Onlineとーきんぐ
No.178 「Bluetoothポータブル・スピーカー」
「ソフトバンクのスマホを買うとOnyx Studioがついてくるよ。ハーマンカードンはランドローバーやベンツに採用されているスピーカーアンプが格安! ハーマンカードンはJBLと双璧をなすオーディオブランドですよ。」またとない情報が友人からもたらされました。
アマゾンから届く前に「ハーマンカードン」(harman/kardon)について調べました。1953年、音楽と芸術に深い関心を持つオーディオの権威、シドニー・ハーマンとバーナード・カードンによりハイファイオーディオの製造会社を起業しました。創業から62年が経過してハーマンインターナショナルは、スピーカーのJBL、ヘッドホンのAKGなど10の有名ブランドを傘下に収める世界最大級のオーディオメーカーに成長しました。
Onyx Studio(左)とKindle Fire HDX(右)
音域の広さに驚く
一見してスピーカーにしか見えないOnyx Studioにあまり期待していませんでした。電源スイッチをONにして携帯音楽端末のiPod touchをBluetoothでペアリングしました。始めはショパンのピアノ曲を選びプレイボタンをタッチ、澄み切った高音域から中音域がのびやかに広がりました。Onyx Studioの上部にある音量ボタンの+を押すと迫力のパワーが全開になり、豊かなサウンドに包まれる感じです。次にJ-POPSのBENIに切り替えて聴き比べてみました。小型のスピーカー2個、ツイーター2個なのに重低音の響きは大型スピーカー並みであることに驚くと共にイージーリスニング※に向いていると直感すると同時にすっかり気に入りました。
※easy listening、くつろいで楽しめる軽音楽の意味
ドロン・コーンが見えるOnyx Studioの背面。
Onyx Studioの側面。
Onyx Studioの背面下部。
パワー端子(右)とUSB端子(ユーザーは使えない)
Onyx Studioの上部に音量調節の+と-の押しボタン。
電源オン・オフ押しボタン、Bluetoothペアリング押しボタン。
モーツアルトのお父さん犬
テレビのCMに出てくる白戸家のお父さん犬がモーツアルト風のかつらをかぶり、「いい音楽を聴くときはそれなりの格好をしないと・・・。」「誰の真似?」「真似じゃない!モーツアルトだ。」「おばちゃんカットと思った。」と笑わせて、次のシーンで丸型スピーカーの背面に前足を当てて「ああ~あ~」と叫んでいる映像が流れました。これはスマホに丸型スピーカーアンプ(Onyx Studio)がついてくるというキャンペーンでした。前足を当てているところが低音域を受け持つドロン・コーン※の効果を的確に表現しています。
※振動版だけのスピーカーユニット。ドロン(なまけものコーン)。一定の周波数で共振してバスレフ・ボードと同様の低音放射の動作をするので、サブウーファーに使われる。
Bluetooth専用
Onyx Studio はスマートホン(スマホ)などとBluetoothでペアリングして、音楽を楽しむ機能です。Bluetoothを有する端末ならタブレット、iPod touch、ポータブルオーディオプレイヤなどが対応するほか、ノートPCやデスクトップPCもiTunesなどダウンロードした音楽が音源となります。ただし、映画の鑑賞では映像の動きとオーディオに若干の遅れが生じるので、あらかじめ知っておかなければなりません。Bluetoothの到達距離は様々ですが隣の部屋や階下に移動しても問題なくつながりました。
4つのスピーカーとドロン・コーン
スピーカーグリルのカバーを外すとドライバーユニットが露出します。直径28mm×161mm(幅)×260mm(高さ)の筐体にウーファー(3インチ)×2、ツイーター3/4インチ×2の4個に15W×4台パワーアンプを内蔵しているほか、パッシブラジエーター※×2で高音域から重低音までHi-Fiサウンドを再生します。ドライバーユニットは最上部がパッシブラジエーターです。その下の左右に3/4インチのツイーター、下部に3インチのウーファーを左右に配置してあります。もう一つのドロン・コーンは背面にあります。CMの映像でお父さん犬の前足が震えていた箇所です。
※磁気回路のないスピーカーをメインスピーカーの同軸線上に設置し、メインスピーカーの背圧で振動板を揺らして低音の増強を図るスピーカーユニットです。
Onyx Studioのスピーカーグリルのカバーを外す。
リチウムイオンバッテリーを内蔵
ACアダプタは交流100V~240V、50/60Hz。19V、2A、内蔵バッテリーは3.7V、2.6A、消費電力最大38W、待機時1W未満。バッテリー内蔵なので交流電源なしでも約5時間のポータブル運用ができるので、AC電源のない戸外での使用に適します。
音楽端末は何がいい?
