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No.46 『米国西海岸2千キロドライブ』 ~カーナビ初体験~
2004年5月13日、オハイオ州のデイトンで開催の「ハムベンション2004」を訪ねました。成田からUA884便に乗ってシカゴでUA1288に乗り換えてデイトン空港に降り立ったのが同じ日の15時14分でした。空港にはLet's Get Together - @ Dayton 2004を主宰する古谷さん(WB6Z)、小山さん(7K1NAQ、KY7V)、酒村さん(JG1BUF、NL7T)たちが仲間を待っていました。ここで荒川さん(JS1DLC,N2IEB)、岡田さん(JA1CVF)、梅垣さん(JA7LGU)が到着して合流。デイトン空港から北へ70キロ、ホリデーイン・シドニーへそれぞれレンタカーで向かいました。
デイトン・ハムベンションのプログラム
3年ぶりのハムベンション
14日は屋外のFleaマーケットが8時、屋内は9時からの開場ですからこれににあわせて行動を開始しました。例によって会場入り口でMedia登録を済ませCyber-shot DSC-P7+一脚とOlympus C-2000Zを携帯して会場へ入りました。お目当てはアイコムほか各社の新製品をDSC-P7による動画の撮影にありました。というのもWebサイト(QTC-JAPAN.COM)に現地から「ビデオ速報」を流すため、メモリースティック128MBいっぱい(340秒)に撮影した後、これを半分程度に編集してサーバーに上げて速報したいと考えていました。
ひときわ目立つICOMブース
ホリデーイン・シドニーはブロードバンドの無線LANが自由に使えましたので、持参のノートパソコンを広げて電源をオン、Windowsムービーメーカーで編集作業を始めて、タイトルをつけてできあがったのが明け方でした。満足のできる仕上がりではないものの速報を優先して15日の午前10時には公開することができました。
この日はデジタルスチルカメラでの取材に切り替えて屋内会場を巡り、Hexビーム、SteppIRのアンテナ、I-Tennaの1800/proなど珍しいアンテナを見て回りました。さらにFleaマーケットを回る頃には、足が棒のようになり疲れも頂点に。せっかくだからと再び屋内会場に足を運びました。EMTORONのブースに立ち寄り社長のルディさん(VK2AOT)にご挨拶、創立90周年を迎えたARRLのコーナーではロゴ入りのTシャツをお土産に買ったほか、WB6MMAが開発したSuper Antennaを探して歩き回ったのですが手に入りません。見学を早々に切り上げて、午後はデイトン空港に車を走らせてUA便にてシカゴ経由、ラスベガスへ向かいました。
ラスベガスからヨセミテへ
ラスベガス空港に着いて観光気分が高まる中、予期しない出来事に見舞われました。というのも預けたバゲージ(旅行用の小荷物)が出てこないので、窓口に申告すると係員は落ち着き払い「後でホテルに届ける」と厳かに言われて従うしかありません。仕方がないのでHertzに移動して車を受け取り、空港近くの「ホテル・サンレモ」に車を走らせてチェックイン、午前2時頃にようやくバゲージが届いて安心して眠りに就きました。
16日早朝、エアーベガスのツアーに出かけてグランドキャニオンへ。夕刻、ラスベガスに戻ってベラッジオで"オー"を観劇。この後、噴水ショーやフリーモント・ストリート・エクスペリエンス(アーケード一面に光り輝くスペクタルショー)を見物しました。
17日はラスベガスからヨセミテ国立公園のWaonaホテルまでハイウェイを走ります。カーナビの距離は880マイルを表示、あまりの強行軍にXYLの顔が引きつっていました。キロメータに換算すると約1400キロ!るるぶ「アメリカ西海岸」の地図(p.3)の上で直線距離およそ500キロと計測したのが間違いの元でした。1400キロといえば東京を出て九州に至るくらいの距離でしょうか。それでもハイウェイの快適さを体験していましたから、なんとか走り抜けられるだろうという成算はありました。
フォード・トーラス
頼りになるナビゲーション・システム
広いアメリカ大陸をドライブするには全くといって良いほど地理に不案内ですから、これをカバーするためにHertzのWebサイトで"NeverLost"というカーナビゲーション・システムを見つけました。使用料は9ドル/1日という手軽さで5日間借りてUS45ドルでした。
ラスベガスのHertzで取扱い説明書をもらいましたが、アマチュアの突撃精神でカーナビの操作に取り掛かりました。闇雲にいじりまわすのは慣れていますし、カーナビもコンピュータの一種と割り切って操作してみますと、それなりに使いこなすことができました。操作は分かりやすいのですが、ディスプレイ部が小さくて見難い印象でした。
フォード・トーラスに搭載のカーナビNEVERLOST
無謀に見える1日880マイルのドライブを気遣って、友人の留学中の娘さんが出発前夜に全米の道路地図(the road atlas '03 WAL★MART .97)をプレゼントしてくれました。もちろん米国の道路地図を東京・新宿の紀伊国屋書店で購入して持ち込んでいましたが、お気持ちがうれしくてカーナビと併用することにしました。
