。ワンタッチで追尾したい衛星の送受信周波数にセットできます。
送信出力連続可変機能
送信出力連続可変機能を搭載しているため、衛星通信に最適な出力に調整することが可能。衛星通信におけるトラブルを防ぎます。
9600bpsのパケット通信やデータの2バンド同時受信も可能

高速9600bpsのパケット通信に対応するとともに、データ通信時の操作性も大幅に向上させています。1200bpsと9600bpsの切り替えはもちろん、マイク入力の設定、メイン/サブの検波出力、スケルチ信号選択、マイクのアップ/ダウン、ALC選択もディスプレイ上の設定モード から行えます。また、データ通信用のアクセサリージャックを2個(メイン用とサブ 用)装備し、データの2バンド同時受信も実現しています。
不要信号の除去に絶大な威力を発揮するIFシフト混信除去機能
SSB、CW受信時の混信除去に定評のあるIFシフト混信除去機能を採用。パスバンド幅を一定にしたまま、耳触りな不要信号から逃れることができます。も ちろん、サブバンド側でも全く同様の性能を発揮することができます。ノイズリダクション機能(オプションのUT-106装着時)と併用すれば、さらに高度な混信除去が可能になります。
独立性を高めることで飛躍的に向上したメイン/サブの操作性

メインバンドとサブバンドそれぞれの情報を上下に表示する大型LCD、独立したAFボリュームとRF&スケルチツマミを装備しています。さらに、運用モードの設定、IFシフト、CWナローモード、各種スキャン機能も独立して使用することができます。
2バンド同時受信とフルデュプレックス(同時送受信)機能を搭載
周波数帯はもちろん、運用モードもバンド毎に独立して設定できる2バンド同時受信機能を搭載しています。また、メイン側で送信しながらサブ側で受信するフルデュプレックス運用にも対応。簡単な操作で、テレフォンスタイルの交信やサテライト通信が楽しめます。
オンエア局の早期発見に役立つスイープ機能
受信周波数を中心に、あらかじめ設定したチューニングステップでスイープさせ、LCD上にバンド状況を表示します。オンエア局の早期発見や空き周波数のサーチに大変便利な機能です。また、周波数ダイヤルの可変に連動してカーソルが移動するため、目的の信号を素早く捕捉できます。
バンド毎に独立して動作する4種類のスキャン
ニーズに合わせて選べる4機種のスキャン(プログラムスキャン/メモリースキャン/モードセレクトスキャン/トーンスキャン)を搭載。しかもバンド毎に独立して動作するため、メインバンドで交信しながら、サブバンドでスキャン機能を使って信号をサーチすることができます。
最大10chのメモパッド機能
一時的に覚えておきたい周波数を簡単に記憶させることができる便利なメモパッドを装備。複数の周波数で待機する場合等に有効な機能です。なお、チャンネル数は5chまたは10chを選択することができます。
その他の機能
- FMナローモードに対応(1200MHz帯を除く)
- スピーチコンプレッサー
- オートレピータ機能とワンタッチレピータ機能
- 周波数/モード/レピータ情報等を記憶する最大297個(各バンド99個)のメモリーチャンネル
- 書き替え可能なコールチャンネル(各バンドで1個)
- 50波のトーンエンコーダーとトーンスケルチ機能を標準装備
- 各バンド毎に設定できるRFアッテネーター(セットモードで連続可変可能、1200MHz帯は20dB固定)とRFゲイン(SSB/CWモード時)
- パソコンと接続できるCI-V端子
- スピーカーセパレート機能
- VOX機能
- 高性能ノイズブランカー(メインとサブの両バンドで動作)
- ダイヤルロック機能
- AGC時定数切り替え
- AFC機能
- エレクトロニックキーヤー標準装備
- CWナローフィルター(メイン用/サブ用)をオプションでご用意
- 300~900Hz CWピッチコントロール機能
一般仕様
周波数範囲 | 144MHz~146MHz、430MHz~440MHz、 1260MHz~1300MHz(UX-911装着時) |
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モード | CW、SSB、FM |
周波数安定度 | ±3ppm(-10℃~+60℃) |
メモリーチャンネル数 (UX-911装着時) |
297ch(各バンド99ch) プログラムスキャンエッジ18ch(各バンド6ch) コールチャンネル3ch(各バンド1ch) サテライトメモリー10ch |
周波数分解能 | 1Hz |
電源電圧 | DC13.8V ±15% |
消費電流 | 受信待ち受け時2.0A 受信最大出力時2.5A 送信時最大 11A(IC-911)、20A(IC-911D) |
外形寸法 (突起物を除く) |
241(W)×94(H)×239(D)mm |
重量 | 約4.5kg(本体のみ、オプション未装着時) |
送信部
送信出力 |
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変調方式 |
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スプリアス発射強度 |
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キャリア抑圧比 | 40dB以上 | ||||
不要側波帯抑圧比 | 40dB以上 |
受信部
受信方式 |
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受信感度 |
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選択度 |
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低周波出力 | 2.0W以上(8Ω、10%歪時) |
※定格はJAIA(日本アマチュア無線機器工業会)測定法によります。
※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。
おもな付属品
・DC電源ケーブル
マイクロホン

HM-36
アップダウンスイッチ付きハンドマイクロホン

SM-20
デスクトップマイクロホン
電源

PS-125
外部電源
電源ケーブル

OPC-025D
DC電源ケーブル
希望小売価格 3,740円
(税抜価格 3,400円)
キャリングハンドル
アンテナ

AG-2400
2400MHzダウンコンバーター

AG-25
144MHz帯アンテナ直下型受信プリアンプ

AG-35
430MHz帯アンテナ直下型受信プリアンプ
外部機器

CT-17
CI-Vレベルコンバーター
内蔵ユニット

CR-293
高安定度基準発振水晶ユニット

FL-132
10MHz帯 CWナローフィルター(500Hz/-6dB)メインバンド用

FL-133
10MHz帯 CWナローフィルター(500Hz/-6dB)サブバンド用

UT-102
音声合成ユニット

UT-106
受信DSPユニット

UX-911
1200MHz帯バンドユニット
取扱説明書
名称 | 製品名 | 補足説明 |
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取扱説明書 | IC-911/IC-911D |



防塵・防水保護等級(IP)について
防塵・防水について、IEC(国際電気基準会議)やJIS(日本工業規格)で規格化された保護等級を2つの数字で示しています。たとえば「IP67」の場合、1つ目の「6」は固形異物(粉塵など)に対する保護等級を、2つ目の「7」は水の浸入に対する保護等級を表します。保護等級の表示を省略するときは「X」を記載しています。


防塵保護等級
IP6x (耐塵形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機の内部に粉塵の侵入がないことです。 |
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IP5x (防塵形) |
試験用粉塵を1m3あたり2kgの割合で浮遊させた中に8時間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
防水保護等級
IPx8 (水中形) |
IPX7を超える防水性能を備えること(具体的な性能は製品ごとに異なります)。 |
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IPx7 (防浸形) |
バッテリーパック、アンテナを正しく装着した状態で、水深1mの静水(常温の水道水)に静かに沈め、30分間放置したのちに取り出して、無線機として動作することです。 |
IPx6 (耐水形) |
注水ノズル(内径12.5mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約100リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx5 (防噴流形) |
注水ノズル(内径6.3mm)をすべての方向に使用して、3mの距離から、1分間に1m2当たり約12.5リットルの水を3分間以上注入後、無線機として正常に動作することです。 |
IPx4 (防まつ形) |
いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこと。 |
