日本で個人が初めて電波を発射してから76年。その後、太平洋戦争中の中断があったとはいえ、現在の日本のアマチュア無線技士免許をもつ人口は300万人を超えた。

戦前、無線に関する資料も少なく、また、真空管などの部品も手に入りにくかった時代に、若者は取付かれたように、ラジオ受信機を組み立て、やがて、送信機をつくり電波を出して交信を始めた。この人たちの多くが、今日のアマチュア無線の発展の基礎を作り、また、「電子立国・日本」といわれるわが国のエレクトロニクス産業の基盤を作る面で活躍をされた。

今回は、その中の一人である森村喬さんの思い出を紹介する。森村さんは同時に明治初年から今日まで日本の輸出産業の発展に貢献「森村グループ」をつくりあげた森村家の末裔でもある。

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