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No.136 「スイス紀行・展望台巡り8日間」
東京(成田空港)を定刻(10:20)に離陸したスイス・インターナショナル・エアラインズLX0161は12時間30分の飛行でチューリッヒ空港へ同日の15:50に着陸しました。時差は日本時間からマイナス7時間、体内時計は夜中の0時30分。着後、専用バスにてホテル[チューリッヒ・エアポート・スイス]へ。
写真1. スイスの旅行地図
いつものことながら旅行へは携帯電話、ビデオカメラ(SONY HDR-CX370)、デジタルカメラ(OLYMPUS μ-9000)、iPod touch、ワイヤレスステレオヘッドホン(MW600-B)、10.1吋ノートパソコン(SOTEC C204A3)、ACアダプター、それに三つ叉ソケットも忘れずに持って行きます。スイスの【プラグと電圧】は差し込みコンセントが[C]タイプ、電圧は220〜230ボルト、周波数50Hzと調べがついたところで、変換プラグ[C]を探したがすぐには見つからないため、似た形の[B-1」と[SE]を無造作にバッグへ詰め込んでしまいました。
変換プラグ
ホテルの客室のコンセントは、3つ口のCタイプなのに持参の変換プラグBとSEの二つ。Bのピンφ5.0ミリ、SEのピンφ4.8ミリ、ところがCタイプのピンの太さはφ4.0なのでコンセントに挿入できない。『さあ、どうする?落ち着かなくては』『CからBあるいはSEに変換するプラグを手に入れる』『スーパーマーケットやコンビニなどにあるはず』と信じて、その機会を待つことにしました。
チューリッヒから専用バスに乗ってシャモニーへ行く途中、トイレ休憩で立ち寄ったパーキングエリアの日用雑貨を扱う売り場で、独特の形状の変換プラグを見つけました。差し込みのピンが3本、変換プラグのピンを挿す穴の口径に融通があり、BとSEが挿せると判断して6.50スイスフラン(約600円)で購入する。値段が少し高いように思うが背に腹は代えられません。因みに日本ではCタイプの変換プラグが160円〜200円で手に入ります。
写真2. C型変換プラグ(左)、スイスで購入した変換プラグ(右)
フランス・シャモニーへ
シャモニー・モン・ブランを目指して高速道路を走行すること約5時間/300km、首都のベルンに立ち寄らず、レマン湖をかすめてフランス領に入る。標高4810mの[モン・ブラン]は、フランスとイタリアの国境にそびえるヨーロッパの最高峰です。北側の麓にシャモニー・モン・ブラン(標高1035m)がある。1786年、シャモニーの猟師ジャック・パルマと医師メシェル・パカールがモン・ブランに初登頂に成功すると大勢の観光客や登山家たちでにぎわうようになる。町はずれの乗り場からロープウエイとゴンドラを乗り継いでエギーユ・ルージュの中腹[ブレヴァン展望台](2525m)へ上ると、見晴らし良好、モン・ブラン山の大パノラマを堪能する。ドリュ(3754m)やグランド・ジョラス(4208m)、遠くにマッターホルンも見える。
写真3. モン・ブラン(4810m)
ツェルマットへ
専用バスでローヌ谷とマッター谷を抜けて[マッターホルン]の麓町ツェルマット(1620m)へ。所要3時間30分/約170km。ツェルマットはガソリン自動車乗り入れ禁止の山岳リゾートのため、隣村のテーシュより列車にてツェルマットへ入る。着後、駅から徒歩にてホテル[ゾンネ]に向かう。途中、急な坂道がきつくて酸素が薄い、1620mの高地と気付く。ホテルの入り口で緑茶のサービスを受ける。ふとレストランのメニューを眺めると「ラーメン定食」34ユーロ(約3,600円)に物価の高さを知る。
部屋のACコンセントは3つ口のCタイプ、その並びに有線LAN(無料)のコンセントがあり、デジカメ等の充電とノートパソコンをつなぐ。窓際に氷河の水を集めたマッター・フィスパ川が流れ、深山渓谷の温泉宿の趣だ。ツェルマットの街に[朝焼けに染まるマッターホルン]が見える人気のスポットがある。翌日、ケーブルカーで[スネガ展望台](2288m)へ。最も美しい角度からマッターホルンが見える。マッターホルンを眺めた後は、スネガ〜ライゼー湖畔のハイキングで逆さマッターホルンを見る。所要30分。
写真4. マッターホルン(4164m)
マッターホルン・グレーシャー・パラダイス展望台