日本語の音楽ガイドも
カーナビの音声ガイドは英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、日本語が選択できます。この操作にしばらく気づかないまま英語の音声ガイドを聞いていましたが、簡単な言葉なので英語で聞いても理解できました。距離の単位はオリジナルがマイルですから11マイルなら1.6倍して17.6キロと換算していました。少し経ってから日本語の音声ガイドに切り替えて、マイルをキロに換えていっそう使い勝手がよくなりました。
目的地の入力はもっぱら「Yellow Pages」を使い、適当な項目を選んでENTERを押すだけで通しました。もちろん住所を番地まで入力することもできます。細かい操作を忘れてしまいましたので詳しくは書けませんが、マニュアルを見ないで操作できたくらいですからすぐに使いこなせるはずです。目的地を入力すると3D画像で進行方向が示され方角(E・W・S・N)、目的地までの距離、分岐地点までの距離と進入角度が示されます。
「S 0.9ml 00:15」と表示されると、南に0.9マイル、所要時間15分、Exit#21BWで右方向の分岐して進入するというふうに。画面には最終目的地まで11ml、「Exit W I-635」(西635で降りる)の表示もあります。分岐地点に近づくと0.9ml 0.5mlと刻々と音声で知らせてくれます。0.1ml・・・ポーンとチャイムが鳴ったところが分岐点になります。
0.1マイル(160m)の地点でポーンという音を待ちきれずにフリーウェーから降りたり、違う道に曲がってみたり幾度か失敗を経験しました。道を間違えるとカーナビが再び計算して新しい道を示してくれますので心配は要らないのですが、ポーンを聞いてから次の動作に取り掛かるコツが飲み込めなくて苦労しました。
フリーウェーの光景
カーナビの誤動作に惑わされる
ヨセミテ国立公園をドライブ中にカーナビがとんでもない表示をして現在地が分からなくなったりしましたが、周りが高い樹木に覆われていてGPS衛星をキャッチできないために誤作動していると気づくまでしばらく時間が掛かりました。例えば、目的地にロサンゼルスを入力すると、現在地から1800マイルと表示して仰天! 本当にカーナビが壊れたまま、道路地図だけでロサンゼルスまで走るのはしんどいなと思ったのも確かです。結局、周囲が開けてくると正常に戻ることがわかり落ち着きを取り戻したというわけです。
18日早朝、Wawonaホテルをチェックアウト。ヨセミテ・バレーの観光スポットのハーフ・ドーム、マリポサ・グローブ、ブライダルベール滝などを見て回りました。昼過ぎにはカーナビに誘導されるままハイウェイを時速65マイル(104km)でドライブ、ガソリンは早めの給油を心がけてスタンドに立ち寄り、冷えた飲料水1ガロン(3.87リットル)とサンドイッチで胃袋を満たし、ハイウェイを楽しみながら走れるようになりました。ロサンゼルスのホリデーインDWTNに到着したのは午後8時を回っていました。
ヨセミテ国立公園の中のWAWONAホテル
カーナビに誘導されてロサンゼルスのダウンタウンへ
19日は「ユニバーサルスタジオ・ハリウッド」に出かけることにしてYellow Pages→ローカル・アトラクションから目的地を選択して出発しました。カーナビの指示のままに走行して「ユニバーサルスタジオ・ハリウッド」の駐車場入り口に到着。駐車料金を支払って見覚えのあるゲートの前に立ちました。 "フロント・オブ・ザ・ラインパス"(人気アトラクションが待たずに入場可能で、ショーの席も確保できる)をで購入してすべてのアトラクションを見て回りました。
夕食は「リトル東京」に立ち寄り、日本食レストランで久しぶりの和食を堪能しました。レストランを出て近くを散策しましたが、辺りは人気がまばらで寂れた感じでした。再びカーナビにホテルを入力して、フリーウェーを経由してホテルに無事に帰館しました。
まとめ
20日早朝、ホテルをチェックアウトしてロサンゼルス空港へ向かいました。フリーウェーは6車線、朝のラッシュで渋滞する中、カーナビの誘導にしたがいHertzのリターンに到着することができました。レンタカーによる2千キロ余のドライブの終了です。車が故障することもなく、健康を損ねることなく長距離ドライブを終えることができたのは、カーナビの精度の高い働きと幸運に恵まれたからにほかならないと思っています。
ハンディ機を持参していましたが、ハムベンションの会場で友人達と交信したほか、地理不案内による緊張感から西海岸では安全運転を最優先に運転操作に専念して無線運用を全く行いませんでした。とにかく無事に旅行を終えることを念頭に行動した9日間でした。
日本のカーナビのディスプレイと比較してサイズが小さく「こんなんで大丈夫?」と疑問に思いながら使ってみましたが、必要にして十分な性能を有しており、米国を訪ねる外国人が大いに利用しても良いのではないかと思われます。地理不案内のハンディを克服してカーナビゲーション・システムに助けられた想い出に残る西海岸ドライブとなりました。