北海道を雄大な自然に魅せられて2003年から始めたドライブがついに連続4回目になりました。毎年のように原生花園が咲きそろう7月中旬を選び、Eスポによる交信に期待して10日ほどのドライブを恒例にしています。今回も茨城県の大洗港から商船三井/東日本フェリーにマイカーと一緒に北海道の苫小牧港まで約17時間の船旅を楽しみました。

ファーム富田の美しい花畑

フェリーは商船三井のWebサイトで空席状況を確かめて予約しました。一般運賃にはプラチナ割引(満60歳以上の旅客の一般旅客運賃20%割引)やインターネットによる割引運賃があります。以前は電話を掛けて混雑状況を聞いて日程や等級を決めていましたから、パソコンの画面ですべてを決められる便利さはまた格別です。予約が確定すると乗船票を2枚プリントして、車検証と共に乗船カウンターに持って行くと直ぐに受け付けてくれます。支払いはクレジットカードまたはコンビニエンスストア・銀行/郵貯ATM・ネットバンキングなどが利用できます。

大洗-苫小牧「二等寝台」2名11,700円+乗用車(5m未満)1台22,500円、運賃合計34,200円からプラチナ割引で1,300円が戻ってきました。船は「さんふらわあ さっぽろ」13,654総トン、就航船舶の中では一番大きなフェリーです。大洗港を夕便(18:30)で出航して苫小牧港に翌日の13:30分に着きます。船内には展望風呂、展望デッキ、映画鑑賞のマリンシアターなど、長旅を退屈させない設備が整い楽しさを演出しています。なかでもサウナ付きの展望浴場が大海原を眺めながらくつろげて気に入っています。

道北ドライブで締めくくり

初めての北海道ドライブ(2003年7月)は美瑛、富良野を中心とした「道央」をまわりました。続く2004年は知床半島などの「道東」をまわり、2005年は「道南」をドライブし、本州の文化が色濃く残る函館周辺をまわりました。折から「知床」が世界遺産に登録されたとテレビのニュースで知り、行き先を変更して2度目の知床半島を楽しみました。これで行っていないのは「道北」になりましたので、ノシャップ岬から望むサハリンの島影を見たい、オロロンラインから見る利尻富士、広大なサロベツ原生花園に立ち寄り、稚内を含むオホーツク海を望む浜頓別、サロマ湖あたりを周回することにしました。

サハリンの島影を望むノシャップ岬

広大なサロベツ原生花園

ハイバンドのコンディション最高!

旅行に出かける前からハイバンドのコンディションは良好で、50MHz帯は早朝、午後~夕刻にかけて全国的に開けていました。29MHzFM、28.640MHzも好調でしたからコンディションの持続を願いながら北海道に向かいました。昨年(2005年)のドライブ前半は21MHz~50MHzが全く死んでおり、かろうじて14MHz帯SSBで東京方面と交信ができた程度でモービル運用のおもしろさが半減しました。

北海道の初日は夕張フォレストYH(ユースホステル)に1泊します。苫小牧から夕張まではおよそ60キロ、有料道路を使わずに一般道路を走行しました。初日はいつも緊張するもので、現地の道路環境になれるまでは慎重を期して無線運用を控えました。宿泊料金は1泊2食10,080円(2人)森の中のログハウスは趣があり静寂、料理も美味しくてお薦めの宿です。YHの実家がメロンの栽培農家なので、デザートに4分の1カットのメロンが出て大喜び。あらかじめ頼んでおくと飛び切りのメロンを安い価格で分けてくれます。

IC-706MKⅡGMでモービリング

無線設備は小型HFモービルトランシーバーの名機IC-706MK2GMとAT-180を装備、アンテナはダイヤモンドのマルチバンド・モービルホイップアンテナをトランクリッドに付けてあります。コイルつきエレメントを先端に2本つけて28MHzと14MHzあるいは18MHzを選択、全長が約1.4mで50MHzのλ/4となり、計3バンドをカバーして自由にバンドを行き来できます。

スカイラインに搭載したIC-706MKIIGM

トランクには7MHz、10MHz、24MHzのコイルつきエレメントを用意してあり、3.5MHzを除くどのバンドにも出られます。ほかに430MHz FMと1200MHz FM機の搭載もありますが、UHF帯の信号を受信することはまれでした。ほかにノートパソコンとSSTVアダプタ、インバータ(DC12V→AC100Vの変換機)を装備してスロースキャンテレビ(SSTV)の運用も可能です。ただしVIP同伴ですから一箇所に腰をすえての無線運用は控えました。

リアフェンダーに付けたHFモービルホイップで交信した

ログを書かない代わり小型のカセットレコーダーを用意して交信を録音するようにしている。しかし、機材が多くなる欠点があるため、結局、ステアリングの中央にはがき大のプラスチックの板を取り付けてポストカードを重ねて、交信のたびにコールサイン、時間、周波数などを書くことにした。移動運用の利点やVHF/UHFバンドのオペレート、リピーター、APRS(Automatic Packet Position Reporting System)についての解説もある。