ツェルマットの村から6人乗りのゴンドラに乗りフーリへ。次いでロープウエイでトロッケナー・シュテークへ向かう。最後のロープウエイに乗ると左右に4000m峰が迫り、眼下に広大なテオドール氷河が流れる。駅からトンネルを歩き、エレベーターに乗り階段を上るとヨーロッパで最も高いマッターホルン・グレーシャー・パラダイス展望台(3883m)に立つ。高山病にかからないように注意して眺望を楽しむ。この後、氷河にトンネルを掘り氷の彫刻を展示する[氷の宮殿]に立ち寄る。ツェルマットに連泊後、サースフェーへ。
写真5. マッターホルン・グレーシャー・パラダイス展望台(3883m)
カートレインに乗り込む
サースフェーまで所要1時間30分/約50分。氷河に囲まれたサースフェー村(標高1800m)から眺めるミシャベル連峰がすばらしい。観光後、ユングフラウ地方へ。途中、乗客を乗せたまま狭いカートレインに乗り込むバスの運転技術に拍手がわき起こる。カートレインを利用してアルプスのトンネルを抜ける。
シルトホルン展望台
シルトホン展望台(2970m)から見る3峰(アイガー3970m、メンヒ4107m、ユングフラウ4158m)の眺めは絶景。1周50分で回る回転レストラン[ピッツ・グロリア]に人気がある。さっそくコーヒーを注文して三山の眺望を楽しむが、ふとガラス窓を見上げると [007]のステッカーに気付く。ここが映画「女王陛下の007」(1969年)シリーズ6作目の撮影現場と聞いた。物語は「ボンドの敵、エルンスト・プロジェクトの秘密研究所のあるアルプスの山、ピッツ・グロリア」という設定になっている。映画のストーリーをあまり記憶していないが、ボンドがこの辺りで食事をしたのかもしれないと興味をかきたてる。ユングフラウヨッホは2001年、スイス初の世界自然遺産に登録された。この日はインターラーケンのホテル[マッテンホフリゾート]に宿泊。
写真6. シルトホン展望台(2970m)から見る3峰
写真7. 映画「女王陛下の007」(1969年)のロケ地
氷河特急に乗車
午前、専用バスでスイスの交通の要所アンデルマットへ。所要約2時間30分/約100km。途中、氷河特急の由来となった「ローヌ氷河」を眺め、ヨーロッパの分水嶺“フルカ峠”を越える。午後は氷河特急と呼ばれるグレーシャス・エクスプレス(パノラマ車両/2等車)に乗車してライン河のグランドキャニオンと呼ばれるエリア(世界遺産)やランドバッサー橋など車窓から絶景続きのルートを楽しむ。所要約4時間30分。サン・モリッツに着後、ホテル[ラウディネラ」に宿泊。
写真8. グレーシャス・エクスプレス
ベルニナ鉄道
絶景列車[ベルニナ鉄道](在来線/2等車)に乗車してベルニナディアポレツァへ。所要約40分。世界遺産に指定の湖水、アルプス、氷河などを車窓から楽しむ。
ディアヴォレッツア展望台
サン・モリッツからイタリア方面へ40分ほど行った所からロープウエイでディアヴォレッツア展望台(2984m)に上がる。目の前にそびえるのはピッツ・パリュー(3905m)。山頂の向こうがイタリアだ。その右がベラヴィスタ(3922m)、その右がピッツ・ベルニナ(4049m)、モルテラッチ(3751m)が続く。足元にペルス氷河が見える。
写真9. ディアヴォレッツア展望台(2984m)の絶景
ピッツ・ネイル展望台
サン・モリッツの中心部から30分ほどでピッツ・ネイル展望台(3030m)に行ける。ケーブルカーとロープウエイを乗り継いでブロンズ製のアイベックス(ヤギの一種)が見降ろす展望台に着く。オーバー・エンガディンの谷と湖水が一望にできる。夕食はサン・モリッツ湖畔のレストランで名物のピツォッケリ(そば粉のパスタ)のコース料理。ホテル[ラウディネラ」に連泊。翌朝、専用バスでチューリッヒ空港へ。所要約4時間/210km。
写真10. ピッツ・ネイル展望台から見上げるアイベックス
あとがき
最終日、SWISS LX0160で成田空港へ無事に戻りました。19世紀末にアルプスの岸壁に穴を開けてヨーロッパの屋根まで列車を走らせたスイス人に畏敬の念を抱きます。同時に富士山より高い3883mの展望台に軽装のまま連れて行ってくれる登山鉄道やケーブルカー、ロープウエイ等の信頼度の高い機材、展望台レストランの質の良いサービスとホテル並みの清潔なトイレットに、観光立国の気概を感じました。また、全日程で山岳初心者の展望台巡りが天候に恵まれて絶景を堪能できたのは幸いでした。本稿は9月7日から14日までスイス・ツアーに参加した体験をまとめました。