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No.80 デイトンハムベンション一人旅のすすめ ~準備編~
今年も「デイトンハムベンション」の季節が巡ってきました。室内展示500小間とフレアマーケット(Flea Market=のみの市)2,300小間が人気のハムの祭典が5月18日~20日の日程でオハイオ州デイトン市の郊外、ハラアリーナで開かれます。世界トップレベルのイベントに世界に先駆けて新製品を見ようと全米から大勢のアマチュアがハムベンションにやってきます。近年は日本人アマチュアの参加が多く、米国文化に溶け込みアマチュア同士の交遊が盛んになりました。こうした状況を背景にこれからでかけてみようという方のために「デイトンハムベンション一人旅」~準備編~をまとめました。
デイトンハムベンション2007とARRL EXPOの広告(QST4月号)
3泊5日の出張並みの旅行
デイトンハムベンションは金曜日と土曜日の終日、会場に通い詰め、日曜日の早朝、デイトンを離れるのが一般的です。日曜日は正午で閉会ですから、フレアマーケットの出展者は帰り支度に忙しくて、くしの歯が欠けたように閑散とするのがいつもの見慣れた風景です。開会前夜に一泊、会場に2日間通って2泊の計3泊あると十分でしょう。
成田空港を17日午後2時10分発のユナイテッド0884便でシカゴ・オヘア空港(午前11時)へ。ここでUA0546便に乗り換えて17日午後3時15分、デイトン空港へ降り立ちます。せっかく米国に出かけるのだからラスベガスでカジノもしたい、グランドキャニオンの峡谷も見たいなどと欲張った計画を立てると大がかりになり、出かけるのが億劫になるので、デイトンハムベンションに的を絞って出張並みの3泊5日の旅を計画しました。
航空券の確保
シカゴ-デイトン間の座席が取り難くなったと聞いて、チケットの手配に動くのがいつもの例です。成田-シカゴ-デイトンのコースをオンラインで予約のできるユナイテッド航空のEチケットを確保しました。パソコン画面を見ながらいくつかのコースを見ながら希望の時刻にあわせてコースを決め、座席表を見て空いた番号をクリック、往復の座席がその場で決まるのは便利。はじめ海外格安航空券で有名なH社のWebサイトで料金を調べたところ、5月17日とデイトン(あるいはDAYTON)と入力して検索すると、最安値のコンチネンタル64,800円から最高値の89,800円まで10例が示されました。
ここでユナイテッドの79,500円を選んで事務所に電話して空席状況を聞いてみると、「おとりできますが、燃油サーチャージ3万円くらいの追加になります」に、「また掛け直す」と言って電話を切りました。燃油サーチャージがかかることを忘れていました。これは燃油価格の継続的な高騰と長期化により、燃油価格が一定の水準に戻るまで、航空各社が別途徴収するもので航空券には含まれない付加料金です。
そこで航空各社の航空チケット料金をオンラインで調べると、ユナイテッド航空113,230円、アメリカン航空115,610円、JALとANA 135,610円の順で、燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)込みの料金とわかりました。結局、いつものユナイテッド航空を選び、同社のWebサイトでEチケットの予約を済ませる。Eチケットは手ぶらで空港に出かけて、カウンターで名乗るだけ、カードの提示も必要ないチェックインが気に入っています。
シカゴ~デイトン間は、ユナイテッドやアメリカン航空など米系航空会社が成田~シカゴ間に就航しているが、一ヶ月前の航空券は、経由地のシカゴとデイトンの路線が満席になり確保が難しくなります。ダラス乗り換えの路線もありますので、あの手この手でデイトン入りを考えましょう。どうしてもローカル便が取れないときは、シカゴからレンタカーでデイトン入りを考えても良いかもしれません。
レンタカーの予約
