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No.142 「大自然満喫!南部アフリカ3カ国の旅」
5月23日から南アフリカ(ZS)とジンバブエ(Z2)、ボツワナ(A2)の3カ国を旅して30日に帰国しました。とエンティティーを添えると聴こえが良いのですが、実はアマチュア無線とまったく無縁の[南部アフリカ3カ国ハイライト8日間]のツアーに参加したに過ぎません。ケープタウンからインターネットで豪州の友人とチャット(おしゃべり)をした際、「ZS/JA1FUY」と南アフリカにいることを明らかにすると、『珍しいカントリーにトランシーバーを持たないで行く気持ちがわからない!』と笑われてしまいました。
写真1. 南アフリカ、ジンバブエ、ボツワナの位置関係を示す
19時間40分のフライト
23日、成田からNH911便で香港へ4時間45分、香港でSA287便に乗り継いでヨハネスブルグ(南アフリカ)へ13時間15分、ヨハネスブルグからSA040便に乗り換えてビクトリア・フォールズ(ジンバブエ)へ1時間40分。目的地の「ビクトリア・フォールズ空港」に19時間40分のフライトでようやくたどり着きました。
ジンバブエ共和国
アフリカ南部の共和制国家。首都はハラレ。アフリカ大陸の内陸部に位置しモザンビーク、ザンビア、ボツワナ、南アフリカに隣接する。イギリス連邦の元加盟国。現在はロバート・ムガベ大統領の独裁政権下にある「世界最悪の独裁国家」と評される。人口1300万人。
ビクトリア・フォールズ空港に着後、ジンバブエ査証実費として45USドル*を払って入国。バスで丘の上の四星ホテル「エレファント・ヒルズ」へ。ホテルの庭からビクトリア滝の水しぶきが高く舞い上がっているのが眺望できる。小休止後、ザンベジ川の「サンセットクルーズ」へ出かけました。アフリカ南部を流れインド洋に注ぐアフリカ4番目の長さの川。川岸の茂みにカバやワニを見つけてアフリカ大陸を体感しながら太陽の沈むのを待ちました。
*ダブルUS$45。入国・出国を2回繰り返す場合に適用。シングルはUS$30。
水平線に沈む真っ赤な太陽に感動してデジカメのシャッターを押したのが、ここに掲げる一枚です。携帯した10.1型ノートパソコン(SONET C204A3)でホテルのWiFi(無料)から友人たちのメーリングリストに接続して、メール添付で写真を送ると「居ながらにしてアフリカの太陽が見られる」と好評でした。
写真2. ザンベジ川の「サンセットクルーズ」で見た沈む太陽
ボツワナ共和国
南部アフリカの内陸に位置するイギリス連邦加盟国である。南を南アフリカ、西と北をナミビア、東をジンバブエに囲まれた内陸国。 首都はハボローネ。人口195万人。世界最大のダイヤモンド生産国。
チョベ国立公園へ
バスで約80kmをドライブ。国境でジンバブエを出国して徒歩でボツワナの事務所へ。観光目的なのでビザ不要、簡単な審査で入国。チョベ・サファリ・ロッジへ立ち寄り、ここでオープンカーに乗り換えて「サファリーツアー」に参加しました。同公園はゾウの生息密度世界一、ゾウの大群に出会える場所の一つと言われています。
ジープは、屋根付きながらフルオープン、しかもフロントウインドウを倒して野生動物の中に入って行くのですから、『動物に襲われるかも!』不安が先に立つ。『ドライバーは現地人がガイドを兼ねているので安心』というものの、同行のツアーガイド曰く『いままで襲われたことがないので催行している』と笑わせてくれる。なるべく中の席と思ったが、気付くと外側に座っていた。
ジープは低木が点在する広大なサバンナに突入。南半球は冬期なので紅葉した樹木も見えるが、草はあまり生い茂っていない。茂みに低木の葉を食むインパラのオスが姿を見せる。ウシ科の偶蹄類。長くて曲がりくねった角が立派。次にアフリカハゲコウ、イボイノシシなどに出会う。
誰かが『ライオンがいる!』と指さして騒然。この後、ゾウのファミリーに出会い50cmまで接近、『運転手さん、お願いだから車を動かして!』と懇願すると、『大丈夫、ゾウはおとなしい動物なので襲ってこない』と動じない。どうやら木陰が欲しくて大樹の傍にいたジープに寄ってきたのが真相らしい。ほかにライオン、キリン、マングース、クドウ(大型のシカ)などに出会う。
午後はチョベ川の「ボートサファリーツアー」へ。小型のボートで動物を求めてクルージングしました。ゾウが川を渡る(泳ぐ)光景を目の当たりにし、中洲でカバやゾウが水草を食む様子をまじかに観察したほか、川辺を歩くイボイノシシが巨大なワニと出くわして緊迫する瞬間を見ることもできました。
写真3. チョベ国立公園で出会った野生のゾウ
ビクトリアの滝
