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No.60 HFモービル北海道3千キロドライブ(道南編)
北海道ドライブは連続3回目になります。原生花園の素朴な花々や富良野の美しい花畑に魅せられて、今回もまた大洗港から商船三井フェリーの“さんふらわあ みと”11,782トンの2等寝台に乗り込み、苫小牧港を目指して23時55分出航しました。
大洗フェリーターミナル午後10時ごろ
商船三井フェリーのホームページから空席状況照会ができ、運賃はクレジットカードで決済ができるようになりました。Webサイトで予約をするとメールで予約番号を受け取り、番号をクリックすると乗船票が表示されるので、これを2枚印刷して車検証とクレジットカードをカウンターに提示すると乗船券がもらえます。車と共に約20時間、展望浴場につかり大海原を眺める楽しみもあり、ゆったりした時間が船内に流れて退屈することはありません。運賃は大人特等30,000円~2等7,000円、乗用車23,000円(5m未満)多客時7/20~8/31は別運賃。
ニッサン・スカイライン250GTに小型HFモービルトランシーバーの名機IC-706MKⅡGMを搭載して14MHz~50MHz、430MHzの各バンドを運用することにし、全長1.5mのマルチバンドのホイップを用意しました。短縮コイル入りエレメントをバンドの数だけそろえてあり、いつもは14MHzと28MHzの2本を装着してあります。この状態で50MHzの4分の1波長として使えるので3バンドが使えることになります。
スカイライン250GT IC-706MKIIを搭載
苫小牧から札幌へ(1日目)
苫小牧港に19時ごろに接岸、車と共に下船し一年ぶりに北海道の地に降り立ちました。カーナビに行き先を入力して苫小牧東から道央道に入り札幌南まで1時間ちょっと、20:30ごろに北海道厚生年金会館「ウェルシティ札幌」に到着しました。ホテルの設備は4星級で清潔、フロントの対応も丁寧で結構でした。朝食付き2人で11,930円。今回の旅は札幌からのスタートになりました。所沢-大洗、苫小牧-札幌の走行距離223キロ。
アマチュア無線運用禁止の藻岩山(2日目)
通りすがりに時計台を見て、市外の南西に位置する標高531mの藻岩山に車を走らせました。山頂から市内を一望したい、そんな気持ちで藻岩山観光道路の入り口にたどり着くと「霧が立ち込めて何も見えないから止めたほうがいい」と係員に言われて料金所でUターンすると、「消防無線に混信するため観光道路全線でアマチュア無線の運用を禁止する」というような意味の看板に気づいた。このときHFバンドのモービルホイップを付けていたらきっと警告を受けていたに違いない。混信の原因はハイパワーの違法CBや不法無線局ではないかと思ったりするが、地元の人に真相を聞いてみたいと思っている。
ちざきバラ園と北海道開拓村
藻岩山の山頂が駄目ならと中腹に広がるちざきバラ園(札幌市中央区伏見3丁目)を訪ねる。色とりどりの鮮やかなバラと香りを楽しみ、併設のカフェで美味しいソフトクリームをいただいて落ち着きを取り戻す。入園料500円。
ちざきバラ園
次に開拓の歴史を移築・復元した建物を通じて学べる北海道開拓村(札幌市厚別区厚別町小野幌50-1)に回りました。入場料は830円、65歳以上は無料。開拓時代をしのぶ馬車鉄道が珍しい。開拓村は市街地・漁村・農村・山村の4つに分けて明治・大正期に建築された建造物を54haの敷地に復元・再現している。
定山渓温泉・中山峠を経由して大湯沼へ
ニセコアンヌプリを目指して、途中、札幌の奥座敷と称される定山渓温泉をとおり、中山峠を経由してニセコアンヌプリまで約100キロのドライブに突入する。HFバンドが開けているとモービル運用が楽しめるのに、あいにく苫小牧に上陸して以来14MHz~28MHzの各バンドはノイズばかりで何も聞こえない。Eスポの発生もないからトランシーバーのスケルチを効かせて、コンディションの回復をひたすら待つことにした。
ニセコ湯元温泉の源泉・大湯沼
札幌と喜茂別を結ぶ国道230号線にある中山峠で小休止、羊蹄山を見ながら名物の“揚げジャガ”を食べる、北海道らしさが凝縮した一品だ。京極町から国道275号線、倶知安から58号線に入りニセコアンヌプリへ。途中、ニセコ湯元温泉の源泉・大湯沼に立ち寄る。源泉の周囲に設けられた散策路に足湯を見つけて浸かりドライブの疲れを癒した。
ニセコアンヌプリYH
ニセコアンヌプリYH
