Onlineとーきんぐ
No.132 「HAM RADIO 2011 エピソード集」
今回もまた成田空港からルフトハンザのエアバスA380-800に乗ってフランクフルト空港までの飛行時間は約12時間です。時間のつぶし方は様々でしょうが、筆者の場合は映画を見て過ごしました。1本の上映時間が2時間として6本を見ると目的地に到着する計算になります。映画のストーリーが面白ければ時間の経過が短く感じられ、さらには眠らないことで「時差ボケ」に効果があると言われています。
写真1. フランクフルト空港に駐機中のルフトハンザのエアバスA380-800
映画を見続ける
機内では日本で未公開の作品が見られることがあります。長時間の鑑賞に堪えるには「映画好き」なのはもちろんですが、機内貸与のイヤホンを使わず自前の高品質イヤホンを使います。今回もノイズキャンセル・ヘッドホン(SONY MDR-NC22)を携帯しました。これは音質の良さに加えてノイズキャンセル機能に定評があり、機内の騒音がうそのように消えて良質な「耳栓」代わりになります。航空機オ-ディオ変換アダプタ デュアルジャックと単4電池の予備を忘れずに携行しました。
写真2. エコノミー席の液晶ディスプレー
A380-800のエコノミークラスの液晶ディスプレーは縦11cm×幅19cmはエコノミークラスでは最大サイズ。観た作品は「グリーンホーネット」1h54、「The Eagle」1h52、「Just Go With it」1h55、「僕が結婚を決めたワケ」1h42、「抱きたい関係」1h48、「Love and other Drugs」1h52、6作品の合計11時間3分でした。
ドイツ鉄道のコンパートメント席
ドイツ鉄道(DB)ICE2013等コンパートメントにハイデルベルクからフリードリヒスハーフェンまで乗車しました。仕切り板などで区切った座席(6席)を貸し切るタイプで人数に関係なく43ユーロ。インターネットで予約してOnlineチケットをプリントして携帯、検札掛りにチケットと予約の際に使ったクレジットカードを提示すると本人確認になります。個室の6人席が長旅の疲れをいやしてくれます。
写真3. ドイツ鉄道(DB)ICE2013等 コンパートメントでくつろぐJA1IFB/KA1Z
ノンアルコールビール
食堂車に出かけてみました。今はアルコールを嗜まないのでALKOHOLFREI 0.0%の(アルコール・フリー)Bitburger(ビットブルガー) 330ml(2.5ユーロ)を注文しました。味はビールテイスト、アルコールがゼロなのにほろ酔い気分になるので、不思議に思い事情通にノンアルコールの製法を聞くと、一度ビールに仕上げてからアルコール分を取り除くため0.05%程度の微量のアルコールが残るのだそうです。
写真4. Bitburger(ビットブルガー) 330ml(アルコール・フリー0.0%)
ハイデルベク城
フランクフルトからドイツ鉄道ICE577に乗って約1時間でハイデルベルク中央駅に到着しました。駅前からバスに乗ってマルクト広場へやってきました。ここからケーブルカーでハイデルベルク城へ。ここは2008年6月、ドイツ周遊旅行で立ち寄ったので2度目の訪問になります。ハイデルベルク大学の校舎群を眺めながらハイデルベルク城へ登り、ネッカー川とカール・テオドール橋、行き交う船など景観を楽しみました。
写真5. ハイデルベルク城
モールス発振機
DARC(ドイツ・アマチュア・レディオ・クラブ)のキット製作コーナーで子どもたちがトンカチや半田ごてを使って電子工作キットを組み立てていました。指導員が付きっきりで組み立てを進めるので、キッズ(ちびっこ、こどもたち)も作ることができます。長方形の基板の左半分にA〜Zと1〜0のモールス符号が印刷してあり、中央に金属片のキー、右側はトランジスタ2石と抵抗2、コンデンサ2、スピーカーと電池006Pを配置。始めにランドを小型のハンマーで叩いて基板上に固定し、ランド間にパーツを半田づけします
写真6. モールス発振機(キット)
日独友好 & 7388
6月24日夜、フリードリヒスハーフェンFishbachヨットハーバーのJAIG夕食会に参加しました。JAIG(Japanese Amateur In Germany)の世話人、壱岐さん(DF2CW/JA7HM)の主宰によるもの。ドイツビールで乾杯。次いでJAIG賞をDJ6DOとDE1MCHが受賞しました。
