JA3EY 永井 弘一氏
No.11 各種アワードを取得(2)
[アワード熱が再燃]
1974年〜1975年にかけて、20〜30枚のアワードを取得した永井さんであるが、その後またしばらく下火になった。しかし、1998年にリタイアし、落ち着いてアマチュア無線が楽しめるようになると、アワード熱が再燃した。2002年からが永井さんの第二次アワード熱中時代となる。ここでも代表的なアワードをいくつかを紹介する。
WAZ(Worked All Zones)
米国CQマガジン社が発行するアワードで、CQマガジン社が定める世界の40ゾーンとの交信で得られる。永井さんは21MHzSSBだけで完成し、バンド・モード特記で2002年6月に取得した。
WAZ
RDA100(Russian Districts Award)
ロシアのRDA委員会が発行するアワードで、ロシアの地域のうち100の異なる地域との交信で得られる。永井さんはこのアワードが制定された後、早いうちに申請したため、2002年11月に日本の局では初受賞となる発行番号#27を取得している。Russian Districtは全部で2745があり、日本の市区町村アワードや、米国のカウンティアワードに匹敵する難易度である。
RDA100
AAA(All Africa Award)
SARL(南アフリカのアマチュア無線連盟)が発行するアワードで、南アフリカ共和国内のすべてのエリア(ZS1〜ZS6)、ならびにアフリカ大陸にある25エンティティとの交信で得られる。ただでさえアマチュア無線局数の少ないアフリカなので、難関アワードとなっている。
AAA
永井さんは、31枚のQSLが揃っていたので申請を行ったところ、「ZS3のQSLカードが無いので発行できない。代金は預かっておくから、ZS3のQSLカードのコピーを送ってくれ」、と返信があった。AAAが規定するZS3は現在のZS2になり、永井さんはまだ交信していなかったので、すぐには再申請できなかった。結局約5年を要して、ついにZS2CXを3.8MHzで捕まえ、無事にQSLも入手できたので再申請を行った。こうして2007年10月にアワードを取得した。
YL Century Club
米国にあるYLRL(Young Ladies Radio League)が発行するアワードで、女性のアマチュア局100局と交信し申請を行うことで、無料で発行してもらえる。地域に条件はないため、日本国内の女性局100局でも良い。永井さんは2003年3月に取得した。
YL Century Club
CRSA 0-9 District Award
CRSA(中国のアマチュア無線連盟)発行するアワードで、中国のコールエリア1〜0まですべてと交信することで得られる。JARLが発行するADJの中国版と言ったところ。アマチュア局のほとんど居ない0エリアとの交信が鍵となる。永井さんは、2003年2月に取得した。
CRSA 0-9 District Award
[次なるターゲット]
現在永井さんが目標にしているアワードは、まず5BAND-DXCC。これは前述のDXCCを5バンド(3.5MHz、7MHz、14MHz、21MHz、28MHz)すべてで完成させる難関のアワードである。永井さんは、すでに3.5MHz以外の4バンドでは100エンティティのQSLカードが揃っており、残りの3.5MHzもQSOはすでに100エンティティに達し、QSLカードの到着待ちの状況で、完成までもう一息の所まで来ている。
次は、シングルバンドWAS(Worked All States)の取得である。WASはDXCCと同じARRLが発行するアワードで、全米50州との交信で得られる。永井さんは、最近のQSLカードの整理によって、21MHzと28MHzの両バンドで、WASが完成している事を確認しており、あとは、ARRLへの申請だけとなっている。「オールバンドでならとっくに完成していたが、シングルバンドで完成できたことが嬉しい」、と話す。
永井さんは、米国のK1BVテッドさんが発行する「The K1BV DX Award Directory」という書籍で各アワードのルールを調べている。この書籍は毎年内容が更新され、ルールの変更や料金の変更、申請先の変更をはじめ、新たに発行されたアワードが追加されている。「毎年買ってくれと連絡してくるが、そうそう大きく変わるものじゃないので、数年おきにしか買っていません」と話す。ちなみに2009年度版には3312種類のアワードの情報が掲載されている。その他には、インターネットを使って、世界各国のアマチュア無線連盟のホームページなどにアクセスして調べているという。
The K1BV DX Award Directory