石炭の歴史村(7/13)

早朝、夕張フォレストYHを出発して市内のテーマパーク「石炭の歴史村」を訪ねました。夕張市が632億円の負債を抱えて財政債権団体の指定を受けたと報道されていましたから、街の様子に興味がありました。夕張市の第3セクターが経営する「石炭博物館」(800円)に入場してみたが、入場者が少なくて寂れたテーマパークの印象。ほかに「哀愁の丘」などを回ってみたが、興味を惹くものがなく早々に退去して、映画「幸福の黄色いハンカチ」の思い出ひろばに回ってみました。ここでも名作映画の余韻を追い求めるよりも地道な営みが必要ではないかと感じました。

50MHz SSBで立て続けに交信!

いま全国的に話題の「旭山動物園」に行くべく旭川に進路をとり国道452をひた走りました。芦別あたりで09:53 50.240MHzでJK2KIM(伊勢市)と交信、「もしかしてMHの・・・」と聞かれ、初対面でしたが何かの記憶が蘇ったようです。10:05 50.22MHzにダイヤルを回すとJF2IIUモービル(名古屋市)が強力に入感(深川市で)。コールするとRS59で交信が成立。旭川市内を走行中に10:19 JO1IRO(さいたま市)と交信。10:45 28.640MHzで7L1GUJ(大和市)とRS59。10:45 28.640MHzでJA1JJV(八王子市)とRS59で交信、東京の空模様を尋ねる。28MHzと50MHz帯は最高のコンディションでモービル運用は絶好調!美しい自然とモービルハム、絶妙なマッチングに浸りました。

ウソタンナイ砂金採掘公園での砂金採掘を体験

「旭山動物園」がおもしろい

旭川市立旭山動物園を訪ねました。カーナビの誘導で新東門に到着、駐車場は無料、ひっきりなしに到着する観光バスがツアー客を限りなく吐き出している感じ。最北の動物園の動物を生き生きと見せる展示とはいかなるものか?テレビの番組で見ているために大いに期待が高まりました。入場料は大人580円という安さにびっくり、中学生以下無料、動物パスポート千円(来年の3月31日まで有効)というおおらかな料金設定に人気の秘密を見た思いがしました。

おもしろい順に挙げると、「ほっきょくぐま館」「あざらし館」「ぺんぎん館」「おらうーたん館」になります。高所を渡っておやつの餌をとりに行くおらうーたんに人気が集まっていたが、メスの親子が療養中とかでオス一頭では競争心がなくて空中散歩の妙技を見ることができなかった。この日の泊まりは深川市の「イルムの丘」1泊2食9,040円(2人)。

あさひやま動物園のパンフレット

JR増毛駅を訪ねて(7/14)

留萌国道(R233)を走行中、09:07と11:39 28.640MHzでJA1JJVと交信する。JR留萌本線の終着駅、増毛駅は高倉健主演の映画「駅・ステーション」の舞台になった終着駅として知られ訪ねる観光客が少なくない。風雪に耐えた木造の駅舎と駅前の「旅館 冨田屋」と「風待食堂」は一見の価値がある。この辺りは日本海に沿って続くオロロンラインを北上すると黄金岬、旧花田家番屋、しょさんべつ天文台などの見所があります。

JR増毛駅前の冨田屋旅館

北竜ひまわりの里」に立ち寄ったが、開花時期が8月上旬ということで50万本のひまわりを見られなかった。オロロンラインを走行中にCQを出すと、13:33 50.240MHzでJA8CRB/7(山形市)とRS59、この後、15:09 28.640MHzでJA1BZJとRS58で交信できました。

あとがき

この後、旅行も後半に入り、15日から20日までサロベツ原生花園、ノシャップ岬、宗谷岬を回って浜頓別へ、サロマ湖、ワッカ原生花園、そして憧れの美瑛「ポテトの丘YH」に2泊して24,360円(2人)、パッチワークの丘など美しい景色を楽しみ再び夕張フォレストYHへ。この間、ハイバンドの良好なコンディションが続き本州方面との交信が連日行われました。またレーダー取締りに遭遇すること4回、交通法令を遵守して走行していたために停止を命ぜられることもなく気持ちのよい旅が続けられました。7月20日、苫小牧港から商船三井の「さんふらわあさっぽろ」の夕便(上り)に乗船して翌日の13時30分頃に大洗港に着岸、4回にわたる北海道ドライブに終止符を打ちました。

ご参考:本文に紹介したほかに、次の宿泊施設を利用しました。
中川のポンピラ温泉ポンピラ アクア リズイング 13,600円

浜頓別温泉「ウイング」 20,400円
サロマ湖畔YH 11,340円
いずれも美味しい料理と快適な部屋を提供してくれました。1泊2食、2人の料金です。