普段は、iPod touchはイコライザーが使えるので音源に合わせて音色の変化を楽しんでいます。携帯音楽端末としては使い勝手は最高です。最近新調したONKYO CD/SD/USBレシーバーにBluetoothでペアリングしてイージーリスニングを楽しむこともあり、また、TEAC USB DAC アンプを使うこともありますが、Onyx Studioの手軽さは癖になるところがあって使用頻度が高くなります。
Onyx Studioとkindle Fire HDX、手前がiPod touch(左)とスマホ(右)
Kindle Fire HDX
OnlineとーきんぐNo.176「家じゅうどこでもテレビ」で紹介しましたKindleのコンパクトな(7インチ)タブレットは、Webサイト閲覧、Gメールの送受信だけでなく電子書籍に使えると書きましたが、ほかにもカメラ機能、音楽端末としても使える万能性を持つ優れた端末です。家にいるときはデスクトップやノートPCがネットサーフィンやOFFICE WORDで文書作成を担当すると、Kindleタブレットを音楽端末の専用機として使います。
スマートホン
Web閲覧のほかメール、路線案内、マップ、Google検索などに使います。また、音楽サイトから楽曲をダウンロードして音楽を聴くのにも使います。ヘルシンキからサンクトぺテルブルグへ移動の特急列車内で無料のWi-FiにつなぎYahoo NEWSで日本のニュースを読むことができました。万能端末のスマホは内蔵するBluetooth機能を介して、Onyx Studioと組み合わせて快適なリスニング環境を構築できます。
iPod touch
マルチタッチディスプレイ3.5インチのiPod touchは、ディスプレイが小さくてWeb閲覧に向いているとは言えませんが、携帯音楽端末としてはディスプレイが小さいがゆえに持ち歩き時に軽いので、Bluetoothイヤホンと組み合わせて音楽専用に使っています。いざとなればWi-Fiに接続してメールの送受信、Webの閲覧、電子ブックなどの用途に使える万能端末です。普段はOnyx Studioにつなぎますが、リビングではBluetooth対応アンプにペアリングしてイージーリスニングを楽しむこともあります。
Windowsタブレット
富士通のWindowsタブレットFMVNQ4LEは、Bluetooth機能でワイヤレス・キーボードとワイヤレスマウスをつなぐこともあり、フルセットではノートパソコンと同じ状態になります。このタブレットも音楽端末として使います。インテルAtomTM Z670-1.50GHz、10.1型ワイド WXGA1677万色ディスプレイ、SSD/30GB、メモリ 2GB、Windows 7 Professional(32bit)、バッテリー使用で約3.2時間 、外形寸法W275×D193×H16.2mm、約720g。
PCにBluetooth機能を付加
Bluetooth機能がないノートPC、デスクトップPCには、USB端子にアダプタを挿してOnyx Studio に接続します。ネット通販にてサンワのBluetooth 4.0USBアダプタMM-BTUD43を購入(1,609円)しました。このアダプタは高音質・低遅延で音楽や通話が楽しめるapt-Xコーデックに対応しています。使い方は簡単でUSB端子にMM-BTUD43を挿すと自動的にプログラムがインストールされてBluetoothが使えるようになります。
サンワのBluetooth 4.0USBアダプタMM-BTUD43
おわりに
Onyx StudioはBluetooth専用なので使い方が限られますが、Google PlayやiTunes
などで音楽を携帯端末にダウンロードしてヘッドホンで聴いている方なら、リビングで聴くときはBluetoothでOnyx Studioに飛ばして音量を上げて音楽を聴くスタイルに抵抗がないと思われます。シンプルな形状なのに重低音をカバーするスピーカーアンプがイージーリスニングに最適なオーディオ装置と紹介しておきます。購入価格は5千円~1万円で手に入るはずです。