5年前にラスベガスのベスト・バイ(世界最大の家電量販店BEST-BUY)で購入したノートパソコン(Gateway NV52)が突然、起動しなくなり壊れました。電源ボタンを操作しても電源ランプは点灯するものの、BIOS画面が表示されず起動しないというトラブルです。ネットで調べると、CMOSバッテリーの消耗ではないかという情報が見つかりました。

その後、いろいろ調べると放熱が上手くいかなかったことによるマザーボードの不具合が故障の原因のようです。もともと日本国内販売モデルではありませんから、パーツの供給はアメリカ本土ということになります。補修パーツとしてマザーボードは120ドルで販売されているとわかりましたが、日本に送ってもらう送料を考えると2万円くらいの出費になり注文をためらってしまいました。

偶然の出会い

Gateway、ACER、eMachinesはブランドこそ違いますが同じ会社になりましたので、共通部品も多く、せめてどれかひとつでも入手できれば、主要部品のハードディスクドライブ(HDD)やメモリを移植することができます。秋葉原の電気街を歩いていると、東芝Satellite T30の中古品が多数販売されているのに気付きました。

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写真1. PCショップの店頭で見かけたT30の看板

dynabook Satellite T-30のメモリ(PC2-5300)とHDD(2SATA)は NV52のメモリとHDDが同じ規格です。その上で補修パーツ並みの価格(14,800円)とCPUがデュアルコア、15.4インチのディスプレーにお得感があります。2012年秋Windows 8が発売された当時は、クワッドコアのASUS K55Dが39,800円で入手できましたが、その後在庫がなくなったようで15インチのディスプレーを持つモデルは、格安で入手できなくなりました。

T30 166E/5Wの仕様

T30 166E/5Wは2007年5月、6年前の製品です。どこかの倉庫に予備品として眠っていたのではないかと推測しました。次にT30の仕様を調べてみました。

CPU:Core 2 Duo T5500-1.66GHz

メモリ:PC2-5300 1GB

グラフィックス:Intel 945GM Express内蔵

HDD:80GB

光学ドライブ:CD-R/RW&DVD-ROMドライブ

ディスプレー:15.4インチワイド 1280×800ドット

通信機能:10/100BASE-TX

バッテリー駆動時間:約1.1時間

サイズ:幅362×奥行き267.8×高さ39.3(最薄部33.5)mm

重量:約2.8kg

OS:Windows XP Professional SP2

価格:19万7400円

今のノートPCの仕様と比べると、メモリやHDDの容量が見劣りするほか、無線LAN、カメラの装備がありません。

HDDとメモリの移植

NV52を裏返してバッテリーを外し、HDDとメモリを収容してある箇所の蓋を外し、それぞれを慎重に取り外します。T30も同様にバッテリーを外しHDDに続いてメモリを取り外します。小さなネジが多いので失くさないように注意しました。

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写真2. Gateway NV52の底面

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写真3. NV52(左)とT30(右)HDDとメモリを外す

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写真4. 500GB HDD(左)と80GB(右)HDD

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写真5. T30に500GB HDDと4GBメモリを装着する

OSは起動せず

NV52のOSはWindows 7です。そのHDDをそのままT30に移植 したところ起動してくれません。オリジナルのHDDは80GBと容量が小さく、OSも2014年4月でサポートが終わるXPなので、そのまま使い続けるわけにも行きません。同じパソコンを買った友人に聞くと、NV52のHDD(OS:Windows 8)をT30に移植したところ問題なく起動し、メールソフトやOfficeは電話認証で以前と同じように使えるようになったということです。

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写真6. T30のWindows 8 Proのスタート画面

Windows 8で起動したのなら、未使用のまま保管していたWindows 8 Pro発売記念優待版(8,270円)をインストールするのが解決策と考えて実行に移りました。因みに2013年2月1日以降の『Windows 8 Pro』の参考価格は27,090円(税込)です。

Windows 8 Proをインストール

光学ドライブにWindows 8 Proを挿入してインストールを済ませると、おなじみの起動画面がディスプレーに表示されインストールに成功しました。2007年モデルが新しいOSをインストールされて新しくなった瞬間です。

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写真7. 廃棄処分になるNV52(左)と新生T30(右)

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写真8. T30のWindows 8 Proの起動画面

T30のパフォーマンス

コントロールパネル>システムを開いてT30のパフォーマンスの評価を調べてみました。

T30パフォーマンスの評価は3.2(3.5)でした。(括弧内はNV52の場合)

プロセッサ:4.5 (4.9)

メモリ:4.5(5.5)

グラフィックス:3.3(3.5)

ゲーム用グラフィックス:3.2 (4.8)

プライマリディスク:5.8(7.3、但しSSDの場合)

64ビットオペレーティングシステム

Windows ライセンス:認証されている。

Windows 8 Pro

同じCore 2 DuoでもインテルよりAMD のCPUが上位らしく、PCパフォーマンス の評価はNV52が少し勝りました。実際に操作した感じではサクサク動作してストレスはありません。

まとめ

T30の14,800円はUSB2.0用無線子機(1,000円)を含む価格でした。Windows 8 Pro優待版をインストールしましたので、合計23,070円でアップグレードできたことになります。これで長い間、愛用したGateway NV52は心おきなく廃棄することができました。新しく生まれ変わったT30はアマチュア無線専用機として生かそうと考えています。