Onlineとーきんぐ
No.79 デジタル写真でつくるフォトストーリー
今回は趣向をがらりと変えて、イベントの思い出づくりに使い勝手の良い「Windowsフォトストーリー3」を紹介したいと思います。マイクロソフトのWebサイトからWindows XP用として「フォトストーリー3」を無料でダウンロードして、北海道旅行で撮りためたデジタル写真に音楽を付けて約7分のストーリー(スライドショーの一種)を作ったのが始まりです。試作品をホームページに公開すると友達の評価も悪くなく、気を良くして手直しを続けるうちに使い方に慣れてきました。
フォトストーリー3の特徴は、写真にパンとズーム効果を加えて動画のように見せるところにあります。ワイプ、フェードイン/フェードアウトなどの多彩な切り替え効果に加えて、タイトルとエンドマーク、スーパーインポーズ(字幕)も思い通りに挿入できるほか、ナレーションを入れることも、著作権フリーの音楽ライブラリーから気に入った音楽を選び、楽器、テンポなどを変えてオリジナルのサウンドトラックを作ることもできます。
5枚の写真でミニストーリー
2006年10月、青山学院初等部校舎の建て替えに伴い廃棄されるはずの机と椅子約700セットをカンボジアの小学校に贈る寄贈式が、同国の高官と駐カンボジア日本大使の出席のもとに行われました。この時の様子は日本の「地雷処理NPO」を通じて5枚の写真がもたらされました。カンボジアの子どもたちの純真な表情を見ているうちに、まれにみる善行をホームページに載せたくなり、アニメーション効果を使うことで、5枚の写真から3分ぐらいのストーリーを作れそうな気がして制作に取り掛かりました。
日本から机といすを贈られて喜ぶカンボジアの子どもたち
デジカメ写真は、寄贈式の様子と日本から贈られた机と椅子に掛けた子どもたちの戸惑いと緊張感が印象的な5枚の写真にアニメーション効果を加えて、1枚の写真から複数のシーンを作り出し、晴れやかな寄贈式と子どもたちの喜びを表しました。フォトストーリー『廃棄寸前の机と椅子、カンボジアの子らへ』(3分15秒)は、Webサイト(Windows Media Playerが立ち上がります。)でご覧になれます。
青山学院初等部には1975年創部のアマチュア無線クラブ(JE1YAV)があり、さまざまな活動を通じて多くの小学生ハムを育てた実績で知られていますが、折しもCQ 07年2月号「わくわくインタビュー」にクラブ活動が丁寧に紹介されていますので、併せてご覧ください。現在は部員26名中、4アマ9名、指導教員4名中2名がコールサインを持っているということで、クラブの伝統を受け継ぐ力強さを感じました。因みに机と椅子の寄贈は、初等部OBのアイデアと粘り強い交渉から各方面の賛同を得て実現したと聞いています。
使い道いろいろ
「フォトストーリー」の使い道としていろいろ考えられますが、ムービーと比較すると写真の隅々をしっかりと観察ができるため、「落ち着いて見られる」という感想が寄せられました。単なるスライドショーと違い、画像にズームやパン(レンズを左右に動かして広範囲に撮影すること)の動きがあり、サウンドトラックが付いて退屈しない特徴があります。作品は短めに作るのがコツで、もう少し見たいという余韻を残すくらいが長さとしてはちょうど良く、5分あるいは15分以内にテンポよく収めると、飽きがこないようです。
次にフォトストーリーに適したテーマを挙げておきます。
- 1.クラブのイベントを記録してホームページで公開、あるいはCD-ROMで配布する。
DXサービス、移動運用など野外活動、総会などに。 - 2.講習会、講演会、ミーティングの記録。
- 3.海外旅行の報告。
- 4.家族の誕生会、パーティーなどの記録。
フォトストーリー3の作成手順
- 1.「フォトストーリー3」はマイクロソフトのWebサイトからWindows XP用として無料でダウンロードできます。(システム要件は同サイトで確認してください)
サイズは16MBくらいです。使い方については同サイトに紹介があります。サンプルを見ておかれると、フォトストーリーがどんなものかがわかります。 - 2.デジタルカメラから写真をパソコン(Windows XP)に取り込む。
3.作成の手順
フォトストーリー3のアイコンをダブルクリック、[新しいストーリーを選択]-[次へ]-[画像をインポートして配置]-[画像インポート]をクリックして、保存済みの写真から選んでインポートします。デジカメ写真で設定した解像度(2048×1360ピクセル)をそのまま使います。はじめ640×480ピクセルにリサイズしてインポートしたところ画質が落ちたために、これ以降リサイズをやめました。
10枚の写真をインポートした後、タイトル文字のフォントやサイズ、色を選び、写真に文字を挿入するか、背景を無地にするかなどを決めます。ナレーションは、画像に合わせてあらかじめテキストを書き込み、それを読み上げる時にストップウォッチで時間を計り、画像に同調させるための時間を細かく調節することもできます。さらに「おわり」などエンドマーク、「制作・著作」などのクレジット(著作権の表記)を入れます。この後、ストーリーに合わせたオリジナルの音楽を作り、完成したらストーリーに挿入します。
説明のための画像を作っているうちにOnlineとーきんぐ用のサンプル「デイトンハムベンション」が(1分)ができ上がりました。ナレーションこそ割愛しましたが、タイトルを入れて体裁を整えてありますし、音楽は映像に合わせてジャンルやスタイルを選び、テンポ、ムードなどを細かく調整しました。
サンプルは、テクニックを弄せず素直に作ってありますので、参考になると思われます。
11枚の写真をインポートしたところ
タイトルの挿入
[音楽の作成]ボタンをクリック
[プレビュー]ボタンをクリックして最終チェック
サンプルのタイトル画面
あとがき
いろいろなイベントに参加してフォトストーリーをホームページで公開する機会が多くなりました。もちろんメール添付で送ることもできますし、CDやDVDにデータCD形式で焼くこともできますので、知人へのプレゼントも喜ばれかもしれません。動画の形式はWindows Media Video形式(.wmv)のみで、再生はWindows Media Player 7以降が必要です。フォトストーリー1分のサイズは約2MBです。3分で8MB、8分で14MBくらいです。作品を作っている最中に、プレビュー画面がなめらかに動かない場合は、パソコンの性能に依存しますので、フォトストーリー3のシステム要件を参照してください。以上、マイブームのフォトストーリーを紹介しました。