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No.76 オーナーが受ける「ユーザー車検」のてん末記
今回は車つながりで「ユーザー車検」の体験記を披露します。愛車のスカイライン250GTの車検が目前になりましたので、自ら車検場に出かけて「ユーザー車検」を受けてみました。「ユーザー車検」とは車両の持ち主が継続申請を行い、自ら車に乗って検査ラインに入るもので、「車検」を管轄する国土交通省がこれを勧めていて、車検場の係員が親切に誘導してくれるため、安心して「ユーザー車検」を受けられる態勢にあります。
車検の日が近づくとディーラーから「車検料金のご案内」が送られてきましたので、これにざっと目を通すと基本コース107,065円、おすすめコース136,430円が記されていました。内訳を表にすると次のようになります。
基本料金(a) | 基本点検56項目 | 23,100円 |
諸費用(b) | 自賠責保険料 | 30,680円 |
重量税 | 37,800円 | |
印紙代 | 1,100円 | |
保安検査料 | 14,385円 | |
基本コース | 基本料金(a)+(b) | 107,065円 |
実際は上記の料金のほかに「リサイクル料金」13,450円の徴収があります。さらに「さわやかパック料金」(136,430円)というおすすめコースも用意されていました。
継続検査(車検)申請に必要なもの
ユーザー車検」を受ける場合に必要な書類等は以下のようになります。
納税証明書 | 納税通知書兼領収書のこと。 |
自賠責保険 | 旧自賠責保険期間に新たに自賠責保険期間を追加締結する。 |
自動車検査票 | 検査手数料1500円の印紙を検査票の右上の手数料欄に貼りつける。 |
検査申請書 | ・業務種別・有効期間・登録番号・車台番号・走行距離数を鉛筆で記入。 ・申請者(使用者)の氏名・住所欄及び受検者欄はボールペンで記入。 ・業務種別・有効期間・登録番号・車台番号・走行距離数を備え付けの鉛筆で記入。申請者(使用者)の氏名・住所欄及び受検者欄はボールペンで記入。 ・検査証上の使用者自身が「自筆署名」した場合は押印不要。 |
自動車検査証 | ケース等から出して見やすいように広げておく。 |
重量税納付書 | すべてボールペンで記入。重量税印紙37,800円を貼る。 |
点検整備記録簿 | 点検整備は未実施の場合でも提示が必要。 点検等を実施した内容及び登録番号・車台番号等を記入。 |
リサイクル券 | リサイクル料金の預託確認が必要になります。すでにリサイクル券がある場合及び検査証に預託確認済みスタンプがある場合は除く。 |
車検場の事務棟で「ユーザー車検」を受けたいと申し出ると必要な申請書類等を○○陸運振興財団などで購入(30円)できます。今回支払ったいわゆる「法定費用」と雑費は次のようになりました。
リサイクル券
自賠責保険 | 30,680円 |
重量税印紙 | 37,800円 |
検査登録印紙 | 1,500円 |
リサイクル券 | 13,450円 |
用 紙 | 30円 |
合 計 | 83,460円 |
新車購入時にリサイクル券が支払済みということであれば70,010円になります。
近くの車検場に出かけてみる
「ユーザー車検」を始める場合、近くの車検場に出かけることから始めます。事務棟に入り「ユーザー車検受付」付近で「ユーザー車検のご案内」という冊子がもらえるので、一度目を通しておくと理解が早いと思われますが、内容は次のようなものです。
1.ユーザー車検の予約
2.継続検査に必要なもの
3.申請書類等の購入・作成場所
4.受付時間・検査時間
ほかに「検査コースにおける検査項目について」の説明があります。検査コースに「見学者用通路が用意されている」と書いてありますので、どんなことをするのか、一度見ておくことをお勧めします。
検査予約はインターネットで
ユーザー車検の予約は電話・インターネットともに24時間対応しています。