日本から参加のJA1FUY、JA1IFB、JA1OXG、JA9BFMの他、多くのドイツ人ハムが出席して交流しました。懇親会を終えてホテル(Buchhorner Hof)に送ってくださる壱岐さんの車のナンバープレートが「7388」でした。
写真7. JAIG賞をDJ6DOとDE1MCHが受賞
写真8. 7388のナンバープレート
1週間の免許
2010年に引き続き6月23日から29日までの免許(Aクラス)の免許証をいただきました。コールサインはDL/JA1FUY。事前に日本の無線従事者免許証と無線局免許状をPDFにしてメール添付で壱岐さんに送りお手を煩わせました。今回はIC-92ADを持って行き、ツェッペリン飛行船との交信を目指したほか、144MHz帯と430MHz帯FMモードを受信しました。
写真9. 1週間の免許取得(DL/JA1FUY)
値切る
HAM RADIOは184展示とフレア・マーケット*(290の出品者)、そして 16,800人の入場者でにぎわいました。中でもフレア・マーケットの買い物は、売り手と買い手の会話と値切りが楽しみなコツをドイツ在住の日本人から教わりました。ジャンクの山からふと、超小型のキーに目がとまり手にとって眺めていると『15ユーロでどうですか?』とロシア人に声を掛けられました。
写真10. 超小型モールスキー(ケースを外して内部を露出)
写真11. フレア・マーケットで高周波部品に見入るドイツハム
『日本人はキーが好きですね』と愛想がいい。「10」と応じると「これ新品だよ」と箱入りを見せて「EUでは15ユーロで売っている」と引かない。もう一度「10だな」というと、潮時と思ったのか、あっさり「OK!」する。売買が成立したが、もしかすると5ユーロだったかもしれないと苦笑い。こんな話もある。店番の娘さんに無線機を値切ると「父の遺品なので安くできない」と顔を曇らせたので、つい言い値で買ってしまい『人の良さに付け込まれたかもしれない』と愉快そうに語る友人がいました。
FCC試験in HAM RADIO
6月25日早朝、メッセ・フリードリヒスハーフェンのプレスセンターでFCCアマチュアレディオ試験(リエゾン:DJ0QN)が行われると聞いてプレスセンター(2階)から会場の5階に出向くと、ドイツ人VEが1人で机や椅子を運び試験場の設営中でした。
写真12. FCC試験in HAM RADIO
FCCのVE(ボランティア試験官)資格を所持するNV1JとKA1Zの2人は、試験場設営の手伝いを申し出ると快く受け入れてくださったので、隣室から2人掛けの机と20脚くらいの椅子を運びました。程なくVEが集まってきて最後にリエゾンのDJ0QNが登場しました。両名のVEセッションカウントは18〜19回にもなりますが、ドイツチームの試験運営を見て日頃の活動に役立てたいという希望がありました。
10名余の受験者の受付が手際よく進められ、試験の開始時刻が近づきました。[試験の説明]をDJ0JQが英語で行い、当然のように受験者は英語を理解していました。DJ0JQ はDARCの執行理事会のメンバーで、K7DXのコールサインを持つDXerです。http://www.mydarc.de/dj0qn/
DK8ZZとアイボールQSO
フリードリヒスハーフェンからドイツ鉄道のIRE4204とICE770に乗り継いでフランクフルト空港に戻ってきました。ルフトハンザのチェックインを済ませて搭乗券を受け取り、コンコースを歩いていると突然、大男に呼び止められ『フリードリヒスハーフェンから昨日戻ったところだ、あなたもHAM RADIOから?』 帽子のコールサインを見て声を掛けてきたようだ。『DK8ZZだ、WE3ZIKのコールもあるよ』とにこやかに話しかけてきて記念写真をパチリ。後日、QRZ.COMで検索すると大変なコンテストマニアとわかる。搭乗口の方向を丁寧に教えてくれた空港職員でした。
写真13. DK8ZZとアイボールQSO(右:筆者)
まとめ
HAM RADIOは今回で3回目の訪問になりました。南ドイツのフリードリヒスハーフェンは日本から遠く、簡単に行ける距離ではありませんが、体力のあるうちにHAM RADIOを見ておきたいという思いで3回目の取材に挑戦しました。ヨーロッパ独特のアンテナや移動用のポールなどに見るべきものが多く、ドイツらしさを再確認しました。HAM RADIOにヨーロッパのアマチュア無線組織がこぞって参加する中、大西洋を越えてARRLとIARUがやってきてブースを構える親密な関係をうらやましく感じました。