デイトンではレンタカーの利用がお勧めです。レンタカーを借りる際、カウンターで「国際運転免許証」提示を求められますからあらかじめ取得しておきましょう。運転免許センターで即日交付、各警察署で後日交付(2週間後)、手数料は2,650円です。Hertzの場合、予約&料金紹介のページを開いて日付、借りる日、返す日、到着時刻、車種など必要事項を入力しますが、この際、NeverLost In-Car Navigation System(カーナビ)にチェックマークを入れて、カーナビ付きの車を予約します。料金は約30ドル。借り出しと返却地はデイトン国際空港にしました。決済はクレジットカードで行います。ホテルとハラアリーナの往復に、またダウンタウンや飛行機博物館などに出かけるときに正確に誘導してくれます。日本語の音声ガイドに加えて、マイルからキロメータの切り替えもあり、どこへでも出かけられます。
ハラアリーナの下見
ホテルに入る前に「ハラアリーナ」に出かけて、事前のコースの確認も悪くありません。パーキングは会場の周辺にあり、1日3ドル、3日間通しで8ドルです。写真からも分かるように、会場は陸の孤島の印象です。いったん会場に入ると昼食も休憩もすべてアリーナの中でハンバーガーやホットドッグなどのファーストフード過ごすことになります。
入場開始は3日間とも午前7時、閉場が18日午後6時、19日午後5時、20日正午。入場券は当日窓口で25ドル、前売りはオンライン申込みで20ドルとお得です。12歳以下は無料。
屋内会場のHaraアリーナ
ハムベンション以外では、近くの飛行機博物館(NATIONAL MUSEUM OF THE UNITED STATES AIR FORCE )がお勧めです。その後、ダウンタウンを散策、そして夕食のプランはいかがでしょうか。ハムベンション前夜は、友人たちと会食&おしゃべりに興じるのが一番です。
ハムベンションの楽しみ方
ハラアリーナのエントランス(入り口)を入るとNo.1~85のメーカー展示と即売コーナーが圧巻です。アイコムは入って左側35~37が定位置です。このスペースに続くノースホールのNo.120~259、イーストホールのNo.501~657にも有名企業が出展。ボールアリーナのNo.411~477はARRL EXPO2007、書籍やロゴ入りTシャツの販売やDXCCのカードチェッキング、インターネットカフェ、講演会などが目白押し。ここで「ARRL EXPO2007 DAYTON」の丸いバッジがもらえます。ほかに初日と2日目のARRL/VECによるアマチュア・ライセンスの試験が実施されます。昨年は日本人ハムがこの試験に挑戦してゼネラル級を取得、友人から大きな拍手をもらいました。
ICOMのブース(2006年)
フォーラムは、3日間通しでルーム1&4、2,3で行われます。RED CROSS、アンテナ、TAPRディジタル、BPL、アマチュアレディオと法律、GPSマッピング、YLRL、HFディジタル、DXing、コンテスト等々のテーマで講演・討論会が開かれます。フレアマーケットは、高周波関連の部品やコリンズなどの歴史的な名機が手に入るのもここ。車一台のスペースで売る側に回る日本人ハムも出てきました。のみの市は希少なもの、珍品に出会うチャンスでもあります。
青空の下で買い物に興じる
珍品が埋もれているかも!
ホテルの予約
個人旅行はオンライン予約が一番です。デイトンハムベンションの公式WebサイトからTravel→Hotel infoをクリックして、デイトン地域のホテル一覧を見ることができ、料金が一目瞭然、気に入ったホテルをクリックして、空き部屋情報から予約を済ませます。
まとめ
各種予約はオンラインで済ませるよい時代になりました。よほどのことがない限り、旅行会社に依存しなくても個人旅行が組み立てられるようになりました。便利な時代になっても特に注意したいのは、旅行中のアクシデント(予期しないできごと)、置き引きや危険な目に遭わない心構えです。決して隙を見せないこと、パスポートを常に確認しながら失くしたり、盗られたりしないように気を配るのが大事。また、車の運転は右側通行ということで右折・左折の作法が日本とかなり違うので慎重な運転が望まれます。デイトンは治安の良い地方都市ですから安心して出かけていいと思います。