[OTミーティング]

永井さんは、同じ年代のハムと、時々ファミリーレストランなどに集って、情報交換を行っている。その他、Eメールや有線電話での情報交換はもちろん、最近ではスカイプも導入して活用しているという。そのうちの何人かを紹介する。

JA3GO 小村さん

1930年生まれの小村さんは、もともと堺市の浜寺で開局。現在は大阪市内に在住し、144MHz帯を中心に活躍している。特筆すべきは、2006年4月に、友人である当時71歳の永井さんが、1アマの国家試験に合格したことに刺激を受け、当時76歳になっていた小村さんも受験申請書を提出。同年10月の国家試験で、1アマと2アマの国家試験に同時に合格したことである。

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左からJA2LKC中奥さん、永井さん、JA3GO小村さん。

JA3AAC(ex JA4GG) 北川さん

北川さんは、神戸市内に住んでいた高校生時代に無線従事者免許を取って開局準備をしていたが、家族揃って広島県三原市に転居したため、まずは三原でJA4GGを開局した。その後は、また神戸に戻り、コールサインをJA3AACに変更した。同じ阪神クラブに所属していた永井さんとはその頃からのつきあいで、北川さんは現在も阪神クラブの現役メンバーとして活躍している。現在は、50MHz、144MHzを中心に運用している。また、北川さんは、海外に在住している2人の娘さんとスカイプで話をしているという。

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JA3AAC北川さん。

JA9CD(ex JA2YD) 柳原さん

柳原さんは、高校生時代に福井県でJA2YDを開局した。当時の日本にはまだ9エリアと0エリアは存在せず、北陸地区は2エリア、信越地区は1エリアだった。そのため、福井県で開局すると、JA2WA〜JA2ZZのコールサインが割り当てられていた。その後、9エリアと0エリアが誕生すると、JA2WA〜JA2ZZのコールサインは、JA9AA〜JA9DZに変更され、それに伴って柳原さんのコールサインもJA2YDからJA9CDに変更になっている。

永井さんが大学生の頃、まだ高校生だった柳原さんは、福井から神戸の永井さんの家に遊びに来て1泊した。夜な夜な無線談義を深め、それ以来のつきあいとなっている。当時は、他府県のハムが遊びに来て泊まっていくことも珍しくなかった。柳原さんは、後年、転職のために神戸市に転居し、神戸でJA3BJHを開局した。またこのコールサインでJARL兵庫県支部長などを歴任している。現在では、全国道の駅からの移動運用を中心に活躍している。

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JA9CD柳原さん。

JA3OZ 藤原さん

兵庫県小野市で開局した藤原さんも、永井さんが大学生、藤原さんが高校生の時代からつきあいがあり、それぞれお互いの家に泊まりに行って徹夜で情報交換したこともある。東京に転勤した後は、ずっと東京住まいとなってしまったが、つきあいは続いている。一方で藤原さんはJARLの周波数委員長を20年以上歴任、現在もJARLの3人の参与のうちの1人として活躍するなど、アマチュア無線界への貢献も大きい。

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JA3OZ藤原さん。

JA3QS 安田さん

神戸市在住の安田さんは、永井さんと学年が同じで、安田さんが神戸の大学に通っていた頃からのつきあいとなっている。その頃安田さんは大学の寮から運用していた。今は須磨区の自宅から各バンドにアクティブである。

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JA3QS安田さん。

[最新機器に入れ替え]

2006年5月、永井さんはメイン機をIC-775DX2から、IC-7800に入れ替えた。それと同時にリニアアンプも手に入れて変更検査に合格したことは以前に紹介したが、周波数表示が大きい775DX2に比べ、7800は数字などが少し小さくなってしまった。そのため永井さんは、パソコン用のディスプレイを7800に外付けし、大画面を見ながら運用している。「文字も大きくて見やすいですよ」と話す。

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外付けディスプレイを付けた永井さんのIC-7800

その他、「775DX2の時は外付けのプリセレクターが必要でしたが、7800には標準で内蔵されていますので、調子がいいです」と話す。永井さんは、50余年に及ぶ運用歴の中で、自作から始まり、各社のトランシーバーを使ってきたが、7800を選んだ理由として、最高性能の機器を求めた事以外に、関西のメーカーなので、故障したときに修理を頼みやすいことも挙げる。

[運用スタイル]

永井さんは、アマチュア無線を長く楽しむため、何か目標を持って運用することを勧める。永井さんの場合はアワードである。はじめは比較的短期間で完成できるアワードから狙っていき、徐々に難度を上げていく。ある程度QSLカードが揃ってきたら、たとえば、永井さんの現在のターゲットである5BAND DXCCの様な難関アワードを狙っていくのがよい。難関アワードは完成するのに時間がかかるため、その分長期間楽しめることになる。

その他に、「期間限定のアワードもおもしろいですよ」と永井さんは話す。たとえば、去る3月30日に7MHz帯が拡張されたことを記念して、現在CQ出版社が「7MHzアクティビティアワード」を発行している。これは、交信期間が2009年4月1日から2010年3月31日の1年間に限られているので、この期間に運用を行わないと完成できないことになる。期間限定のアワードは、「そのうち完成するからのんびりやろう」、という考えでは完成できないので、アクティビティを上げて取り組むしかない。

難関アワードの完成を目標におき、それに向かって設備の充実や、アンテナの改善に取り組む。これが永井さんの運用スタイルである。

(完)