ハムフェア2014の会場を歩き回り、「JASTA(日本アマチュアSSTV協会)のブースに立ち寄ったときのことです。友人のHさんと挨拶を交わして思いがけない情報がもたらされました。「最近、スマホでSSTVをやっています。」とSSTVの受信画像を見せてくれました。「ソフトはDroid SSTVでGoogle Playから購入します。iPhoneでもできますよ。こちらの方が扱い易いかもしれません。」このような情報を得て、Google PlayのアプリからDroid-SSTV for Ham Radioを見つけ719円で手に入れました。

スマホ(ARROWS XF-02E)にDroid SSTVをインストールしました。ネット検索で日本語による操作事例を探しましたが見つかりません。英語による解説がいくつかありましたので「お気に入り」に入れておきました。とりあえず、動かしてみたい欲求に駆られてスピーカーから流れるSSTVのピロピッピッの音にスマホを近づけてRXボタンにタップすると、レベルバーが作動してモードを自動検出、画像を描き始めました。

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SSTVのピロピッピッの音にスマホを近づけて受信した画像

もう一歩進めて

昨今はコンテスト以外にSSTV信号を見つけるのは難しいので、MMSSTVで簡単な送信画像を作ってテストしました。モードを選択した上でTXボタンにタップすると送信がはじまり、モニター音が出てきますので、スマホのマイク/スピーカー端子にコンデンサマイクを付けてスピーカーに近づけました。

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MMSSTVの送信画像

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コンデンサマイク

時を同じくして、スマホの上部にあるステレオイヤホン端子にマイクとイヤホン(メス)を分離するケーブルを用意しました。 3.5mm 4極(オス)-3.5mmステレオケーブル(590円)をamazonで入手しておきました。これは後で紹介するインターフェースをつなぐ際に必要になります。

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3.5mm 4極(オス)-3.5mmステレオケーブル

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スマホの「ステレオイヤホン端子」にステレオケーブルを接続

Droid SSTVの仕様

【受信モードの機能】

1.チューニングを容易にするスペクトラムアナライザー

2.自動同期(自動傾き補正)

3.自動モードの検出

4.SSTVのヘッダーを検出し、自動的にモードを検出する

5.音声信号を調整するレベルバー

6.SDカードに受信した画像を保存

7.共有(メール、Dropbox等)の画像を受信

8.モードはScottie 1、Scottie 2、Scottie DX、Martin 1、Martin 2

【送信モードの機能】

1.Droid SSTVのギャラリーにSDカードから9枚まで事前ロードできる

2.写真のコントラスト、明るさ、彩度を調整できる

3.画像の上にテンプレートを重ね合わせるためのエディター機能を備える

4.マクロはテンプレートで使用できる

操作は直感的に!

【RX】受信画面

【TX】送信画面上段

【History】受信履歴

【TX】送信ボタン

【Macro】Enter QSO DATA

【Header ON】送信画像ヘッダーのオン、オフ

【Droid SSTVギャラリー】下段のギャラリーを長押しで写真を取り込む

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【TX】をタッチして送信

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【History】受信履歴

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【Macro】Enter QSO DATA

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【Droid SSTVギャラリー】下段のギャラリーを長押しで写真を取り込む

【テンプレート・エディタ】

文字の挿入はギャラリーの後ろ9枚がエディターになっているので、任意の1枚を長押し+ボタンをタップ、Macroをタップ、Macroを選択した後、画面中央のnotextをタップ、notextを削除して、交信相手のコールサインをタイプする。ここで文字のサイズや色、文字の縁取りなどが変えられる。文字の配置が決まるとsave Templateにタップして保存する。文字の訂正は×ボタンをタップ。Macro画面を長押しで写真にテンプレートを重ね合わせることができる。

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Macro選択画面

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Notext%cを削除して文字を入力する

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文字入力が済むとSave Templateにタッチ、保存

【写真の取り込み】

空のギャラリーを長押し、SDカードの写真をタップ、写真に赤枠が重なっているので、赤枠でトリミングする。 赤枠の任意の位置に合わせて左隅をポイントして引っ張ると拡大する。写真のコントラスト、明るさ、彩度を調整した後にSelectをタップすると写真はギャラリーに移行する。なお、Droid SSTV - SSTV for Hamを起動中にメニューキーをタップすると、Settings(スクリーンの設定)、help(マニュアル)、exit(終了)、other Apps(インターフェース情報)、info(Version V1.32)が展開します。

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写真の赤枠でトリミングする。

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赤枠の左隅をポイントして引っ張ると拡大する

インターフェース

SSTVの送受信にはスマホのSP+MIC端子からインターフェースを介してトランシーバーに接続しますので、インターフェースが必要になります。

1.Droid SSTVが推奨するインターフェース(Helpに掲載)

(WolphiLinkの通販($39.99)、IC-706用のケーブル($8.99)で購入できます)

2.IC-7000の取扱説明書p.104のインターフェース(実体図)

3.WinPix Pro(JASTA頒布)

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スマホとWinPix Proインターフェース

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WinPix Proの基板

WinPix Proの13pin-6pinミニDINをIC-706MKIIGMのデータ端子(13pin)に接続しました。このプラグをIC-7000用に配線を変えて、そのまま使えます。

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IC-706用に配線した 13pin-6pinミニDIN

おわりに

携帯情報端末のスマホはアプリ次第でCWトレーナ、バッテリーの使用履歴、SDRなどに使えて利用価値が高いことがわかっています。今後も便利で面白いアプリが出てくると思われますが、今、興味を持っているのはDroid RTTYです。マクロボタンもあり、送信ができるのも驚きですがスマホの画面にRTTYの文字が流れる様子を見ておきたいと思います。Droid SSTVもそうですが、基本的な機能や操作方法はアプリの英文マニュアルを読むとわかるようにできていますので、これからも積極果敢に攻めて行くつもりです。