ハムフェア2012(8月25日〜26日)でICOMブースに立ち寄りRC-28リモートエンコーダーとタッチパネル&スラントコントローラーを採用したマルチバンドトランシーバーIC-7100(M,S)、2波同時受信に対応したコンパクトデュアルデジタルトランシーバーID-51(GPSレシーバー内蔵)に触ってきましたので、感想を交えて紹介しておきます。

井上会長と歓談しました

ハムフェア2012のICOMブース前にたたずむ井上徳造会長(JA3FA)を見かけてご挨拶しました。『IC-7100のタッチパネル&スラントコントローラーに度肝を抜かれました。』

『そう言ってもらえるとうれしいが、今回は他社も新製品を出していますから・・・』 『IC-7000とIC-7100は併売して欲しいですね。』『どちらも優れた製品ですから・・・』

このような会話を交わしました。

IC-7100の印象

視認性に優れたスラントコントローラーとタッチパネルの採用は画期的なデザインに映りました。業界に先駆けてタッチパネルを採用した衝撃は測り知りません。その上でD-STARのDV(デジタルボイス)モードを搭載し、吸着タイプのマウントベースを(MBF-1)に対応して車載を容易にするなど、既成概念にとらわれない新しい発想にしびれたと申し上げておきます。その後、価格は165,900円と発表されました。

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写真1. アイコムブースを飾ったIC-7100の巨大なディスプレイ

「D-STAR トランシーバーを持ってハムフェアへ行こう!」キャンペーンを実施し、先着50名2日間で計100名に記念品を用意したそうですが、受け付け開始前に50名が並んだために開場間もなく記念品引換証の配布を終えたと聞きました。係の人は『嬉しい誤算だった』と話しておられますが、D-STAR無線機の普及度を確認する良い機会になったと思われます。因みに記念品はICOMのロゴをプリントしたモバイルケースでした。

RC-28リモートエンコーダー

ICOMはダイヤルでスムーズな周波数変更が可能な RC-28リモートエンコーダーを展示しました。大型のメインダイヤルとPTTスイッチ、そして任意の機能を割り当てる2つのプログラマブルキーを装備しています。パソコンとUSBで簡単接続。価格は20,790円。

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写真2. アイコムブースで東京→大阪をIP接続 実演デモ中(ハムフェア2012)

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写真3. リモートエンコーダーRC-28

さっそく、IC-7600に接続したデスクトップパソコンにIPリモートコントールソフトウェアのRS-BA1(Ver.1.1)をインストールし、RC-28リモートエンコーダーをUSBケーブルでパソコンに接続しました。次にRS-BA1 リモートコントロールを起動して、RC-28のメインダイヤルを回しても全く反応しません。これは「RC-28を使用するにはRS-BA1(Ver1.3以上)が必要です。」の注意書きを見逃していたためです。バージョンアップはVer.1.20、Ver.1.30の順にインストールしてRC-28が動作するようになりました。

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写真4. IC-7600に接続したパソコンにRC-28を装着

No.127「RS-BA1 LAN経由での遠隔操作(室内実験)」では、RS-BA1 リモートコントロール画面をマウスで操作していました。マウスを動かして周波数や音量ツマミを操作するのは、いささかもどかしさが残りました。

その点、RC-28はトランシーバーのメインダイヤルを回す感覚と同じで、リモコンがいっそう楽しくなります。動きは予想以上にスムーズで高く評価できます。RC-28本体の重量440gは安定感があり、底面に貼り付けてある細かい凹凸のあるラバーが机上にぴたりフィットして容易に動かないのが好ましく感じました。

ノートPCのDVDドライブを修復

OnlineとーきんぐNo.112 「ノートパソコンのOSを日本語版に、そしてWindows 7に」で紹介したGateway NV-52にRS-BA1をインストールする計画でしたが、ハムフェアに出かける前日、DVDドライブが突然、動作を停止して壊れてしまいました。米国で購入したパソコンなのでメーカーなどで修理する道はなく自ら直すことにしました。

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写真5. ノートPCの新旧ドライブ 白色のベゼルはBlu-rayドライブから外したもの

ハムフェアの見学を早めに切り上げてゆりかもめで新橋へ。JR山手線に乗り換えて秋葉原の電気街に行きました。友人から『オリジナルのCD/DVDドライブを探すよりもBlu-rayドライブに変更した方がグレードアップになる』とアドバイスを受けて、PCショップを渡り歩き2軒目のニュー秋葉原 LACROSでBlu-rayドライブ見つけました。装着の可否を店員に尋ねると『いけそうですね。』 新旧ベゼルの交換が難しいので、ダメもとで『外してもらえませんか?』とお願いすると、『やってみましょう。』と快諾!

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写真6. 壊れたDVDドライブからベゼルを外す

店の奥から大小のドライバーを持ってきてBlu-rayドライブのベゼルを取り外しにかかるが、ベゼルは容易に外れません。『自分たちでやったら苦労するな』とはらはらしながら作業を見守りました。ほどなくBlu-rayドライブのベゼルを取り外し、壊れたDVDドライブのベゼルと交換して一件落着。親切な店員にお礼を申し上げてパーツ代のみの支払いで済ませました。

Gateway NV-52のDVDドライブAD-7585HとインターフェースはSATA※1規格、Blu-Rayドライブ(日立LGストレージBT10N)3,570円のフロントベゼル※2の規格もGBAS※3タイプだったので、オリジナルベゼルと交換して 装着することができました。

※1:コンピュータとハードディスクや光学ドライブなどの記憶装置を接続するIDE(ATA)規格の拡張仕様の一つ。

※2:ドライブユニットの前面のカバーのこと。

※3:GBASというベゼルの規格ならベゼルを交換するとほぼ元通りになる。

RS-BA1をインストール

ノートPCのNV-52にBlu-rayドライブを装着して電源スイッチをON、何事もなく起動してグレードアップに成功しました。手元にあるDVDとBlu-rayディスクの再生を確認したところで、IP リモートコントロール ソフトウェア RS-BA1をインストールしてVer.1.20、Ver.1.30の順にバージョンアップしました。

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写真7. IPリモートコントロール ソフトウェアRS-BA1

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写真8. RC-28と付属のUSBケーブル

HFトランシーバーIC-7000にノートパソコンNV-52を接続、次にRC-28をパソコンと付属のUSBケーブルで接続します。IC-7000のメインダイヤルと同じサイズのダイヤルは、軽いが回り過ぎない感触で周波数が変わります。大きなサイズの[TRANSMIT]ボタン、[F-1]/ [F-2] ボタンに、例えば周波数のステップなどを割り当てることができます。

そして感心したのは、RC-28のメインダイヤルを回した時のRS-BA1リモートコントロールの周波数とIC-7000の周波数が同期して遅れを感じさせずにスムーズに変わりました。よく出来たリモートエンコーダーと思いました。入力電圧はDC5V(パソコンのUSBポートから供給)、外形寸法は幅64mm、高さ64mm、奥行き116mm、重量440gです。

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写真9. RC-28外観

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写真10. RC-28を真上からの見たところ

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写真11. RC-28の背面。右側にUSBポートが見える

あとがき

ハムフェア2012で発表された新製品のRC-28に焦点を当てて使用感を述べました。DVDドライブの修復はおまけの感が免れませんが、昔日、ラジオ少年の自作精神に基づくものとご理解いただければ幸いです。また、新製品の2波同時受信に対応したコンパクトデュアルID-51(57,540円)については説明を省きましたが、D-STARの普及にともない機種選択の幅が増えたことを喜びたいと思います。