第2夜はニセコアンヌプリYH。オーナーがこだわり自ら建築したウッディ・ハウスに「木の温かさ」を感じる森の中のユースホステルだ。奥さん(かよこさん)が腕を振るうボリューム満点のフル・コース料理に大満足。夕食後の「極楽温泉ツアー」(要入泉料)も大人気!料金は1泊2食付で4,900円。YH会員以外は1,000円がプラス。札幌-ニセコアンヌプリの走行距離170キロ。
JR森駅のいかめし、鹿部間欠温泉(3日目)
国道5号線を南下して長万部へ向かい、内浦湾沿いにJR森駅を目指した。駅弁人気ナンバーバーワンといわれる森駅のいかめし(470円)を食べたくてJR森駅に直行。駅構内のキオスクで購入してその場で食したが、味は評判と違いちょっと期待外れ。
駒ヶ岳はあいにく雲に覆われて見えず。鹿部の間欠温泉に出かけて足湯(300円)に浸かる。このあと神奈川県座間の菊島さん(JA1BZJ)と14MHz SSBで交信することができた。友人の川島さん(JJ1HKS)もワッチしているはずなのに聞こえてこない。明日に期待しよう。
カーナビに入力した池田園駅に着いて辺りを見渡すと、雑木林に住宅のような駅舎がぽつんとあるだけで駅前広場を構成する商店街も交番も何も見当たらない。それでも上下線あわせて1日13本が停車するれっきとしたJR函館本線の駅なのだ。今晩泊まるのは大沼公園YHは線路を挟んだ向こう側、時折通る列車の音以外何も聞こえない静かなところ。料金は1泊2食4,980円(会員)。
オーナーの勧めで流山温泉に出かけた。大沼湖畔に近く源泉100%かけ流しの温泉。露天風呂から眺める駒ケ岳は額縁に入った美しい絵のような絶景。酸化して茶色になった湯は肌によさそう。入湯料800円。ニセコアンヌプリ-大沼の走行距離210キロ。
江刺・松前城・五稜郭・立待岬(4日目)
大沼公園を1周して国道227号から江刺を目指す。日本海に沿って走行しているときにJA1BZJ(12:58)、JJ1HKS(13:05)と14MHz SSBで交信しました。RS57、コンディションの回復はいまひとつ。28.640MHzは静まり返っている。
江刺はニシン漁が盛んな頃の回船問屋が立ち並びテーマパークのたたずまい。旧中村家と横山家(各料金300円)を訪ねて全盛期をしのぶ。この後、松前城(料金300円)を見学、安政時代創業の“そば処まるに”で松前風なっとうそば(735円)とニシンそば(840円)を注文、老舗店の味に大満足。松前藩屋敷を外から眺めて函館に向かった。
北海道唯一の城下町の象徴、松前城
1999年6月、第9回全国SSTVミーティング函館大会に出席して、五稜郭や函館山、トラピスチヌ修道院などをSSTV愛好家の皆さんと観光した思い出があります。あれから6年、真っ先に五稜郭を訪ねると2006年4月開業の新しい五稜郭タワー(高さ98m)が建設中でした。1868年の箱館戦争の舞台となり、翌1869年に新政府軍に開城した歴史を思い浮かべながら公園を散策した。次に津軽海峡が一望できる展望スポット立待岬を訪ねる。岬にたどりつく途中に、石川啄木の墓や与謝野鉄幹・晶子の歌碑があった。
2006年4月開業の新しい五稜郭タワー(高さ98m)
今夜の泊まりは函館YGH。函館山の山麓駅まで歩いて10分の距離にあるユースゲストハウスだ。ホームページから空き室状況がわかり、宿泊の予約ができる上に食事なしの3,800円~4,200円。手づくりパン(バタロール)とコーヒーのサービス(5月~10月無料)、夜は手作りアイスクリームのサービス(無料)がある。夕食はオーナーが勧める格安食堂「たつみ」でいくら丼(880円)とニシンの開き定食(660円)をいただいた。食べきれないくらいの量があり、若者に人気の店のようです。
この後、函館山のロープウェイに乗って山頂へ。標高334mの函館山は100万ドルの夜景が楽しめるスポットとして有名です。往復1,060円、山麓駅も山頂駅も人であふれ返っていたが161人乗りのゴンドラがひっきりなしに往復して観光客をさばいて見事。夜景は評判どおりに美しく飽くことなく眺めていました。大沼-函館の走行距離258キロ。
函館山から眺める百万ドルの夜景
あとがき
道南のドライブは交通取締りや事故の現場をいくつも見ながら何事もなく観光を続けることができたが、HFハイバンドでJA1BZJとJJ1HKS両局交信したのも2回だけ、最悪の電波伝搬で始まったのは運が悪いとしかいいようがない中、襟裳岬で移動運用5日目のJJ8FRD佐々木さんとの出会いがあり、旅の後半で28MHzと50MHzの各バンドでEスポによる全国規模の交信ができて面白くなってきたモービル運用をレポートする予定です。