世界三大瀑布の一つ、「ビクトリアの滝」は最大幅1700m最も深い滝壺は落差108mの大瀑布。最も水量が多いシーズンなので観光コースは水煙から降り注ぐ飛沫でずぶぬれになる。雨傘、雨合羽に身を包み長靴で歩き回る奇妙な経験をしました。雄大な滝は風向き次第で晴れる瞬間があるので、濡れないように写真を撮るのが精一杯。メイン・フォールズなど6つのパートに分かれているが、ずぶぬれになると見る気が次第に失せてきた。最後にビクトリア・フォールズ大橋を間近に見て記念写真を撮っておしまい。
空港への道すがら樹齢1500年と言われるバオバブの木「ビッグツリー」に立ち寄り、ヨハネスブルグへ。ホテルは郊外の「ミスティヒル」に泊まる。電圧は220/240V変換プラグは丸型3ピンのB3タイプに似ているが、少し異なるので持参のマルチタイプのプラグを使う。面白いのはコンセントの右側にあるプラグ型の電気蚊取器。無線LANは50ランド(1日約500円)。
写真4. 水煙から降り注ぐ飛沫が晴れて「ビクトリアの滝」を垣間見る
写真5. 樹齢1500年と言われるバオバブの木「ビッグツリー」
写真6. 丸型3ピンにマルチタイプのプラグを使う。右側のプラグは電気蚊取り器
南アフリカ
アフリカ大陸最南端に位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。首都機能をプレトリア(行政府)、ケープタウン(立法府)、ブルームフォンテーン(司法府)に分散しているが、国を代表する首都はプレトリアと認知されている。面積は日本の3.2倍、人口4,932万人。言語は英語、アフリカーンスなど11の公用語が使われている。
同国最大の経済都市にして国際空港もあるヨハネスブルグで「ライオンパーク」を訪ねました。檻のような鉄格子に囲まれた車に乗ってライオン、ホワイトライオンの生態を観察。生後5〜6カ月の赤ちゃんライオンと触れ合いながら写真撮影。この後、アパルトヘイト政策によって迫害されたアフリカ系住民の象徴の地「ソウェト」(南西居住地区の短縮形)を車窓から眺める。市内観光の後、反アパルトヘイトのリーダーで、後に大統領になったネルソン・マンデラの生家や記念館、へクター・ピーターソン記念館を訪ねる。この後、空路ケープタウンへ。
写真7. ライオンパークで見かけたキリン
写真8. ライオンパークのホワイトライオンの母子
ケープタウン
着後、ダイヤモンドの店へ。ダイヤモンドの採掘や研磨の映画を見せられて、『本日は50%引きです』に買うお人好しは誰もいません。「ラグーンビーチ」ホテルにチェックイン。無線LAN 189ランド/日(約1900円)夕食後ケープタウン市内を一望できる「シグナルヒル」より夜景観賞。
写真9. 「シグナルヒル」から見たケープタウンの夜景
翌日、ケープタウンの象徴的な「テーブルマウンテン」を観光。岩盤でできた海抜1087mの頂上が平らなところから、名前の由来となっている。山にはバブーン(ヒヒ)、ステインボック(シカ)、ケープマングース、ジャコウネコ、そしてダッシー(DASSEI)と呼ばれるアフリカの草木の生えた崖に生息する英名ケープハイラックス、イワダヌキ目の珍しい動物に出会った。
写真10. 「テーブルマウンテン」の頂上で見たダッシー(DASSEI)
この後、オットセイの島遊覧クルーズ、ペンギンの生息地(ボルダーズ・ビーチ)を経て希望峰自然保護地区へ。Cape Point, Cape of Good Hopeの訪問証を受け取り、南部アフリカの観光を終了しました。
写真11. オットセイの島を遊覧クルーズ
写真12. ケープポイントからの眺め。希望峰が見える
写真13. ペンギンの生息地(ボルダーズ・ビーチ)
あとがき
南アフリカアマチュア無線連盟(SARL)は2010年のワールドカップ期間中、事前申請で運用できると発表したのは記憶に新しく、都合が付けばSARLを訪問してみたいと考えていましたが、過密なツアーでは願いもかなわず、あきらめざるを得ません。
一方、香港-成田線B767-300の機内で観た映画「デンジャラス・ラン」(SAFE HOUSE)が面白いので紹介しておきます。ケープタウンを舞台に、36カ国で指名手配されている元CIAの凄腕エージェントの逃亡劇をハードなアクション満載で描き出す。デンゼル・ワシントン扮するトビン・フロストは南アフリカのケープタウンで拘束され、CIAの隠れ家に監禁されるが、謎の傭兵集団の襲撃を受けて職員が全滅する。かくしてフロストの護送は新人職員マット・ウェストンに一任されることに。壮大な陰謀に巻き込まれていく2人の闘いを描きだす。ケープタウン・スタジアムやヨハネスブルグの駅舎、列車が映し出されるので必見です。日本公開は9月。
参考:地球の歩き方2012-13「南アフリカ」ダイヤモンド社