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No.131 「HAM RADIO 2011 in フリードリヒスハーフェン」
The No.1 in Europe! (ヨーロッパNo.1)を標榜するHAM RADIO 2011がドイツ南部の保養地「フリードリヒスハーフェン」の展示会場Messe Friedrichshafenで6月24日開会、25日、26日の3日間に、29カ国184展示とフレア・マーケット*(290の出品者)、そして 16,800人の入場者でにぎわいました。入場料は当日8ユーロ(約960円)、3日間15ユーロ(約1,800円)、ほかに学生、シニア、身障者、12〜18歳の割引があります。
*Flea Market:のみの市
写真1. メッセ・フリードリヒスハーフェンのプレスセンター。この建物の右側に会場がある。
世界三大HAMFEST(ハム祭り)
米国のオハイオ州デイトンで毎年5月の第3週に開催の「デイトン・ハムベンション」は、1952年に第1回ハムベンションを開催した最も歴史を誇るHAMFESTです。1975年4月12日、13日「第1回全日本ハムベンション」、富士山麓の朝霧高原グリーンパークで開かれました。これを受け継いだ「ハムフェア」が毎年8月の第3週に東京(一時期、横浜)で開催して今日に至ります。同じく1975年、ヨーロッパの中央に位置するドイツ南部のフリードリヒスハーフェンで「HAM RADIO」を開催して今年で36回目の歴史を有します。
フリードリヒスハーフェン 行き方
ルフトハンザ航空のエアバスA380-800、LH711で成田空港を9:30に出発、フランクフルトに14:20到着、飛行時間は11時間50分でした。フランクフルトからはドイツ鉄道(Deutsche Bahn、略称: DB)のICE577に乗車してハイデルベルグ(Heidelberg)へ。ここで一泊してICE2013でフリードリヒスハーフェン駅に入りました。
2010年はフランクフルトから小型機LH394に乗り換えてフリードリヒスハーフェン空港に入りましたが、乗り継ぎ時間が長くて結構待たされました。そして2002年は、成田からロンドンへ、ここで乗り継いでミュンヘン空港へ。レンタカーを借りてアウトバーンをドライブ、「ノイシュヴァンシュタイン城」を観光した後、麓のホテルで一泊してフリードリヒスハーフェンに入りました。他にもスイスのロマンスホルン(Romanshorn)からボーデン湖をフェリーに乗船してフリードリヒスハーフェンに入ってきた方もおられます。
シャトルバスで会場入り
昨年に引き続きブフナーホフ(Buchhoner Hof)www.buchhorn.deに宿泊しました。フリードリヒスハーフェン駅まで徒歩5分の距離にあり、同駅のバス停から会場行きの無料のシャトルバスが出ていて15分ほどで会場に着きます。同ホテルは湖岸の繁華街に近く、ドイツ伝統の建物と4星ホテルのサービスが気に入っています。宿泊代はシングル(朝食付き)@114ユーロ(13,680円)、インターネットは無線LAN接続が5ユーロ/1日でした。
5月25日〜27日、ドイツ中央鉄道駅前のバスターミナルからMESSE EXPRESS行きの無料シャトルバスに乗りこむとバスの中はドイツ語、英語、仏語などが飛び交っていて、皆アマチュア無線家ですから目が合うと微笑みが出てきて挨拶を交わします。ツェッペリン博物館前を経て空港近くの会場に15分ほどで到着。Press/Mediaセンターに直行して、ネットで登録した取材証と資料等を受け取りメイン会場に出動しました。
写真2. 36th HAM RADIOの訪問者情報パンフレット(写真をクリックすると拡大します)
HAM RADIO 2011
HAM RADIO(主催DARC=ドイツ・アマチュアラジオ・クラブ)は、DARCの主体展示に加えてヨーロッパのRSGB(英国)、REF(仏国)、ARI (イタリア)、CARA (クロアチア)、ZRS(スロベニア)、URE(スペイン)、QARS(カタール)、TRAC(トルコ)、ARRL(米国)、IARU(国際アマチュア無線連合)などがブースを並べてアワードの紹介や書籍の販売を行い、お国自慢が見どころになっています。
写真3. ICOMヨーロッパのブース
写真4. マグネチックループを熱心に見入る来場者
写真5. 高周波関連のパーツが豊富なフレア・マーケット
ARRLは「DXCCフィールドチェック」がメインで、バッジやシール等を少し置いてある程度で書籍の販売がなくてがっかり。「VEC Challenge Coin」($9.95)を買いたい希望もあっけなく潰えました。RSGBは書籍販売に力を入れてテーブル一杯に刊行物を並べていたので、以前から興味があった「Stealth Antennas」*(ステルス・アンテナ)を16ユーロ(1920円)で購入しました。
*Stealth:こっそりと、見えない。
写真6. IARUのブース。看板の下にモールス符号で「CQ IARU」の表記が見える
写真7. RSGBの書籍売り場で見つけた「Stelth Antennas」
DARCは「アマチュア・ラジオ・オペレーターからエンジニアへ」と「永遠のモールス通信」をテーマに掲げてモールス電信の歴史、青少年への取り組みを展示ボード一杯に表現してモールス符号の有用性を訴えていました。また、催事用の舞台では「自作キーコンテスト」の発表会が行われ、製作者による自作キーの製作過程を聞くことができました。メーカー製品と見紛う出来栄えのキーからアイデア溢れるキー、障害者用の両ひざで挟む形のキー、超小型キーなどの作品が紹介されました。
写真8. 催事用の舞台で「自作キーコンテスト」の発表会が行われた。
折から会場の一隅にDARCが設けた子供向け「製作教室」で作った「モールス練習機」を抱えて、ステージの話を熱心に聴き入る少年に出会いました。時折、発信機付き練習機のキーを押していました。練習機のボードにはモールスコードが、A ・- B -・・・ C -・-・のように印刷してあり、遊びながら覚えられるようになっています。
写真9. キットで作ったモールス発信練習機
上空にはアマチュア無線局を搭載したツェッペリン飛行船が飛来し、入場者とツェッペリン局とが直接QSOできる機会がありました。25日には昨年の実験を基に、アマチュア局用送信機を装備した観測用バルーンを大気圏へ飛ばしアマチュアTV (2329.00MHz)や2mと70cmバンドによるCW送信などの実験を行いました。
写真10. 会場の上空に飛来したツェッペリン飛行船
さらに初心者育成とリーダー養成のための「コンテスト・ユニバシティー」、「ハム・ラリー」、「ハム・キャンプ」、土曜日には息抜きに「ハムの夕べ」などが実施されましたし、経験豊かなアマチュア無線家向きに、世界の著名な講演者による最新の技術講演と質疑応答の機会がありました。また、DARCの出版物、電子キットの即売、大きなスペースを占める「YLコーナー」など、参加者全員参加型の催物を準備していました。
写真11. DARCの売り場に山と積み上げられた電子キット
写真12. DARCの電子キット組み立てコーナー。
まとめ
成田からルフトハンザ航空でフランクフルトまでの飛行時間を映画「Green Hornet」など6本を見続けて約12時間を克服しました。1作品の上映は約2時間ですから6作品で計12時間となり、映画を鑑賞している間にドイツ連邦共和国に到着というわけで苦痛はありません。ルフトハンザ航空はエアバスA380-800を7機所有するうちの一機を成田-フランクフルト線に投入。総2階建526席の真新しい機体を体感しました。フリードリヒスハーフェンは3回目の訪問になりますので、まずは「HAM RADIO 2011」の輪郭からお伝えし、製品展示やフレア・マーケット、アイボールQSOを次回に続けたいと思います。