5年に一度「再免許申請書」の提出が巡ってきます。免許が切れる日の1年前から1ヶ月前までの間に、総合通信局へ到着するように提出しなければなりません。免許の切れる3ヶ月くらい前になるとJARLから『局免許の有効期間満了のお知らせ』が届きますので、提出を忘れることはないのですが、1日伸ばしになることは確かでいつの間にか免許の有効期限が近くなるというわけです。免許の切れる日の1年前から提出ができるのなら早めに取り組んでおくのがよろしいかと思います。

電波型式の表示が変ったために「再免許申請用紙」(JARL発行、500円)が4月頃に一時品切れになり手に入らない状況が続きましたので、申請書のダウンロードから「再免許申請書」と「無線局事項書及び工事設計書」をダウンロードしてプリント、それぞれ記入して提出すればよいと思っていましたが、今回は新しい電波の型式で記入しなければならないために書き方を詳しく解説してある「アマチュア局用再免許申請書類の書き方」が読みたくてJARL発行「再免許申請用紙」を購入することにしました。

電波型式は無線局情報検索で

総務省の無線局情報検索でご自分の無線局免許情報をご覧になられたことがあると思われますが、ここを見ると「電波の型式、周波数及び空中線電力」が新しい電波型式で表示されていますので、この部分をプリントしておくと無線局事項書及び工事設計書の裏面、「希望する周波数の範囲、空中線電力、電波の型式」を記入する際に、新しい電波型式がそのまま役に立ち大変便利です。

総務省の無線局免許情報検索から「無線局免許情報」が見られる

(例)免許状の一部を抜書きしてみますと(左側が旧、矢印の右側が新)

A1 1910kHz 50W → A1A 1910kHz 50W
F5 F4 F1  A3J  A1  3537.5kHz → 3HA  3537.5 kHz 50W
F5 F4 F1  A3J  A1  3798 kHz → 3HD  3798 kHz 50W
F5 F4 F1  A3J  A1  7050 kHz → 3HA  7050 kHz 50W
F5 F4 F1  A3J  A1 10125kHz → 2HC 10125 kHz 50W

となります。

旧の電波型式を逐一記入したこれまでのやり方に比べて、新しい表示が簡単になったのは素直に喜べるでしょう。新旧の電波型式が「再免許申請書の書き方」p.5に掲載されていますので、そちらを見ると分かるようになっていますから安心して記入することができます。ところが申請書類の作成段階で「新しい電波型式に読み替えるのがめんどうだな」と漠然と考えていたときに、突如として閃いたのが、総務省のWebサイト「無線局情報検索」の利用、すなわち自局の情報の活用でした。総合通信局が入力してくれたのですから「電波の型式に間違いなし!」というわけで、そのまま転記して済ませました。われながら良い思いつきと評価していますが、みなさんもすでにお気づきですね。

「再免許申請書類」ができたら郵便局へ

再免許申請書類を作成したら近くの特定郵便局から簡易書留(440円)で送ります。封書に80円切手を貼り窓口に出して「これでいいですか?」と尋ねると、「簡易書留」の朱書に目をとめて「簡易書留にしますよね」と言われて380円の切手を追加しました。うっかりミスを窓口の職員がしっかりカバーしてくれました。

家にもどりくつろいでいると、きちんとした身なりの郵便局員が訪ねてきました。『収入印紙の額面を2千円と間違えて2万円を渡してしまいました』と聞いて仰天! 送ってから3時間しか経っていないので「そちらで取り戻して処置したら・・・」というと、『それはもうできないのです。宛先から額面が違うと言ってきても驚かれないように、差額の1万8千円は自分が弁償しますので・・・』という内容でした。話を聞いていて少し気の毒になってきました。

