1.はじめに

ネットで様々な作品を見ていると、「なるほど」と感心して作ってみたくなるものがあります。これは「獣医さんの電子工作とパソコン研究室」(http://cac-japan.com/electronics/)を参考にして作った、写真1のようなLEDチェッカーです。

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写真1. LEDチェッカーでLEDの点灯テストをしているところです。

今まで、あまり考えずに適当な抵抗を試し、明るさを見て抵抗の値を決めていました。そんなことをするよりも、このようにして駆動電流を決めるのがスマートな方法でしょう。

2.回路

前述のWEBと概ね同じ回路です。抵抗の値をほんの少し間違え、実験中に電流を流し過ぎてしまいました。そこで最大電流は切り替えず、20mA固定としたところが異なります。発光する色が変わるような燃焼実験も楽しいのですが、普通は燃やしてはいけません。写真2のようにブレッドボードを使ったバラックで一度組んで、動作と電流をチェックを行いました。

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図1. 回路図になります。(※クリックすると画像が拡大します。)

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写真2. ブレッドボードで一度組んで動作を確認し、定数を決めています。赤いLEDは基準用兼用のパイロットランプで、緑のLEDをテストしています。

動作は出典元に説明があります。FETを使った定電流回路とLEDで安定した基準電圧を作ります。これを100kΩのVRで分割し、OPアンプの+側に入力します。すると82Ωに加わる電圧と同じになるように、OPアンプが電流を流します。82Ωで20mAですので、この電圧は1.64Vです。これは基準用LEDの電圧と同じになります。基準用のLEDは色や種類によって電圧が変わります。すると電流も変わりますので、試しながら82Ωの抵抗値は調整して下さい。

なお、基準用のLEDには赤を用いて、パイロットランプと兼用しています。

3.作成

出典では目盛を作成しています。横着な私は20mAとする事で、VR用の目盛板を使いました。0〜100の目盛ですので、0〜20に読み替えれば良い事になります。0付近と100付近は誤差が大きくなりますが、それほど気にする事もありません。というより、気にする位なら目盛を作りましょう。どちらの場合でもVRはBカーブが必要になります。

クリップを使いましたので、テスターを入れて電流を測るのは簡単です。クリップにした事で、どのような形状のLEDにも対応ができます。「獣医さんの・・」ではソケットを使っていますが、単体のLEDにはこのほうが簡単に装着ができます。実は悩んだところでしたが、7セグのLEDでも対応できるようにクリップを用いました。

さて、ケースは写真3のようなタカチのプラスチックケースSW-75Bを用いました。006Pのホルダーをつけるには良い大きさです。頻繁に使うようなものではないので、外部電源でも良いかと思いましたが、「小型軽量で持ち運び自由」を優先してまとめました。いつの間にか006Pが腐食してしまった、では困りますので、006Pはケース外に取付ける事にしています。

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写真3. このようなプラスチックケース、006Pホルダー、目盛板を使っています。

図2のような基板の実装図を描いてから作成しました。写真4が作成した基板です。VRに3本のスズメッキ線をハンダ付けし、これを基板に直結する事で固定します。これだけでは不安定なので、ICの上に両面テープを貼って、VRの中央に軽く固定しました。写真5がこの状態です。これで十分に安定します。ここでいつものように、写真6のように動作チェックをしています。写真7がこれに合わせて穴あけ済みのケースです。写真8が基板をケースに入れて配線を終わった内部の様子です。

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図2. 実装図です。

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写真4. 基板のハンダ付けができたところです。

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写真5. このようにVRの背面に背負わせてみました。もちろん実装図を作成するときからの作戦です。

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写真6. 再びバラック状態で動作チェックします。

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写真7. ケースを穴あけし、基板を入れる直前の様子です。

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写真8. 基板を配線した内部の様子です。

4.使用感

測ってみると、目盛板どおりの電流が流れていました。両端に誤差はありますが、それほど大きいものではありません。目盛板の中央では10mAと思惑通りで、中央以下では少なめで、中央以上では多めの電流となりました。これはVRの両端の部分は可変範囲にならないので、変化が少しだけ急傾斜になるためです。これは仕方ない事なので、電流計を見ながらVRを回してみれば感覚が掴めると思います。

なんといっても作って楽しいですし、いろいろなLEDを点灯させても楽しいです。さんざん遊んでしまいました。