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No.154 「DIY 車載バッテリーを交換する」
スカイライン250GT(型式V36)にIC-7000とAT-180を搭載した記事をNo.121「モービルシャックはしっかりした電源ラインづくりから」を書きました。あれから3年が経過して1回目の車検を受けることになりました。
概算見積書から考えること
車検を受けるに当たり、整備会社から概算見積書を出してもらいました。それによると法定24カ月点検、ブレーキ回り、エンジンおよび下回り洗浄防錆塗装など整備項目に並んで、「バッテリー交換」(3年経過低燃費車専用)26,800円、技術料1,050円に注目しました。スカイライン250GTのバッテリー(80D23LR)は、ネット通販によると1万円前後が相場ですから、見積書の提示価格が高いと思わざるを得ません。
バッテリー交換
1965年(昭和40年)友人から譲り受けた三菱コルト600に51MHz FMトランシーバーを搭載してモービル局を開設しました。この頃から、バッテリーの交換は自ら行ってきました。この時の無線機はファイナル6360 10W、51.00MHzと51.20MHzの2チャンネルのみでした。モービル局を始める人が徐々に増え始めた頃ですから、サブチャンネルを2ch追加して、4chに改造した思い出があります。
コルト600は普通車の空冷2気筒、排気量600cc /25馬力、最高速度100km/hの仕様ですがアクセルを一杯に踏み込んでも90km/hが精一杯でした。今から考えると、軽自動車以下の性能でありました。積載バッテリーは小型の12V 30A、これにハイブリッドのトランシーバー(10W)をつないで運用するためにバッテリーへの負荷が大きく、バッテリーの補充電を含む交換などのメンテナンスを自分で行っていました。
メモリーのバックアップ
自動車の運転歴は約50年になります。バッテリーの交換等のノウハウを十分に心得ているつもりですが、事前に整備士の資格を持つ友人にバッテリー交換のノウハウを教えてもらいました。
パワーウインドウの開閉は、ドアを開ける→そのドアのパワーウインドウスイッチをダウン→アップで窓が閉まりきってからスイッチを長押しする方法で元の状態に戻ります。また、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)が初期設定になり、エンジン始動時にアイドリングが安定しないことがあります。この場合はアクセルを少し踏んだまま5分程度するとECUのメモリー機能により元の状態に戻ります。
バッテリー選び
スカイラインの標準装備のバッテリーは寒冷地仕様の80D23Lです。の性能ランクは80、5時間率容量54Ahですが、PanasonicのBlue BatteryカオスN-95D23Lなら性能ランク95、5時間率容量58Ahとなり若干性能が上になりますので、無線運用を考えてこれに決めました。ネット通販のamazonから12,600円(配送料720円)で購入しました。格安の外国製バッテリー(再生品を含む)が流通していますが、製品の信頼度を考えて国産バッテリーを選びました。結局、自動車ディーラーの見積りの半額で購入できたのですから満足しています。
Panasonic N-95D23Lバッテリーと「カーバッテリー寿命判定ユニット」(左)、 「エーモン1686メモリーバックアップ」(右)
Panasonic N-95D23Lバッテリーの上部
カーバッテリー寿命判定ユニット
バッテリーの購入時にPanasonic「カーバッテリー寿命判定ユニット」1,834円を合わせて購入しました。バッテリーの+と-端子に接続してバッテリー上部に固定して使うもので、エンジンの始動性能を5段階のLED点灯パターン(レベル1〜レベル5)により正常⇔要交換を判定してくれます。詳しくはPanasonicのWebサイトをご覧ください。
http://panasonic.jp/car/battery/lifewink/lw01.html
「カーバッテリー寿命判定ユニット」
メモリーバックアップ
バッテリー交換時のメモリー保護に「エーモン1686メモリーバックアップ」(770円)を購入しました。12V専用のメモリーバックは単三電池6本(9V)でメモリーを保護するもので車の時計、オーディオ、パワーウインドウなどのメモリーが保持されます。写真で見る通り、バッテリーケースと赤黒のビニール線にワニ口クリップが付いているだけですから自作も可能です。
エーモン1686メモリーバックアップ
エーモン1686メモリーバックアップの内部
バッテリー交換法
一般に「バッテリー交換法」をネットで検索するといろいろな例を探すことができます。事前にスカイライン250GTの場合を調べておきました。バッテリーを覆っているカバーを外すと内部は見えますが、それだけではバッテリーを外せません。次の手順で作業を行いました。
スカイライン250GTのバッテリー収容部
蓋を外すとバッテリーが見える
枠を外す
ワイパーカバーを外したところ
梱包材の束帯をバッテリーの下に通して輪を作る
1.カバー(ふた)を外し、外周の5箇所のクリップを取り、枠を外す。
2.ワイパーカバーのクリップを取り、ワイパーカバーを外す。
3.バッテリーを固定しているステイを外す。
4.メモリーバックアップのワニ口クリップを接続する。+赤、-黒
この時、室内灯、ドア等などがOFFになっていることを確認する。
5.80D23Lバッテリーターミナルの-側から外し、次いで+側を外す。
6.梱包材の幅広の束帯をバッテリーの底に通し、輪にしてバッテリーを吊り上げる。
7.95D23Lを装着してステイでバッテリーを固定する。
8.+側端子を+に取り付け、次に-端子を-側に取り付けナットを締めつける。
9.メモリーバックアップのワニ口クリップを外す。
新バッテリー(左)と古いバッテリー(右)
N-95D23Lバッテリーを装着した
バッテリー上部に「カーバッテリー寿命判定ユニット」を取りつける
「カーバッテリー寿命判定ユニット」のアップ
工具は10ミリのスパナとマイナス・ドライバーを用意しました。ステイを止めるナット、バッテリー端子のナットも10ミリが適合します。(車種によっては異なります)
10ミリのスパナ
バッテリーの処分
外したバッテリーを処分しなければなりません。ネットでバッテリーを購入した場合、外したバッテリーを無料で引き取るサービスが付いている場合がありますが、Panasonicバッテリーの場合は、保証書にカーバッテリー回収券が付いていて「販売店にお持ちください」とありましたが、購入先が遠方でもあり、やり取りが面倒なので、自動車ディーラーに引き取りを打診すると無料で引き取ってくれました。バッテリーは産業廃棄物ですので近くの産業廃棄物の処理場または解体業者、カーショップ等に相談してください。おそらく処分費用は有料になると思われます。
まとめ
DIY(Do It Yourself)は、専門業者に任せずに自らの手で生活空間をより快適に工事しようとする概念のことです。今回はDIYを実践するため「バッテリー交換」に取り組みました。バッテリー選びと購入、そして取替作業の難易度は低いと言いましても、車のオーナーが自ら行う場合は、車の安全性に関わることなので各自の責任の元に作業を進めていただきたいと思います。稀にはバッテリーのプラスとマイナス端子の接続を誤り、配線や電装品にひどい損傷を与えた話を聞いたことがありますので、自信のない方は自動車ディーラーや整備工場に任せるのがよろしいかと思います。