ここで全国の車検場に接続できて予約の空き状況がわかる仕掛けになっていますから、「予約する方はこちら」-「継続検査の予約」-「検査場の選択」-「支局・事務署名を選択」-「予約日の選択」-「予約情報の入力」(台数と暗証番号)-「登録番号入力」の順に進めていくと予約番号が与えられ、予約日 1ランド、受付時間8:45-10:15検査時間9:00-10:15のように指定されるので、そのページをプリントして車検場に持参します。電話による「検査予約」は、インターネットで「全国車検場」を検索すると所在地と電話番号がわかりますので、これまでどおり予約が可能です。
国土交通省のWebサイト「自動車検査インターネット予約システム」
地図上で該当するエリアをクリック
予約可能な日が一目でわかる
検査を受ける前に
クルマの点検と手入れを行います。エンジンルームを開けて車台番号、エンジン型式などのプレートを検査官に見やすいように清掃しておきます。次に二人一組でブレーキ灯、ウインカー右・左、ヘッドライト、バックライト、警笛、ワイパー&ウインドウォシャーなどの動作が正常かどうかを確認して、検査官の目視によるチェックに備えます。
車検場構内の流れ
車検場では、
1.税の申告(書類の購入と記入)
2.ユーザー車検受付(書類提出)
3.検査コースに並ぶ
4.検査
5.車検証交付
の順に流れになります。
ナンバーセンターで申請書などをそろえる
検査項目は
コース入り口で 同一性の確認が行われ、車台番号、エンジン型式、ナンバープレート、封印、用途、車体の形状が検査官の目視により行われます。続いて車体の概観(車体及び車枠、保安装置、走行装置、投下装置類、車室内の各装置、エンジンルーム内の各装置、車両寸法などが、検査官の目視及びハンマ等による点検があり、検査官に書類を渡し、指示されてエンジンルームを開けます。事前にモービルアンテナを外しておきました。
検査コースの入り口
自動車を白線に合わせてゆっくり検査コースに進入します。前方の表示器の表示にしたがって操作し、検査結果を記録する。サイドスリップ(かじ取車輪整列)、ブレーキ(制動能力測定/主ブレーキ、駐車ブレーキ)、スピードメータ(速度計の誤差、車輪の振れ)、ヘッドライト(照射光度、向き、色など)、排出ガス(ガソリン車の一酸化炭素、炭化水素)、下回り検査(エンジン、かじ取り装置、緩衝装置、制動装置、燃料装置、動力伝達装置、排出ガス装置などの取り付け状態など) いずれも表示器に○合格、×不合格で表示されます。コース出口で検査官により総合判定(書類審査及び検査結果の総合判定)が行われます。
検査コースの内部
テスター屋と呼ばれる予備車検場
ヘッドライトの向きが不合格に
「ヘッドライトの判定」が×になりました。「上向き照射が上向きすぎだから調整してもう一度受検するように」と言われました。車検場の隣に予備車検場があり、車検場と同じ検査機械をそろえて車検基準にあわせて各部を調整してくれます。2,500円を支払いコースに並びました。5分ほどで調整が終わり、再び車検場に戻り検査コースに並びました。2回目のヘッドライトの検査を受けて無事に合格の判定をもらい、新しい車検証を手に入れることができました。後日、ディーラーにヘッドライトの向きが不合格になったと話すると「それは経年変化ですね」と言われましたので、事前に予備検査場でヘッドライトを点検して車検を受けたほうが良いようです。
再検査のために検査コースへ進入
まとめ
ユーザー車検の総費用が83,460円+ライトの調整(2,500円)で済み、ディーラー車検の107,065円+リサイクル券(13,930円)の合計120,995円よりも安く上がりました。その後、12ヶ月点検を受けて10,800円がかかりましたし、その際、フロントに勧められるままにエンジンオイル、オイルフィルター、ベルト全数、ブレーキフルード、フロントブレーキパッド、冷却水、エアコンフィルター等の交換に応じたために、これらの合計55,289円が追加になり、結構な支払いになりました。
結論としては「ユーザー車検」が安上がりなのは紛れもない事実ではありますが、それはあくまでも整備や消耗品抜きの話になりますので、そういう観点からこの体験記を読んでいただけると参考になると思います。
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