Apple iPod touch 第4世代64GB MC547J/A (iOS6.1.6)は音楽や動画の再生、無線LANを通じてiTunesで楽曲の購入が可能です。また、Safariを搭載してWebサイトの閲覧をはじめとするインターネット端末の役割を持っており、App Storeからダウンロードしたアプリケーション(以下、アプリ)の実行機能も搭載しています。

2010年9月2日発表のiPod touchのマルチタッチディスプレイ3.5インチは、今となっては色あせてきた感が免れませんが、960×640ピクセルの解像度、Apple A4プロセッサ、3軸ジャイロセンサー、フロントカメラと背面カメラの装備、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)等の諸機能は、ハム用アプリの展開に十分な性能を有しており、バッテリー駆動時間が40時間(音楽再生)と長いのも使い勝手の良さを示しています。次にiPod touchにインストールした3種類のハム用アプリを紹介いたします。

「ポケット・ガイガーKIT

OnlineとーきんぐNo.135 「iPod touch を使ったDIY線量計=ポケット・ガイガーKIT」を紹介しました。東日本大震災後、非営利プロジェクト「radiation-watch.org」が[ポケット・ガイガーKIT]の頒布を始めました。ポータブルメディアプレーヤーおよび携帯情報端末と組み合わせたDIY線量計は、発売当初の入手困難な時期を経てDIY愛好家の間で熱烈に歓迎されたのは記憶に新しいところです。

友人たちは住まい周辺の線量を測り「雨水ますの土が一番高い。」「どこそこの公園の砂場の線量がかなり高い。」などと分析して話題になりました。一世を風靡した「ポケガ」は「超高感度ポケガ」(ポケット・ガイガーType、6,450円)に進化していました。残念ながら従来モデルのType1~3は売り切れ中でしたのでType4を紹介しておきます。なお、iOS用のアプリはType1と同じようにWebサイトからダウンロードできます。Lite版は無料、Pro版は600円です。

http://www.radiation-watch.org/p/blog-page.html

photo

iPod touch(左)とポケガ(右)

Type4の対応機種

・iPhone 3GS/4/4S/5/5S/5C

・iPad (第1~3世代/air /mini)

・iPod touch (第3世代32GB/64GBモデル 、第4~5世代)に対応

(いずれもiOS6.1以上であること)

Type4の主な特徴

・高感度PINフォトダイオード搭載

・約2分で線量を測定可能(日本国内での標準測定時間)

・電池不要のコンパクトサイズ

「アマチュアラジオ試験準備プール」無料版

米国のアマチュア・ライセンスの取得はApp StoreからAmateur Radio Exam prep pool Freeをダウンロードするのが合格の早道です。テクニシャンクラス(Technician)エレメント2、ゼネラルクラス(General)エレメント3、エクストラクラス(Extra)エレメント4の3クラスの全問題と答えを収録しています。

出題と解答はすべて英語ですからある程度の読解力が求められます。問題を見て答えが浮かぶようになると合格点に達しますので、繰り替えして覚える努力が必要です。A B C Dの選択肢の中から正しいものを選択する方式です。始めは問題と解答を理解しながら覚えていき、自信がつくと本番の試験と同じように回答して8割の正答を目指します。

因みにテクニシャン級とゼネラル級が35問中26問の正答で合格となり、エクストラ級は50問中37問の正答で合格です。解答を間違えると赤色で「A is wrong」、正解は緑色で「D is correct」と表示されます。無料版で十分に学習効果が挙げられますが、希望する方に向けた有料版(600円)もあります。

photo

iPod touchのホーム画像

photo

Exam Prepの模擬テストメニュー画面

photo

模擬試験(1)

photo

模擬試験(2)

photo

模擬試験(3)

「SSTV(スロースキャンTV)」

ブラック・キャット・システムズ(Black Cat Systems)のSSTV(送信・受信)アプリです。App Storeから300円で購入できます。操作方法はOnlineとーきんぐNo.168 「スマホにSDR TOUCH+ドングル」に準じてご覧ください。使い方は簡単で直感的に操作できます。SSTVの信号を検出すると同時に画像フォーマットが自動的に選択されますし、受信状態が悪い場合は手動による起動もできます。受信した画像は保存できますし、iPod touchのカメラで撮影した画像に文字を挿入して送信画像にすることができます。

photo

SSTV受信画像

photo

Scottie S1 位相の調整ができます

photo

SSTVモードの一覧

photo

送信画像の作成に必要なメニュー

photo

送信画像に文字を挿入するSet Text

photo

受信した画像を保存するSaved Images

● 対応するSSTVモードは次の通りです。

-------------------------------------------------------------

B&W 8 sec/B&W 12 sec/B&W 24 sec/ B&W 36 sec

Robot 24C/ Robot 36C /Robot 72C

SC-1 sec/SC-1 16 sec/SC-1 32 sec/SC-2-180/SC2-60/SC-2-120

Martin M4/ Martin M3/ Martin M2/ Martin M1

Scottie S4/ Scottie S3/ Scottie S2/ Scottie S1/ Scottie DX

PD50/PD90/PD120/PD160/PD180/PD240/PD290

MP73/MP115/MP140/MP175

MR73/MR90/MR115MR140/MR175

-------------------------------------------------------------

受信画像

MMSSTVで送信してスピーカーから流れる音に、iPod touchの内蔵マイクで受けましたので、この程度の画質はやむを得ないところです。Droid-SSTVの受信画像と比較すると大きな違いが認められませんが、本格的な運用を考えるならインターフェースをつなぐのが本来でありましょう。SSTVの信号を見つけた時にポケットからiPod touchを出して、SSTVアイコンにタップ、アプリを起動して画像を受信するというのもカッコいいかもしれません。

photo

MMSSTV Ver 1.13により疑似送信

インターフェース

Droid-SSTV の場合と同じで、3.5mm 4極(オス)-3.5mmステレオケーブルとIC-7000の取扱説明書p.104のインターフェース(実体図)、あるいはWinPix Pro(JASTA頒布)を使います。なお、ブラック・キャット・システムズのWebサイトではiPad/iPhone/iPod touch用のマイクアダプターを掲載していますので、簡単に作ることができます。また、アダプターの空中配線例の写真が参考になりました。4極ミニプラグと抵抗4.7k、小型トランス、そしてボリュームの4点で構成されているためSSTVの画像を受けたい場合に、だれでもすぐに取り組める利点があります。なお、ここに示すマイクアダプターはアレンジを加えて作画してあります。

http://www.blackcatsystems.com/ipad/iPad_iPhone_iPod_Touch_Microphone_Wiring.html

photo

iPad/iPhone/iPod touchマイクアダプター回路

あとがき

久しぶりに「ポケガ」のWebサイトにアクセスしてType4を知りました。「アマチュアラジオ試験準備プール」は、エクストラ級に合格した後になってインストールしたアプリです。受験する前にこのアプリを知っていれば、持ち歩いて模擬試験を繰り返していたはずです。SSTVのピコピコピッの音は、アダプターがなければ画像が見ることは適いません。「音だけでなくSSTVの画像が見てみたい。」という要求に応えた優れたアプリと評価しておきます。インターネットを経由して写真を瞬く間に伝送できる時代でも、無線送受信機と携帯情報端末の組み合わせで画像通信に挑戦する価値は十分にあると考えています。