サラリーマンにとっての1万8千円は決して小さな金額とはいえません。係員の不注意とはいえ、収入印紙を貼るときに額面をしっかり確かめたわけでもないし、記憶では数字の2の後ろに続くゼロが少し多いような記憶があったような、といってもゼロを数えたわけでもないし、郵便局の人が間違えるはずもないという先入観もあり、深く追求しなかったのも事実だなぁと思い返しながら、有効期間が切れる1ヶ月間までに後20日を残すだけのギリギリの状況を考えると、総合通信局から申請書を取り戻すなんてとてもできない、などと考えていました。

「お気の毒ですが、時間がないので"過納承諾"で済ませたい」と言い放ってしまいました。収入印紙は2千円と5百円、3百円、50円、これに手持ちの200円を足して無線局再免許手数料の3,050円を貼り付けたために2千円の額面が必要だったわけです。はじめから3千円と50円なら間違いもなかったのかもしれないと思ったりもしますが、郵便局員にとっても魔が差したとしか言いようのないうっかりミスが起きてしまいました。

XYLが行動を開始!

この一部始終を知ったXYLが行動を開始したのは、私のまったく予想外の出来事でした。外出した間に関東総合通信局に電話で事の成り行きを説明して「再免許申請書類」の返却を申し出たというのですから驚いてしまいました。本人でもないのに「コールサイン」を言い、「書類の記入に間違いがないかをチェックして返してくれるそうよ」とできすぎの感じもしますが、曰く、額面の違いが気に入らない、郵便局の職員が気の毒等々、XYLの正義感が許さなかったようです。シャックの片隅に置いてあった申請書類から総合通信局の電話番号を調べたといいますから、あまりの確信犯ぶりにただ驚くばかりでした。

申請書類の不備返送の書類。申請手数料が規定額より超過している

書類の「不備返送」

電話から4日後に「申請書類の不備返送について」というプリントが添付されて申請書類一式が戻ってきました。それによりますと、 「申請手数料が規定額(3,050円)より超過していますので、次の中から1つ選択し、補正して下さい。」 (a)加納承諾する (b)加納承諾しないというもので、(b)は印紙部分を切り取らず、申請書に貼り付けた状態で近くの郵便局で収入印紙1枚あたり5円の手数料で新たな収入印紙に交換できる、と書いてありました。

もどってきた申請書類を開けてみると記入欄に赤字によるチェックの痕跡を見つけて、記入事項の審査が済んでいる印象でしたから収入印紙をきちんと貼って再提出すれば受理してもらえると確信しました。2万1,050円の収入印紙を貼った「無線局再免許申請書」は、郵便局に持ち込むと返還されませんので、出かける前に新しい「無線局再免許申請書」をMS Wordで作成して持参して郵便局からもらった3,050円の収入印紙を貼り付けて簡易書留にて送りました。帰り際に"粗品"をいただいてにこにこ顔の職員に送られて郵便局を後にしました。

まとめ

ほどなく関東総合通信局から「再免許申請書受理のお知らせ」のはがきが届きました。これが届けばいずれ「無線局免許状」の発行を約束されたのも同じです。開局以来、再免許申請を何回となく繰り返してきたはずなのに5年に一度となると申請書の書き方をすっかり忘れてしまい、「再免許用紙」(JARL発行、500円)を買ってきて同梱の「アマチュア局用再免許申請書類の書き方」(A4判、8頁)を改めて読まなくては始まらないのです。

収入印紙を貼りなおして「再免許申請書」を再び郵便局から出したのが6月14日、それから18日が経過した7月2日に平成21年7月31日まで有効な「無線局免許状」が届いて再免許申請を巡る珍事件が落着しました。仕上げとしてJARL事務局会員事業課に電話をかけて再免許の手続きをした旨を伝え、コールサインと免許の年月日と免許の有効期間を伝えました。これで5年後に再び「局免許の有効期間満了のお知らせ」が届くはずですからそれまで安心して運用ができるというものです。

「再免許申請書類の受理のお知らせ」はがきの下面